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2007-01-14
■ [economy]小売業のプロによる消費低迷分析
経営者としての鈴木敏文セブン&アイHD会長の手腕に物申せるようなwebmasterではないのは当然ですが。
――景気の回復に対して消費がなかなか盛り上がらない
「今の景気は輸出に頼っている。本来なら企業から従業員の所得に回り消費に跳ね返る。だが、今回の景気はその循環になっていない。消費が伸びないのは、消費が飽和状態にあるからだ。あわててものを買わなくてもやっていける。あれもほしい、これもほしいという状態なら借金をしてでも買う。だが、買うものがない分、珍しいものや価値のあるものを求めている。高いものが売れる半面、今後も消費は簡単には伸びない」
――消費を喚起する上で必要なのは
「預金金利を上げることだ。政府は金利引き上げに消極的だが、これは景気への配慮ではなく、むしろ、財政面で有利とみているからだ。そのしわ寄せが消費者に来ているとみた方がいい。給与の引き上げは大企業にできても、中小企業はついていけない。金利を上げる心理的効果の方が大きい。遅過ぎるくらいで、すぐにも上げるべきだ」
消費の飽和論については、これまでも何度か触れたことがありますが、典型的な例を取り上げるならば、発泡酒(や第3のビール)を買っている人々はビールより発泡酒等がおいしいという理由で買っているのでしょうか、という疑問を呈さざるを得ません。感覚的には、ビールは高いから発泡酒等で我慢している、という理由の方がありそうです。
なかなかそれを直接的に示すデータはありません。間接的にそれを裏付けていると思われるのが、これらのお酒の課税数量(大手5社ベース)(下表において、単位万kl)です。
| 年 | ビール類総課税数量 | うちビール | うち発泡酒 | うち新ジャンル |
| 1996 | 718 | 691 | 27 | |
| 2001 | 712 | 489 | 223 | |
| 2002 | 693 | 435 | 258 | |
| 2003 | 650 | 395 | 255 | 0.3 |
| 2004 | 655 | 388 | 235 | 32 |
| 2005 | 634 | 357 | 176 | 101 |
2003年の総量の急減は発泡酒増税によるものと考えられますが、注目すべきは2004・2005年における発泡酒の急減と新ジャンルの急増です。念のため両者の合計を示すなら、2003年が255.3万kl、2004年が267万kl、2005年が277万klということですから、この変化は従来発泡酒を飲んでいた層が大挙して新ジャンルに移行していることを示しているように思われます。
もしこの見込みが正しいのであれば、発泡酒や新ジャンルを買っている層というのは、少しでも値段の安いビールっぽい飲料を求めているのであって、懐に余裕があるならば、相当程度はビールを買うのではないかと予測するのは合理的でしょう。消費が伸びないのは、飽和状態にあるからというより、懐に余裕がないから、と考えられます。
では、金利を上げれば金利収入の増加によって懐に余裕ができるのか、実態を見てみましょう。
総務省「家計調査」によれば、勤労者世帯の平均月間経常収入(給与や内職、利子などの定期的な収入)は、ピークだった97年から02年までに▲11%、月間平均6万3千円余り減少した。このうち約6万1千円が勤め先収入の減少であり、月給やボーナスなどの減少が家計に大きな影響を与えたことが分かる。
このため、可処分所得(実収入−税・社会保険料等非消費支出)も97年から02年までに▲9%、月間平均約4万5千円減少した。
このような家計収入の落ち込みに対し、消費支出は前述と同じ5年間で▲7%、月間平均約2万6千円の減少にとどまった。
家計は、前述のような収支の変化に伴う可処分所得減少と消費支出削減との差額(不足)分を、貯蓄を約1万9千円減らすことによって、対応した。(後略)
若干データが古いですが、97年から02年までの変化で言えば、低金利政策による利子収入の減少は、どれだけ多く見積もったところで2千円/月に過ぎません。失われた6万1千円の給与等の減少を補うだけの利子収入増加があるとして、1%の利上げでそれを賄うためには、年73.2万円必要なわけですから、その元本は7,320万円必要だということになります。そんなに貯蓄を持っているなら、今でも十分消費できるでしょう(笑)。
そこまでいかないとしても、わずかでも利子収入が増えるならば、その分だけ消費は増すだろう、ということはいえるかもしれません。ただし、それが成り立つためには、他の条件が同じならば、という前提が必要です。鈴木会長は「あれもほしい、これもほしいという状態なら借金をしてでも買う。だが、買うものがない分、珍しいものや価値のあるものを求めている」とおっしゃっているわけですが、現に「借金をしてでも買」っている人々はいるのです。
「家計調査」の年齢別、所得別、貯蓄額別の消費者信用の利用実態データによれば、低所得層を中心として家計が近年、資金不足をおぎなう手段の一つとして、消費者信用の利用を増やしている傾向が観察される。
たとえば、年収300万円未満世帯の「消費者信用(注4)(ママ)」は、96年から02年までの間に5,983円から10,945円へ83%増え、可処分所得に対する比率は5%程度になっている(図2)。この間、年収300万円未満の世帯の可処分所得は5,450円減少しており、減収分のほとんどを消費者信用の借り入れで相殺していることが分かる。
(注2)家計調査における「分割払・一括払購入借入金」と「他の借入金」の合計。他の借入金には奨学金や親族からの借入も含むが、大半が消費者信用に該当する借入と思われる。
また、「家計調査」(貯蓄・負債編)の01年一世帯当たり消費ローン残高(注3)を年間収入別にみると、200万〜250万円の階層の消費ローン残高が26万円と最も多い。また02年の世帯当たりの消費ローン残高は平均8万円であったが、年収階層別では250万〜300万円の階層が19万円と最も多くなっている(図3)。
(注3)土地・住宅以外の負債で銀行等金融機関以外からの借り入れ。
これらの人々は、金利が上がれば借金返済負担がそれだけ増すので、とてもではありませんが消費を増やす余裕などないでしょう。グレーゾーン金利上限にひっかかっているので金利は上がらないのでは、との意見もあるでしょうけれど、消費者金融の資金調達コスト上昇分は、貸出金利に転嫁できない以上は主として信用コストの削減で補わざるを得ないでしょうから、借りられなくなってますます消費が減るだけのことです。
加えて、純資産のある人(資産よりも借金が少ない人)に話を限るとしても、金利が上昇したからといって金利収入が増えるのは、変動金利の資産のみです。固定金利の資産は、世の中の金利が上がったにもかかわらずそれについていけないので、元本の評価額はその分だけ下がります‐金利が上がったら銀行の保有国債にキャピタルロスが生じる、といわれる類の話です。収益が金利に連動しない資産‐株式(配当)、不動産(地代)など‐についても同じことですが、金利の上昇によって得をするには、こうしたキャピタルロスを埋め合わせてなお余るだけの金利収入の増加が必要です。
金利変動の影響は、以上のような金利の収受等の資産に係るもののほか、現在と将来の消費の相対関係に係るものもあります。金利が0.25%のとき、今の10,000円は1年後の10,025円に等しい価値があるわけですが、これが0.5%に上がった場合、今の10,000円は1年後の10,050円に等しい価値となります。言い換えれば、金利が0.25%の場合の1年後の10,000円の現在価値は9,975円ですが、金利が0.5%に上がった場合、1年後の10,000円の現在価値は9,950円に下がりします。
つまり、金利が上がった場合、将来の同額の消費の現在価値が「安く」なる‐先の1年後の10,000円の例で言えば、25円の値引きに相当します‐わけですから、金利が上がる前に比べれば、より「安く」買い物をしよう=消費を先に伸ばそう、というインセンティヴが働きます。違う言い方をすれば、金利が高くなったのだから使うよりも貯金しておこう、ということに等しいのですから、当たり前といえば当たり前の話ですが、とまれ、金利収入等の増加があった人についても、この効果を勘案してなお収入増の影響の方が大きいという者のみが、金利上昇により消費を増やすと言い得るのです。
まして、金利上昇による景気減速があれば、失業の増加や賃金引下げといった波及が考えられます。理屈ではなく経験則ですが、古今東西の金融政策において、金融引き締め(利上げ)は景気の過熱を冷ますために行われてきているわけで、金融を引き締めたら狙いに反して景気が過熱したなんて例がごろごろしているならば、金融政策の運営は現在のようには行われているはずもないでしょう。
というわけで、以上のとおりあれこれ検討してみますと、鈴木会長のご主張が実現した場合、かえって消費が減るのではないか、というのがwebmasterの考えです。
#以上とはまったく別の議論となりますが、そもそも消費が飽和しているならば、金利収入が増えたって消費が増加するわけでもなく、ご主張に矛盾があるようにも思うのですが・・・。
初めまして、最近の景気(景気浮揚策)は国民全体に回らないようですね?前回のバブル景気は農業界にも(辺鄙な田舎の隅々までお金が回り社会に還元され、お金の還流がありましたが、今回は良い産業だけにお金が回るシステムになってるようですね!そのために貧富の差が拡大しておるようですね!。。。要するに景気浮揚策をとった場合、景気がよくなったお金が農業界に回って社会に還流することによって効果があるようですよ!このままの景気の上げ方を続ければこの国の崩壊に繋がるようですね?
はじめましてwalwalと申します。いつも楽しく拝見しています。
鈴木会長の消費低迷分析(とその解決法)ですが、以前日経新聞で同じようなことをイトーヨーカ堂の亀井淳社長が述べていました。もしかしたら「個人消費が増えないのは金利が低いせいだ!」と思っている経営者は多いのかもしれませんorz。
最後に日経新聞の亀井社長の発言を取り上げた私のエントリーを紹介しときます。http://d.hatena.ne.jp/walwal/20061127/1164604485
こういうものの考え方をするのは日本の経営者だけなんでしょうか。今ウィリアム・バーンスタインの『「豊かさ」の誕生』という本を読んでいるのですが、過去に比べ金利が低くなったことが資本調達コストを下げ、18世紀の経済成長を促したという重要な指摘などもあって面白いです。海外の経営者や投資家には実務のみならず知識人としての資質も併せ持った人が多いように感じるのですが、日本ではかなり心許ない印象です。というか常識すら理解していないような・・。この差はどこからくるのかということですね。
鈴木会長の「金利が上ると消費拡大」という珍説は以前にも聞いた覚えがございましたが、walwalさんのコメントを見ますと部下(?)である社長も主張されているとは・・・・orz
同社内って「カリスマ経営者様が仰る事は全て正しいんです」って雰囲気なんですかねえと変な所に感心しちゃいました。
ちなみに、以前からそういう主張をしてたというソースを探したら何故か昨年3月の石原知事会見が見つかりました。量的緩和解除に関する質問に対しての部分でして、石原知事は鈴木会長から「石原さん、もうちょっと預金金利を上げないと、消費者の動向というのは積極性が出てこない」と言われたそうですな。
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2006/060310.htm
イオンの会長に聞いても同じ事を言うのであれば、流通業界全体がこういう考え方なのかもしれませんね。
ただ、イオンは低金利の恩恵を受けて事業を拡大したと思われますから、体験上違う意見になっているのかもしれません。イトーヨーカドーやセブンイレブンは低金利によるうまみが少なかったのかも。w
「逆に考えるんだ、金利が上がると消費が増えるというのはどういう経済なのかと考えるんだ」
というわけで…高度にサービス化した経済では、消費するには可処分所得と可処分時間の両方が必要だとすれば、金利が上がると年金生活にはいった団塊世代や株で暮らすNEETといった可処分時間を多く保有している層の所得が増えることになるが、金利を下げて景気が回復したとしても、それで給与所得者の所得が増えても彼らには可処分時間がないので消費できず貯蓄に回るだけ(これを「消費の飽和状態」と表現しているのかも)で、消費が上がる≠景気が上がるとなりますが小売業の立場からすれば正しいのかもしれません。現場の経験知からはその傾向が出ているのかもしれませんし。
というか、ホワイトカラーエグゼンプション論議なんかを見てるとこの先景気がよくなろうと悪くなろうと日本じゃ正規・非正規雇用問わず給与所得者の可処分時間が増えるというのはもう一度高度成長する以上にありえなさそうなのが…orz
大手流通小売の経営者の行動心理についての半径50m的ネタ。
食品小売のような生活必需品産業は、不況期にもへこみが少ない事で、他の産業と比較して相対的地位が向上しています。逆に好景気になると、食品小売業界の地位が全体的に低下します。銀行の態度も、経団連の中での地位も、マスコミへの露出度も、世間の注目度も全て相対的に低下します。これは流通系の経営者なら100%思っていることです。
次に、ある程度大きなグループは、メーカーに対してシェアによる影響力を行使して競争他社より利益を得ています。つまり売上高の多寡よりシェアの多寡の方が彼らの競争優位の継続にとって大事です。100円ショップ、99円スーパーなど新興の業態は今後もいくらでも発生しますが、これらは低付加価値型の業態なので、自分たちの経営資源をシナジー的に活用できます。そのため、自らその市場に参入する事で競争に打ち勝つ事は割りと容易です。逆に好景気になって高付加価値型の産業が流行しはじめた時には、社員を半分入れ替えるくらいの改革が必要となります。それができなければ、メーカーに対して行使している影響力の低下=収益率の低下を甘んじて受け入れなければなりません。要するに、彼らが自分の頭に入っている事には対応できるし、既に勝ち組ですので同じ土俵なら負ける事は考えられません。そのため現状維持が望ましいと考えています。彼らが恐れるのは、自分たちが理解できない成長要因です。
そして、経営者は必要に応じて社員など周囲の人に対して嘘をつかなければなりません。これは確信的に思っている事です。ビール&発泡酒の売上高推移も良く知っているでしょうし、部下の報告を聞いてメーカーとともに取り組んでいるはずです。全てをわかった上で、確信犯的に自社の都合を前面に出した嘘をついているのだと思います。
「産業界の声を聞く」というともっともらしいのですが、それには相当の競争阻害や自社都合のバイアスがかかっていると考えるべきですね。
ワーキングプアのような生活費すら足りない人もいるのに消費が飽和してるわけがないですよね。無貯蓄世帯が4分のもいるし。大企業の経営者なら、消費は飽和してて金利収入も多いのかもしれませんけど。日本の企業は資金余剰だから、利上げは怖くないということなのかもしませんが。
それに財政のための低金利だとしても利上げをして増税や歳出削減の規模をより大きくしてしまえば消費者にもしわ寄せが来るはず。
ポジショントークだとしてももう少し考えていわないと経営能力すら疑われるんじゃないかと思うんですが。
横レスですが、Baatarism さんは、ここ数年の金利について、イオングループにとって「うまみ」があるような「低金利」だったとお考えなのでしょうか? 金融緩和が不十分だったので残念ながら現状程度にしか成長できなかった、と見るのがリフレ派的なのかと思っていましたが。
あえて鈴木会長の説を好意的に解釈する試み(笑)
>政府は金利引き上げに消極的だが、これは景気への配慮ではなく、むしろ、財政面で有利とみているからだ。
「財政面で有利」というのは裏返せば「財政面が不安」ということ。
>そのしわ寄せが消費者に来ているとみた方がいい。
消費者は政府の財政不安に反応して将来の増税に備えてしまうため、なかなか消費が伸びてこない。
>金利を上げる心理的効果の方が大きい。
だから金利を上げて「財政は大丈夫」ということを宣伝すれば消費者も納得してくれるはず。
・・・そこ、「無理し過ぎ」ってつっこみは却下の方向で(激汗)
#俺自身書いていて苦しかったんだよ(笑)
これだけでは何なので。。。
財政と消費(と「家計調査」)に関してまじめに話すと、各地の財政緊縮の結果、公務員の給料が上がっていないのは意外と効いているかもしれません。特に「家計調査」のようなややこしい統計調査のサンプルは何げに公務員多いらしいし。
>ドラめもんさん
>同社内って「カリスマ経営者様が仰る事は全て正しいんです」って雰囲気なんですかねえと変な所に感心しちゃいました。
半径50mネタと銘打っている以上、滅多な事は申せませんが、かなり正鵠を得た評価だと思われます。
不況期には特にそうなのですが、企業の成長は従業員が頑張ったとか、ヒット商品があったとか、そういう所では簡単には決まりません。資金力、購買の支配力、資本の原理その他もろもろ、前線でドンパチやってる担当レベル営業から見たらまるでちゃぶ台返しの反則技みたいな所(戦略レベル)で決まります。官の領域である規制、行政指導、補助金、その他もろもろはとても大事な要因ですw
産業界の声というのは、既に競争に勝ってしまった人、あるいは逆に官の世界に近づく事で同一市場内で優位な立場になろうとする人の声です。こういう人たちに後押しされている構造改革なんぞが、競争原理を推進するものだと信じる方がどうかしていると思います。ポジショントークどころかポジション固めです。昔よりマシになったのは、彼らの主張が公の場でなされるようになった事で情報開示が進んだくらいですか。
>仙台のくまさんですさん
よい産業といいますか、輸出産業ですね>現在の景気回復で儲かっているのは。農水省が国産農産物の輸出促進とかいう世迷言を言い出しているのは、それも手伝っているのかな?
>walwalさん
見事なまでの社内統制ですねぇ、と見る私は根性がゆがんでいるのでしょう(笑)。
>すなふきんさん
ひとつうがった見方をするならば、こういうことを言う方が世間受けがよい(=企業イメージの向上?)、というのは無視できないような気がします。最近のいちごで、清貧思想vs清算思想という対立軸の話があり、なるほどなぁ、と。どちらにとっても利上げは好まれそうな。
>ドラめもんさん
金利動向を決定する最大のプレイヤーである日銀自身が、さすがにプラスマイナスを考えればプラスが大きかったとはしているものの、低金利政策で家計に百何兆だかの逸失利益があって云々と国会で発言するぐらいですからorz。
>Baatarismさん
その両グループは勝ち組ですから、それらが同じだったとしても、同業の負け組に聞けば違った意見が出てくるのでしょう。
>kogeさん
金利が上がれば消費が上がる世界として、ひとつ簡単に思いつくのが、(純)対外債権でのインカムゲインで今のGDPと同じだけ稼ぐ日本、というものです。対外債権自体は円の利上げに追随しなくとも、その分だけ円高になれば円貨の購買力は上がりますから。平均で5%の利回りとして、1京円の元本があれば可能です(笑)。
>鍋象さん
情報提供ありがとうございます。確かにそういう事情はありそうだなぁ、としみじみ思いました。
>◆さん
すなふきんさんへのお応えでも書いたように、こうした発言は、かえって力量が評価されるような地合いなのではないかと個人的には疑っています。
>徳保隆夫さん
あの業界の場合、ダイエーの話を抜きにしてはポストバブル(デフレ)期は語れないでしょう。全体のパイが小さくなったとしても、その小さくなる程度を上回ってシェアを拡大できていれば、当該企業にとってはおいしい時代だったと評価できることになりますが、それがかなりの程度当てはまる業界だと思います。
>通りすがりさん
逆ケインズ効果!
でまあ財政事情と公務員の懐具合と景気の関係については、↓がとっても面白いです。2000年のテキストですが。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/8931/index2.html#%1B$B!&4141@\BT$N;wHs2J3X%1B(B
> http://bewaad.com/20070114.html#c20
よくわかります。しかしそれは実質金利の高止まりがイオングループのシェア拡大に利したという話であって、低い名目金利が利益をもたらしたわけではない。イオンの中の人が低い名目金利で得をしたと「勘違い」しているという話なら理解できますが、なぜ Baatarism さんがそう仰るのかは謎です。
>徳保さん
徳保さんのコメントを読んだ瞬間「やられたー!」と思いました。ここまで見事に突っ込まれると、却って気持ちがよいですね。w
ここは名目金利と実質金利の違いについての理解が足りなかったことを素直に認め、さらなる精進に努めたいと思います。
えー、上で鈴木会長の高説を擁護してみた通りすがりですが、なんと会長の説の学術的な傍証を見つけてしまいましたのでご報告申し上げます。
「短期日本経済マクロ計量モデル(2006年版)の構造と乗数分析」(内閣府・経済社会総合研究所)によりますと
「短期金利の1%引上げによる実質GDP抑制効果は、1年目▲0.39%、2年目▲0.50%。この背景には、金利の上昇による設備投資、住宅投資の抑制、円高などが影響している。」とのことですが、消費の乗数効果はプラスでありました。
(http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis173.html
中段「4.主要乗数シミュレーションの結果」の項目「4) 金融政策」をご参照下さい。)
このモデルを作成した「内閣府・経済社会総合研究所」は日本における計量経済モデル構築の第一人者です。このシミュレーション結果には多くの前提条件(詳しくはURLに添付されている論文をお読み下さい。)があるので常に成立しているとは思われませんが、現在の日本において消費を増加させる方策として利上げは一定の効果があることは実証されたと言ってよいかもしれません。
鈴木会長、おみそれしました(平伏)
・・・あ、そうそう、当然ながらGDP自体は下押しするんだけどね(笑)
・・・やあ、こんな論文が利上げを巡って日銀と政府が対立している(かのようにみえる)タイミングで出てくることに面白さを感じます。
是非、大田大臣に解説してほしいと思ってみたり(笑)
まじめな話、この論文は非常に興味深い内容が満載なので、経済政策を論じる方は是非一度目を通されることをお勧めします。
bewaadさん>
官官接待の話、教えていただきありがとうございました。
それにしても、もともと鈴木会長擁護はギャグでネタにしてみたのに、まさか根拠があったとは(激汗)
#別の資料を探していてこの論文を見つけたときはびっくりしました。
>徳保隆夫さん、Baatarismさん
中途半端に言及したことの底の浅さが知れてしまいましたorz。
>通りすがりさん
論文はおおっ、と思いましたが、一応名目では3年間合計でマイナスにはなりますね。可処分所得の増に比べると消費の増は少ないので(1、2年目)、その差分が現在価値の変動の影響なのでしょう。
仰る通りですが、論文としては非常に興味深い内容でした。
多分、消費デフレーターの金利感応度が高くなりすぎているのが原因かと思いますが、こんな意外な結論が出てくることもあるから経済学って面白いんですよね。
>通りすがりさん
エントリを書きながら、何か適当な計量データはないかと探していろいろいじくってみたのですが、うまく裏が取れずあきらめていたのですが、さもありなん、ということでした。無理して変な数字を出さなくてよかったな、と(笑)。