名目GDP2題
経済財政諮問会議は26日、11年度までの中期方針「進路と戦略」の原案を了承した。11年度の名目成長率について「3%程度あるいはそれ以上も視野に入る」とし、これまでの想定より0.5%程度下方修正した。
今年1月に閣議決定した「進路と戦略」では「3%台半ば程度あるいはそれ以上も視野に入る」としていた。消費者物価の上昇率が予想を下回っていることが理由だ。実質成長率については「2%程度あるいはそれをかなり上回る」とする想定を据え置いた。
内閣府は26日、平成18年の日本経済の決算書に相当する国民経済計算を発表した。それによると、日本の名目GDP(国内総生産)は4兆3755億ドル(1ドル=116円換算で約508兆8707億円)となり、世界全体に占める割合は、前年の10・2%から1・1ポイント低下し9・1%となった。比較可能な昭和55年以降、最低となった。
内閣府は「為替が円安だったことが大きい。世界経済の拡大傾向が続く中、日本はデフレで名目GDPが伸びなかったのも要因」と分析した。名目GDPは物価変動の影響を考慮せず、金額をそのまま表示している。
デフレがよくないことだ、という話が少しずつではあっても世に共有されるのは、残念ながらうれしいことといわざるを得ません‐デフレから脱却し、デフレの害を現実の課題として認識しなくてもよくなることが、webmasterにとってもっともうれしい未来像です。とはいっても前者の引用を見る限り、デフレ脱却は今なお期待し難いのですが・・・(次期日銀総裁次第では、大いに期待もできますが、総裁人事の方が期待できないような気が)。
なお後者について、購買力平価の成立を前提とすれば、インフレ率が低いことによる名目値の減少は、為替レイトの上昇により相殺され、国際比較においては無関係ということになります。2007年というある時期の要因としてはともかく、中長期的な低落傾向については、デフレは単に名目値を引き下げているということをはるかに超えて、実質値にも悪影響を与えていることが問題なのだ、と改めて指摘しておきたいと思います。実質金利の高止まりにより、市場を通じた適切な資源配分を阻害するという点にこそ、デフレの大いなる害(の1つ)があるのです。
#デフレの大いなる害のもう1つ、実質賃金の高止まりによる労働市場の資源配分機能の低下については、非正規雇用の増加と第一次ベビーブーマー世代の大量退職によって、それが適切な水準の代償だったかはさておくとしても、機能回復が見られるようになりました。
