お薦めの地方財政本など
このところ数冊、地域格差関連の本を読んだのだけれど、その中では、これが一番よかった。提言の章に入ると何だかよくわからなくなってしまうのだけれど、前半〜中盤の状況整理は簡潔かつ分かり易い。倫理的な悪をどこかに見出して叩き溜飲を下げるというパターンを脱すると、視界はクリアになる。
大抵の問題がそうだ、と感じてる。(……にしても「地方自治体壊滅」ってタイトルはどうかと思う。でも何冊かパラパラしてみた感じ、神野さんって、基本的に暑苦しい系みたい。冷静に状況を見てるっぽい印象を受ける本書前半の方が例外なのかも)
「乞食はどこへ消えた?」(@趣味のWebデザイン10/15付)
ここで掲げられている神野先生の本は読んだことがないので、それとの比較はできないのですが、「倫理的な悪をどこかに見出して叩き溜飲を下げるというパターンを脱」した「視界はクリア」な地方財政の本といえば、webmasterは次が決定版だと思っています。
書評を書きたいと思いつつなかなか書けずに今に至っていますが、地方財政問題を論ずるにはこれさえ読んでおけば世の99%の人よりはきちんと考えられるといいますか、世の99%の本はどのような誤解がまかり通っているのかを知ること以外には存在価値がなくなるといいますか。小西先生による昨年7月の日経・経済教室でその片鱗をうかがうことはできますので、ぜひお目通しいただければ。
若干話を変えると、「倫理的な悪をどこかに見出して叩き溜飲を下げるというパターンを脱」して「視界はクリア」といえば、年金における権丈先生もそうですが、その最新のテキストはこれまたすばらしいものです。
小西先生といい権丈先生といい、政府のやることにだっておおむね正しいことは少なからずあるのだ、というスタンスこそが「倫理的な悪をどこかに見出して叩き溜飲を下げるというパターンを脱する」ポイントなのではないでしょうか。・・・なんてことをwebmaster、つまりは官僚がかくと、両先生が御用学者であるかのごとく受け止められてしまうおそれがあるのはつらいのですが、ともかく読んだ上でご判断いただければ。
