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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2007-02-21
■ [government]「向こう側」がはっきり見えているのに。
一昨日、webmasterは次のように書きました。
結局のところ、警察がそのような政策を選ぶのは、そのような社会情勢の反映なのです。本件に限った話ではなく、世間的に評判が悪い諸々の政府の判断‐最近の例でいえば公共事業にせよ、グレーゾーン金利にせよ(これについては結局は世間受けのいい結論にはなりましたが)、共謀罪にせよ‐について、なぜそのようなものが採用されるのかといえば、それを必要とする何らかの者がいるということに他ならないのです。
言い換えれば、陰謀でも想定しなければ理解し難いような政府の振る舞いがあった際には、その向こうにいるであろう、自らと同様に政府に対してあれこれと要望を突きつけている者を想像することが、理解への近道であったりもするわけです。Imagine all the people sharing all the world without sharing sympathy...
そうしたある種の典型的な板ばさみ状態の報道がありました。
政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は19日、教育委員会への国の関与のあり方など教委改革に関し、近く文部科学省にヒアリングを申し入れることを決めた。規制改革会議は、政府の教育再生会議が提言した国の関与強化に反対の見解を表明しており、ヒアリングを通じて「直接対決」する。
(略)
ヒアリングは、政府・自民党内に権限強化を支持する声が強いことに対する規制改革会議の対抗措置。文科省の局長級の担当者を呼び、文科相に権限を付与することが現在の教委制度の問題解決にどうつながるのかや、地方分権の流れに逆行していないかなどについて考えを聞く方針だ。問題点を明らかにし、新たな見解をまとめることも検討。国の関与強化に向けて議論の流れが一方的になることを阻止したい考えだ。
東京「文科省と"直接対決"/規制改革会議ヒアリング要請へ」
全然「直接対決」ではないじゃないですか! 教育再生会議の提言に反対だというなら、教育再生会議の議長その他のメンバーや、せめてその事務局である内閣官房の人間を呼んでしかるべきでしょう。にもかかわらず呼ばないというのは、どういう経緯があったのかは知りませんが、結果的に文部科学省の地位を引き上げるに等しい行為です‐当事者能力を認めるのは教育再生会議ではなく文部科学省だというのですから。
規制改革会議のメンバーが言い出したのか、それとも事務局の官僚が振付けたのか、それとも「上」から圧力なり指示があったのかはわかりませんが、このようなこととなる発想の根本にあるのは、規制改革会議と教育再生会議とが真正面から衝突したら、また官邸の調整能力が問われますし、お互いのメンツも傷つきますし、落としどころもよめないのでリスキーだということでしょう。他方で文部科学省を呼べば、そのようなことは回避できるので便利であろうことは否定しません。しかし、そうした便利さこそが、霞が関の「権力」の源泉(のひとつ)なのです。
言い換えるならば例の「すり合わせ」ということになるのですが、霞が関を相手にしている限り、それほど無茶は言わないという安心感がある上、それなりにメンツのたつ結論を用意してくれもしますので、自らが直接利害調整に乗り出すよりはよほど楽なのは事実でしょう。しかし、そのような楽をしたいという心持こそが、霞が関に存在意義を与えているといっても過言ではありません。流通革命ではありませんが、「中抜き」が進んで利害関係者同士で直接調整が行われるならば、霞が関の出番なんてずいぶんと減ってしまうのですから。
規制改革会議が霞が関の実権を削ることを目的(のひとつ)としているのであれば、既述のような「大人の事情」があれど、ここは文部科学省ではなく教育再生会議の関係者を断固として呼ぶべきだったのです。それができない以上、規制改革会議は、しょせんは枝葉の話にしか切り込めない存在だと評さざるを得ないのです。
#官房長官ですら混乱するほどの会議の乱立っぷりゆえに、キャパシティ超過で官邸/内閣官房が本当に当事者能力を失っているというのが事の真相なのかもしれませんが(笑)。
本エントリー内ではニュースへのリングがされていませんが、たとえばこれなどでしょうか。
[規制改革会議:教育委問題で公開ヒアリング申し入れへ]
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070220k0000m010121000c.html
それで標的になっているのが、
教育再生会議http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/index.htmlの
平成19年 2月 5日 (第一分科会)教育委員会制度の抜本的見直しについて[PDF]
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/1bunka/dai6/siryou1.pdf
『7. 国と都道府県教育委員会、市町村教育委員会等との関係
・教育委員会制度は、地方分権の考え方が基本であることは言うまでもない。ただし、各教育委員会などの事務処理が法令の規定違反、又は著しく適性を欠き教育本来の目的達成を阻害していると認めるときは、文部科学大臣は是正のための勧告を行い、なお改善が見られない場合には是正の指示を行うことができることとする。
・なお、文部科学大臣が都道府県・政令指定都市教育長の任命に関与することなど、国の責任を明確化する必要があるとの考えも示された。』
↑なわけですね。
文部科学大臣は(改革が実現したら)実際に勧告なり指示を行う当事者であるわけで、しかも「ヒアリング」≒事情下調べということなら文部科学省から聞き取りするのもわかるかなとは思います。しかしそうだとしても教育再生会議と直にやりとりしなければ意味がないわけですね。しかし上記の毎日記事中の「ヒアリングを通じて「直接対決」」って・・・何かを通じちゃったら直接じゃなく間接なのでは?というのはつまらない揚げ足取りなんでしょう、きっと。
こんにちは。
ご無沙汰しております。
本論と関係ないので恐縮ですが、ついに日銀が利上げに踏み切りましたね。消費者金融規制による信用収縮の影響も懸念され、現実に先行指標が冴えないにもかかわらず1四半期だけのGDPを頼りにしての追加利上げ決断。
タテマエだけにしてもフォワードルッキングはどうなったんでしょう??
「景気もインフレ率も失業率も為替も関係ありません。我々はオーバーナイト金利というものは2〜3%が適正と考えており、オーバーナイト金利をターゲッティングしてまいります。」とでも宣言すればいいのに、というのはうがった見方すぎるでしょうか??
>irさん
理屈だけを考えるなら、文部科学省を呼ぶということは、教育再生会議の決定そのものは受け入れてしまった上で、その実施の細目をどうするつもりなのかを確認する、ということにしかならないと私は思います。
「直接」は、やっぱり実権は文部科学省にあるとの認識でないと語義が通らないわけで、官邸主導はまやかしだと(笑)。
>市井の勤務医さん
>「景気もインフレ率も失業率も為替も関係ありません。我々はオーバーナイト金利というものは2〜3%が適正と考えており、オーバーナイト金利をターゲッティングしてまいります。」とでも宣言すればいいのに、というのはうがった見方すぎるでしょうか??
かねてから心ある人が指摘していることですが、(名目)経済成長率に長期金利が中長期的には沿って推移すると前提を置いた場合、ある程度のインフレにならないことには、短期金利は安定的に2〜3%にはならないんですよね。つまり、実質成長率が例えば2.5%だとして、ゼロインフレなので長期金利がその水準になるならば、(順イールドの場合に)イールドカーブがフラットかスティープかによってある程度の差はあれど、せいぜい1%ぐらいがいいところになってしまうわけです。
とすれば、短期金利を2〜3%にしたいならば、せめてインフレ率は最低でも1%程度ではある必要があるわけで、にもかかわらずこの段階で利上げするというのは、今の程度の金利水準を維持するためとしか思えない、ということになってしまったり・・・。