駅伝の過酷さとそれを理解しない主催者
3日に終了した第84回東京箱根間往復大学駅伝競走で、大会史上初めて3校が途中棄権する結果になった。前日の往路5区で順大、この日の復路では9区で大東大、10区でも東海大の選手が走行不能に陥った。
大会会長でもある関東学連の青葉昌幸会長は「情けない。すべての駅伝の教科書のようになっている大会。大学で指導、勉強してほしい。(指導者は)選手を見詰め鍛えてほしい。速い選手はいるが強い選手はいなくなった」と各校の指導法を批判した。大会運営委員を務める神奈川大の大後栄治監督は「今後、給水の回数や中身などについて対策会議を開いて検討する」とした上で、「箱根駅伝は(注目の大会として)象徴化され選手の心的状態は尋常ではない。過保護にし過ぎてもいけないと思うが、そういう精神面も指導していかなければ」と指摘した。
sportsnavi(時事通信)「史上初、3校途中棄権=指導法などに批判も−箱根駅伝」
各大学の指導方法にも改善の余地はあるのでしょうけれども、「情けない」とのコメントを発する主催者のほうがよほど情けないといいますか、改善の余地があるでしょう。「速い選手はいるが強い選手はいなくなった」って、かつてと同じタイムでよいならばほとんどの選手が「強い選手」足り得るわけで、スピード追求のために冗長性をそぎ落とす中で強さがなくなったのになにを言っているのやら。
箱根駅伝が「すべての駅伝の教科書のようになっている」とまで言うのであれば、このような過酷な状況を選手に強いる駅伝という競技のあり方を見直すことからまずははじめるべきでしょう。何が過酷かといって、ひとりの不調、さらにはリタイアがチーム全体に影響を及ぼすことです。個人競技であれば可能なペースダウンやリタイアがチームのためを思ってできず、ために限界まで無理をしてしまう。順天堂大学の小野選手の倒れ方など、骨折や靱帯断裂を伴う危険もありました。
そのような状況を目にしておきながら、検討対象が給水だけとは・・・もちろん給水は重要でしょうけれど、もっと根本的な見直しを図るべきではないでしょうか。たとえばリザーヴァーを導入し、医師が必要と認めた場合には選手交代をさせるとか。自分自身のためというのであればいざしらず、チームのためにと考えざるを得ない駅伝の仕組みに手をつけない限り、給水の改善で選手に余裕ができればそれはさらにチームのために消費され、結局は状況は変わらないでしょう。





1月 4th, 2008 at 9:37:56
お説の通りかと。
こういう話を聞くと、「日本人はすぐ精神論に持っていこうとする」
という文化論をぶちたくなりますね。
アメリカでは(別にアメリカが良いって言ってるんじゃなくて、
ただわたしが済んでいるから多少知ってるってだけです、)
あまりそういう方向に向かわない気がします。
精神の強さは信仰心によって担保されているという幻想(あながち幻想でもないのですけど)が、
あるからでしょうか?
1月 4th, 2008 at 23:50:53
「情けない」とのコメントは違うんじゃねーとおもうけど、過酷さを云々してもしょがないじゃん。各人、本気、ほんとに倒れるまで全力で走ってるだろーから。駅伝の仕組みに手を付けるて実際どーすんだka
1月 4th, 2008 at 23:57:40
箱根駅伝について、思ったこととか。…
史上初、3校途中棄権=指導法などに批判も−箱根駅伝 こちらを経由で見ました。大筋で異議はないとはいえ、若干違う印象をもったのでメモ書き。 大会会長の発言は、指摘されて (more…)
1月 5th, 2008 at 0:24:23
駅伝に全く興味がないのですが。
日テレ的ドラマ商業主義な作りとセットなんで主張はそのとおりと首肯しますが来年も同じでしょうね。
なんせ真夏に60歳過ぎの欽ちゃんに100キロマラソンを強要する局ですからね。
無理筋の感動を作って商売していながら、チャリティだと銘打って無辜の民から金を巻き上げる欺瞞に満ちた局ですからねえ。
1月 5th, 2008 at 11:39:40
>選手に余裕ができればそれはさらにチームのために消費され、結局は状況は変わらない
これは、個人競技であっても、余裕ができれば成績を向上させるために消費されるんじゃないでしょうか。
また、選手交代については、医師の診断無しで当日朝に変更できます。これは戦術的に利用されているというのが実態ですが、体調不良のため交代することも少なくありません。
精神論的なことを言うのは確かにアホらしいですが、現状でもそれなりの対策は採っているわけで、改善すべき点はあるにせよ、根本的にはそういう競技なんだと考えるしか無い気がします。
棄権のリスクを背負ってでもハイペースで走らなければ勝負にならないというのが現実である以上、監督が早めに止めるようにするしか根本的な対策は無いのではないでしょうか。
1月 5th, 2008 at 15:02:20
組織・システムとしての未熟さのツケを全て個人に押し付ける日本の精神論は、何処でも同じなんですね。
せめて途中リタイアしたとしても参考記録として走らせるくらいはしても良いと思いました。チームとして走らせて上げるくらいの配慮は欲しいと思います。(ていうか昔はそうしてた気が)
あと監督の手渡しという給水のさせ方が美しくなかったので普通に給水所を作るべきではないかと思います。
しかも、スポーツドリンクは駄目で、渡せるのは水のみという不思議ルールも改めるべきかと思います。
1月 5th, 2008 at 16:18:12
中継で、優勝した駒大でも長距離の選手は30人ほどと言っていた様な気がします。その程度なら壊れる選手が混じりこむのも分からなくはないように思います。大学駅伝というか長距離の層って時系列的に薄くなってるんでしょうか。
1月 6th, 2008 at 4:02:48
駅伝の人気で、応援する学生も学校側も、勝つことにだけ力を入れて、選手の事を大事に扱っていない。
プロのように痩せた体格、課せられた長い走行距離、ドーピング検査の為受けられない処方(病気時)、学校の宣伝を優先した無理なトレーニング等、選手の体調を考えれば、棄権するのが当たり前の駅伝の土壌なのでしょう。
下手するとプロ野球並の視聴率で、メディア側の責任を問われる日も、遅くはないのでは…なかば職業として扱うように
1月 6th, 2008 at 4:15:24
★補足★
正月の寒さの中、いくら人気がある大会でも、プロよりも厳しい条件の中で、若い学生が走るのですから…
1月 6th, 2008 at 5:32:39
>せめて途中リタイアしたとしても参考記録として走らせる
走ってましたよ。もちろんタスキはつながりませんけど。
東海大はアンカーが棄権したのでゴールできませんでしたが、順天堂大と大東文化大はちゃんと10区の選手が走ってゴールしています。個人のタイムも記録されています。
http://www.ntv.co.jp/hakone/sokuhou/index.html
↑の「個人記録」をクリックしてみてください。
1月 6th, 2008 at 8:12:38
>akiraさん
現場では精神論が幅を利かすというのは、おそらく古今東西それほど変わりはないのだと思います(硫黄島の海兵隊なんて、精神論がなかったら崩壊してます)。おそらく、そうした現場のたたき上げが幹部クラスに占める割合の違いなのかな、とは印象論ですが。
>ゲストさん(http://bewaad.com/2008/01/03/382/#comment-37233)
全力で走ることと、倒れることとは同じではないと思います。全力で走りつつ倒れる者が少しでもいなくなるようにすることは可能でしょう。他方、「襷」をやたらと持ち上げる競技の受容が、倒れることを美化ないし正当化しているのも実態ではないでしょうか。
>wassenaarさん
100kmマラソンは、4時間睡眠に食事等1時間とすれば時速5km強で、実はイメージ戦略が浸透しているのかな、という気がします。とまれ、テレビ局が視聴率を気にするのは当然で、あの手のお涙頂戴路線が一定の視聴率を稼ぐのは事実でしょうから、実況も含め「襷」を強調する風潮が生まれるのでしょう。
>roomerさん
個人競技において、次の大会やら自分の選手生命やらを考えてなお棄権のリスクを冒すのであれば、それはその人の人生ですからいいと思うのです。しかし、自分がスピードダウンしたらチームに迷惑がかかる、とのプレッシャーで判断が変わるのはいかがなものかと思いますし、個人競技に比べても、その要素が存在する分だけ、棄権のリスクは大きなものとなっていると思います。それを個人競技のそれに近づけるための術は、まったくないというわけではないのではないでしょうか。
>壺さん
スペシャルドリンクの導入は、少なくとも給水の改善に当たっての検討項目には入りそうですね。
>ゲストさん(http://bewaad.com/2008/01/03/382/#comment-37618)
体育会系全体の動向に比べ、陸上競技(の長距離)のみが、という話はないような気がします(根拠なしですみません)。
>魚さん
視聴率は、すでにNPBのレギュラーシーズンのそれを上回っていますね。
>cloudyさん
補足いただきありがとうございました。
1月 6th, 2008 at 9:17:38
箱根駅伝の問題はシード権争いという点に帰結するでしょう。
シード権があると無いでは天と地なのですから、シード権を確保するために選手は故障するまでがんばってしまう。
シード権を一切無しとし、更に1区間の距離を短くすれば選手にとっても良いことだと思われますが。
1月 6th, 2008 at 11:54:39
僕は駅伝とかマラソン番組とかに興味がない人ではありますが・・・。
この番組は「正月早々に倒れそうになりながらがんばっている人や倒れて襷をつなげられなかった人の涙を見て、原始的な感情を揺さぶられる」事が目的の番組ですので、誰も倒れなくなったらきっと視聴率が落ちると思います。やってる人も、この悲壮感があるから毎年頑張るんだと思います。要するに純粋な競技じゃないんです。だから野暮な事言いっこなしでw
個人的には無茶苦茶さなら、富士登山駅伝の砂走でのバトンタッチの無茶苦茶さの方が面白いと思う。あれは一種の神事と見做されているから、放置されているのでしょうか。
1月 7th, 2008 at 4:50:21
>時見鳥さん
出場チームすべてにシード権を与えることもできず、となるとシード全廃ということになるわけですが、有力校からかえって日程が過密になって危険だ、などという反対が出てきそうですね。区間の短縮は、さらなるスピード志向を招きそうでもあり、私には是非の判断は難しいです。
>鍋象さん
そうした側面があるのは事実でしょうけれども、すべてのスポーツ中継がそうというわけでもなく、代替案がないはずがないと思うのです、とマジレス。
1月 7th, 2008 at 11:22:26
>大学駅伝というか長距離の層って時系列的に薄くなってる
のではなくて、少数精鋭主義なんだと思いますよ。
部の練習は過酷だから、それなりのエリートでないとついてこれないでしょうし。
選手が弱いのではなく、練習技術の進歩による負荷の増大でしょうね。
1月 8th, 2008 at 17:40:15
青葉氏の総括が出ていますね。
以下のサイトの文章を読むと、「情けない」という表現が一人歩きしてしまった感があります。
誰に対する言葉かが明確ではないわけで。選手に対してのみならず、監督、運営すべての関係者に対して「情けない」と表現したのかもしれません。
精神論とられたのは、能力の面だけでなく、体調管理について選手と監督との間のコミュニケーションなどといった「精神面」の部分もきちんと指導すべきといった趣旨だったのかもしれません。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/ekiden/hak...
1月 8th, 2008 at 19:01:32
>cloudy さん
そうですか。今年は応援にも行かず、テレビですら親が見てるのをちらちら見ているだけだったのです。
参考記録もないようなことを言っていたので、そりゃどうなんだいと思ったわけですが、あるなら良かったです。
1月 9th, 2008 at 4:34:24
>宮嶋陽人さん
他の陸上競技に比して少数精鋭主義といえるのでしょうか? 直感的には、他と大差ないか、むしろそれこそ箱根駅伝等の宣伝効果で他よりも選手層が厚いのではないか、という気がするのですが。
>ゲストさん
「情けない」という、分析的というよりは情緒的な言葉を用いる心性が、という話はあるにせよ、そのあたりは世代論なのかもしれないなぁ、とも思います。
>壺さん
私もべったりと観ていたわけではありませんが、盛り上げよう、という実況の意図は強く感じました。
1月 11th, 2008 at 15:23:03
選手の身体面があやしければ、
第三者たる医師の判断でリタイアさせるというのが
簡単で効果があるんでは。
順天堂の選手が5区で倒れたとき、
すぐにリタイアさせない監督を見て思いました。
1月 12th, 2008 at 22:37:26
>fugaさん
それも一案ですね。