FRB利下げとモラルハザード
米連邦準備制度理事会(FRB)は31日、金融政策を決める公開市場委員会(FOMC)を開き、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%幅引き下げ、年4.50%にした。低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げつきが増え、金融市場や景気に悪影響が広がっているためで、金融緩和は0.50%幅下げた9月に続いて2回連続となった。
FOMC後に発表した声明では一連の利下げ効果に触れ、インフレ加速と景気減速の危険性が「今回でほぼバランスがとれた」と、政策金利が適度な水準になりつつあることを強調。12月の次回会合では金利を据え置く可能性を示した。ただ、米経済が一層悪化すれば利下げを検討する方針とみられ、来年にかけて緩和局面が続くとの見方が有力だ。
声明は、7〜9月期の米経済成長が底堅く、金融市場の緊張もやや和らいでいると指摘しつつ、目先は「住宅市場の調整が激しくなり、景気拡大のペースは鈍りそうだ」と警戒感を表明。その一方で、原油価格が高騰するなか、金融緩和が拍車をかけかねないインフレ再燃にも懸念を示した。今回の利下げには、10人の委員のうち1人がインフレ警戒から反対した。
声明が次回会合での金利据え置きの可能性を示唆したことについて、民間エコノミストの間では「住宅不況の長期化で、いずれ再度の利下げに追い込まれる可能性が濃厚」との見方がめだっている。
単なる思いつきなのですが、FRBがまともだから日銀がダウンサイドリスクに鈍感になれるのでは? 保険をかけたから、もし事故が起きても保険金がもらえると思って事故回避を怠るというのが典型的モラルハザードですが、これって中央銀行同士にも当てはまるような気がwebmasterにはします。結果において、アメリカの堅実な経済成長が外需となって今の日本の景気を支える主因のひとつになっているのですから。
さらに言えば先日取り上げた、竹森俊平「1997年――世界を変えた金融危機」にて指摘されていた、ITバブル破裂後のFRBの緩和寄りスタンスがバブルを引き起こす可能性も、こうしたFRBの果断な姿勢に関する期待が重要なのかもしれません。結局のところ、最近のFRBはITバブル破裂にせよ今般のサブプライム問題にせよ、金融危機の芽が萌え出でた際にはソフトランディングの実現に全力を尽くしているわけで、これがある種の「保険」として認知されれば、モラルハザード的行動を引き起こす可能性は否定できないのではないでしょうか。
ましてFRBの金融政策という「保険」は、世にある普通の保険とは異なり、審査なしに全ての者にあまねく効果を及ぼすわけですから・・・。
