bewaad institute@kasumigaseki

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  • 01/08/2008 (11:59 pm)

    終身雇用等の幻想

    Filed under: economy ::

    狂童日記にて、

    1. 新富裕層(いわゆる「勝ち組」)
    2. 旧中間層(大企業・公的セクターの正規雇用者)
    3. 不安定低所得者層(非正規雇用者)
    4. 小規模自営層(読んで字のごとく)

    との階層を仮定した上で、次のようなご指摘がありました。

    ここ数年「格差社会」と言われてきたが、日本の圧倒的大多数は依然として(2)の層であることは強調しておく必要がある。(2)の層は学校を卒業すると「正社員」になって安定した給料を手にし、30歳くらいになればマイホームやマイカーを持つという「一億総中流」の人生経路をほとんど空気のように受け取ってきた。そのため、そうした安定した生活を成果主義的な「競争」の末に獲得しなければならないという現実の変化への適応に苦労を強いられている。既に定年を迎えた年金受給者も多く、生活水準が傾向的に低下し続けているので、現実の所得格差以上に「格差社会」の言説に強いリアリティを見出しやすくなっている。テレビやネットで目にする「ネットカフェ難民」「子供への殺人」のニュースに過剰に敏感になり、「ますます世の中が悪くなっている」と思い込みがちである。

    こうした不安感は(3)の多くを占めると思われる、「豊かで平等な日本社会」をやはり「空気」のように消費して子供時代を過ごしてきた、「団塊ジュニア」の世代にも違った形で継承されていると言えるだろう。ただそれに対する反応は大きく異なっている。社会の過剰な流動化に不安を感じる(2)に対して、(3)はむしろそういう流動性こそを潜在的に求めている。流動化による上昇を期待するのでは必ずしもなく、上の層がもっと下に落ちてくれば自らの社会的地位や向けられる視線が相対的にマシになるからである。これは社会保険庁の不祥事をめぐって、(2)が年金制度の持続を必死に求めるのに対して、(3)が年金制度そのものを不要と見なす気分が強まっていることを見れば明らかである。

    「現代日本の階層構造」(@狂童日報1/7付)

    しかし、「日本の圧倒的大多数は依然として(2)の層である」とは幻想であろう、さらにはかつてもそうではなかったとwebmasterは認識しています。たとえば千葉商科大学商経学部の伊藤公一教授の研究によれば、

    • 日本の労働者の約半数はバブル真っ只中の1990年においても(そして現在も)従業員99人以下の企業に雇用されており、
    • 中小企業では大企業に比べ勤続年数が短く中途採用中心の人事慣行が広くいきわたっていた、

    わけですから、被用者の約半数という少なからぬ集団は「(2)の層は学校を卒業すると「正社員」になって安定した給料を手にし、30歳くらいになればマイホームやマイカーを持つという「一億総中流」の人生経路」には乗っていなかったということになります。

    他方で「一億総中流」という概念が多くの者に受け入れられていたのもまた事実です。実際には格差があったにもかかわらず(年配の方々であれば、「二重構造」という言葉に思い当たる節がおありかと存じます)格差がないように受け止められていたのはなぜでしょうか。webmasterの管見では、将来の期待ゆえ、ということとなります。

    自身の給料を考えても、毎年5%ずつ上昇するならば、15年弱で2倍になります。20歳で就職して30歳で2倍に給料が増えたならば(年功序列でなくともスキルの習得等による増分がありますから、被用者所得が全体として5%=安定成長期の日本の名目GDP成長率にほぼ等しい割合で伸びていくにしても、各個人に着目すれば10年程度で倍になったと考えられます)、かつての自らとの対比で豊かになったと感じ、貧しいわけではない「中流」との意識を持つでしょう。さらには今後についても同様の期待を持つでしょうからなおさらです。

    加えて、世代間の対比もより以上に影響を与えることが考えられます。上記の一個人の事例と同様、経年上昇にて親よりも子が豊かであることが全体としては自然でした。さらに一般的傾向として戦後日本においては高学歴化が進み、すなわち中卒の親の子が高卒だったり、高卒の親の子が大卒だったりといった事例が多く見られました。これまた一般的傾向として、中卒よりは高卒が、高卒よりは大卒が生涯賃金が多くなるので、経年上昇分以上に子が豊かである傾向が強かったことでしょう。そして、子が豊かであるならば、自らもまた豊かになったような気になるのも人の常でしょう。

    以上を裏返せば、目先の給料がどうであるかよりも、自身の将来の給料や子の給料がどうなるかという見通しこそが、中流意識の醸成に影響力を有するものと考えられます。将来見通しが足元のトレンドに左右されるならば、これは現在の絶対水準よりもトレンドによって階層意識が定まる部分が多い、と言い換えられます。このwebmasterの推測が正しいのであれば、qushanxinさんの階層論については、

    • バブル期以前は上昇トレンドのため「中流」だと思っていた「不安定低所得者層」が、バブル崩壊以降の右肩下がりトレンドによって期待が持てなくなり、そうでないとの意識を抱き始めた、
    • 現在の絶対水準が悪いわけではない「旧中間層」においても、とりわけ子の就職難に直面した者を中心に、将来の期待が剥がれてより下の階層に転落するのではとの不安が広がっている、

    というように解することが適当であるように思われるのです。

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    30 Responses to “終身雇用等の幻想”

    1. Says:

      私は一億総中流が誇大説明だったとしても、社会のそれなりの部分が中流であったことはそれなりにすごいことだと思います。
      その上で、現在の格差問題はやはり現在の人々の対立なのだと思います。

      >社会の過剰な流動化に不安を感じる(2)に対して、(3)はむしろそういう流動性こそを潜在的に求めている。

      ↑の部分を自分なりに解釈すると、
      正社員の身分保障は、
      正社員から見ると一種の既得権益となっており、
      非正規社員から見ると一種の参入障壁になっているのだと思います。
      (価格を高く固定したことによる雇用需要減)

      そして、正社員のように、すでに既得権益側にいる人にしてみれば、自らの雇用水準を維持するために現在の制度を守ることが大切であり、その為にはそれを壊そうとする規制緩和のムードに恐怖を感じ『格差社会』と非難をしている。
      対して、非正規社員のように、いまだ既得権益の外にいる人にしてみれば、正社員の雇用条件を今より下げることによって、正社員になるチャンスを増やして欲しい。
      と言うことなのだと思います。

      終身雇用というのは外から人を入れにくい制度である以上、やはり一種の参入障壁なのではないかと思います。
      そして、非正規雇用の人たちは、中流を引き摺り下ろすのではなく、中流に参入する機会を欲しているのではないかと思うわけです。

      ですから、現在格差社会と言われている問題の本質は、
      昔からいる商店街と新たに参入したい大規模流通どちらを優先するか、
      もしくは、昔からテレビ放送している現在のテレビ局と、新規参入したいその他多くの企業どちらを優先するか
      と言うような、他の規制緩和問題と同じ構図だと思います。

      ただ他と違うのは、一般に中流と言われる人たちはかなり大きな勢力だということです。ですから、国民の合意を得ることはとても難しいのだろうと思います。

      いずれにしても、現在の対立は少々歪んでいると思うのでもう少し建設的な議論をするべきだと思います。まあ、格差を煽っているテレビ局自体が格差社会の典型だと思うので難しいのでしょうけどね。

    2. 鍋象 Says:

      世間一般で言われている「終身雇用」には「辞めさせられることがまずない」という想定がありまして、その場合、従業員数99人以下であって倒産しない限り、従業員の多くは終身雇用のつもりで働いている可能性は高かろうかと思います。

      辞めるのは個人の意思です。よって辞める権利はあります。が、解雇には相当な理由が必要な現在、よっぽどの事が無い限り辞めさせられる心配は無いともいえます。
      一方人事側は、「終身雇用か?」と問われたら、それは「状況によって変わる」といわざるを得ないわけで、その状況の悪化がこの失われた15年で起きていたわけです。
      というわけで、終身雇用というのは雇用者・被雇用者が共通で抱いていたただの幻想だと思います。

      それと、企業の平均年齢は大体25歳でありまして、平均年齢である25周年を迎えた企業は、仮に創立時点で新卒採用した(できた)としても25周年時点の年齢は57〜8歳。まだ定年になっていない年齢なんですよね。

      というわけで、終身雇用というのは制度ではなく、高度成長期の「人不足」時代の企業側のリップサービスに過ぎないと僕は思う次第であります。

    3. Says:

      >鍋像さん
      日本の終身雇用が高度成長期の慣習によって生まれた要素は確かに大きいと思います。(アメリカだって程度は違えどそういう時期があったわけですしね)
      また、日本の労組が企業別労組だと言うのも大きいと思います。
      しかし、法律でも解雇三原則などでそれなりに保護されていると思います。
      また年功序列に賃金が上昇している企業や役所だってそれなりに存在していると思います。そして年功序列賃金は終身雇用制度を前提に設計されているわけですから、終身雇用はそれなりに形あるものとして存在しているでしょう。

      まあ、慣習だか文化にせよ日本の雇用制度が流動性より安定を求めた終身雇用的な体系だと言うのは確かだと思います。だからこそ、アメリカみたいにパカパカリストラされない反面、途中入社が難しいのだと思います。
      その結果内部では身分保障が厚い分少ない給料で沢山働くことが求められるのも当然なわけですし、外部からはもっと流動性を高めろと言う声が上がるのも当然だと思います。

      それが幻想だと言われるほど日本の企業ではリストラ文化が根付いているとは思いませんし、現実にそれほどリストラが頻発されているとも思いません。
      終身雇用を前提にしているからこそ、国民は派遣社員を問題視するのだと思います。

      まあ雇用制度流動化すれば、長期的には中流は上流と下流に分離するのではないかと思いますが…、自分は仕方ないと思っています。長期的には、中国人にでもできる仕事に対して、中国人の何倍もの給料をもらう方がおかしいのだと。

    4. Says:

      真面目にコツコツがまかり通らない世の中になれば、不満だらけの世の中になる。
      現代その兆候が現れてきているから、先の未来が危ういのでは…?

    5. 鍋象 Says:

      >長期的には、中国人にでもできる仕事に対して、中国人の何倍もの給料をもらう方がおかしいのだと。

      元がそのうち上がりますので、そういう状態は無くなるかと。というか既にそうなりつつあります。また、中国人労働者の給料の安さは、中国という国の国内制度(あるいは地方政府)の労働・環境などに対する規制の薄さから生じている面もあります。こういう事を考えると、そのうちかつてのアメリカみたいに「お前らも先進国なみに国内制度を改革しなさい」といいたくなっちゃうんでしょうね。

      中国関係との仕事もある身として言うならば、賃金格差による貿易・産業構造の問題はむしろ日本側企業からの働きかけ(中国進出・委託先の開拓・買い付け)でどんどん進んでいる面があります。中国側はわりと受身で、むしろ価格差を調整するために「売ってやらない」というスタンスの人が多いように見えます。そういうのをどうやって掻い潜るのかが、日本企業の行う各種寝技であります。そして、政府はどんどん深刻化する格差問題・インフレ問題に右往左往しているだけに見えます。

      まあ、いずれ中国の位置はベトナムとかインドネシアあたりが引き継ぐのでしょうけど。

    6. 西麻布 夢彦 Says:

      中国の労賃が安いのは、あそこに「身分制度」があるからですね。
      まあ、労働力の供給源だった内陸も高齢化が進んできていて、そろそろ弾切れです。
      これと元高で中国の「安い労働力」はお仕舞いです(残念なことに)。
      だからといって、プラズマやブルーレイを買ってくれるほど「金持ち」にもなってくれないし……
      (プラズマはいいよぉ〜 なんと言っても工場は国内だから外貨獲得には最適!)

      あ、そうそう
      終身雇用、あれはよくないね。
      50過ぎるとみんな「仕事になくなる」ので……

      いわゆる「成果主義」というのは、50代のオッサンを放置したままで、若年層の給与原資を絞るための制度なので支持できないけど、ちゃんと50代の首を切った上で成果主義にすれば企業は活性化しますね。

      まあ、それでもフリーター・ニートは雇わないけどね……
      (採用稟議が受理されねぇよ。余所の正社員を引き抜いた方が成績が上がるし)

    7. 西麻布 夢彦 Says:

      夢のない話だとなんですので、フォローすると……

      ボクはフリーターが正社員になる方法も知っているし、その方法で友人は中堅企業の正社員にまで育ちました。
      だから、日本も捨てたもんじゃないよ!
      頑張れば報われるよ!

      まあ、オレは資金をBRIC’sとかに移すけどな……

    8. webmaster Says:

      >壺さん
      以前、雇用問題を固定と変動という観点から論じたことがありますが、既得権云々というよりそういうことだと思います。たとえば固定金利定期預金と変動金利定期預金がありますが、金利水準5%の際に固定金利定期預金を契約した者が5%の金利を受け取る一方で、その後金利が低下して新たに変動金利定期預金を始めるひとが1%しか金利を受け取れない場合、5%の金利が「既得権」かといえば、まあそう定義すればそうなるわけですが、通常の用法ではそうではないでしょう。

      違う観点から論じれば、雇用政策をどうするかは、すぐれてミクロの判断です。A社が正規雇用をメインにしてB社が非正規雇用をメインにしている場合、A社が既得権者に優しいとかB社は参入障壁のないよい企業だとか、そういう評価は的外れでしょう。人件費を固定化してレバレッジを効かせるのか、変動化して業況悪化時の耐性を高めるかはそれぞれの経営判断ですし、求職者はそうした各社を並べてみながらどこに応募するかを決めればよいだけの話です。

      結局のところ、問題は就業機会の減少に代表される雇用条件悪化なわけでして、非正規雇用が正規雇用を敵対視するのは、分断統治にはまっている以外の何者でもないと理解しています。お示しの商店街やらテレビやらの例とは異なり、少なくとも新卒市場においては参入障壁はないわけで、そこでのパイの小ささが根源的問題であるはずです。

      >鍋象さん
      これはなじみの店で聞いた話なのですが、料理人は30歳までは年齢万円(たとえば25歳なら25万円)の月給ですが、30歳で頭打ちだと。そこで、それ以上の報酬が欲しければ独立を考えるとのこと。中小企業と一口に言っても、その手の慣行によって実態はさまざまなのでしょう。

      >魚さん
      マクロのパイの増分を大きくすれば、おのずとそうした努力が報われる可能性は大きくなります。どのような努力がよいかは各経済主体の判断にまかせ、国の政策としてはマクロに注力すべし、というのが私の基本的な考え方です。

      >西麻布 夢彦さん
      中国は日本以上の少子高齢化が進行中ですから、長く見積もっても一世代後にはなかなか悲惨な状況でしょうね。

    9. Says:

      マクロについて、基本的な、ここのコメントを理解する助けになるような、参考文献は、ないでしょうか?世界株式経済、金利政策、サブプライム、石油高騰、円高、アメリカの金融政策など、何でも構いません。
      テレビのニュースが理解出来る程度を希望しています。m(_ _)m

    10. Says:

      ●鍋像さん
      確かに、日中間の賃金格差は中国人の給料が上がることによって解消される面もあるでしょう。
      しかし、日本人の賃金が下がることによって解消される面もあるでしょう。

      供給が増えれば価格が下がるというのは労働力市場でも例外ではないと思います。グローバル化によって単純労働者の供給が増えれば、単純労働者の価格が下がるのは当然だと思います。
      グローバル化によって需要も拡大するでしょうが先進国の単純労働者の価格を維持できる水準まで需要が拡大するとは思いません。
      その分より多くの賃金を得るのは、グローバル化により単純労働者ほど増えない知識労働者だと思います。
      今までと同じ暮らしをしたかったら、もっと付加価値の高い仕事をする必要があるのだと思います。

      日本の買い付けか中国の売り付けか、という流入する財の経路は余り関係の無い話だと思います。
      日中間に賃金の格差が存在しているから、高いところから低いところへ雇用(生産)が移っているというのが根源的な構図でしょう。
      そして、地方に出来て中国に出来ないことが少ないため、今まで地方が担っていた仕事を中国が担うようになり地方の役割がなくなったことが、都市と地方の格差に繋がっているのだと思います。

      ここからは独り言

      政府もそのことを認めて、地方は今までと違う役目を担う必要がある現実を認めないとどうしようもないと思います。
      具体的に言えば、都市に人が集まり農村で人が減るのは仕方ないことだと思います。
      都市の持つ最大の資源は人の集積であり、農村の持つ最大の資源は土地なのですから、両者の資源を最大化させるには都市に人を集め、農村は相対的に広くなった土地を有効に利用するべきだと思います。
      少なくとも都市への集積は始まっているわけですし、政府に出来ることはその流れを出来るだけ円滑化させ、都市と農村の再編成の衝撃を小さくするしかないと思います。

      金余りで財余りということは、使い道がない生産物(力)が沢山あると言うことですから、使い切れないならそれは国民全体で分配するべき、つまり国民全体の生活水準の上昇に使うべきと思うわけです。
      個人間の格差対策は、高所得者への所得税や相続税はもう少しとって、地方交付税なり低所得対策なりに使えばいいのではないかと思います。

      ●bewaadさん
      例によって長くなりました、レスはほどほどもしくは無くてもいいです。

      ・変動と固定
      正規と非正規を固定と変動に分ける比喩は面白いですが、少々乱暴すぎると思います。

      日本の労働市場で、非正規雇用は、生まれてからそれほど経っていないので時間的比較は難しいですが、流動性が高い買い手(企業)に有利な非正規雇用の価格(賃金)は大抵低く、流動性が低く買い手に不利な正規雇用の価格は大抵高いわけです。両者の間に流動性以外にも大きな差異があると思います。
      また、借り換えが容易な変動と固定と違い、非正規から正規へは乗り換えにそれなりに障害があると思います。
      したがって、非正規社員と正規社員の間には階級的格差が存在すると思います。

      つまり非正規と正規は、サラ金と住宅ローンのように商品の『格』が違うわけで、それらを無視して流動性の違いのみに目を向け変動・固定と同一視するのは少々強引過ぎると思います。

      >規制緩和を望む非正規社員と維持を望む正規社員
      ・前提
      正社員の雇用条件は法や権力(労組などの)によって雇用条件を高いところに設定されており、これが需要をある程度押さえつけているのも確かでしょう。
      この条件を下げることによって需要が刺激されるのは間違いないわけで、それが非正規社員の正規社員への昇格の可能性を広げるのも確かでしょう。

      ・(良い悪いの話ではなく)個人的分析。
      それらを暗に察している非正規雇用がチャンスを求めるために流動性の拡大を求めており、現在の雇用条件を守りたい正規社員が反対しているのだと思います。
      正規社員はなんとなく怖がっているだけでしょうし、非正規社員はなんとなくうらやましがっているだけで、現在のところ両者は敵対しているとは思いません(赤木智弘さんのような人はまだ少数派でしょう)。しかし、意見は対立していると思います。
      ちなみに、流動性を求めているのは非正規社員であり新卒ではないです。新卒には十分なチャンスがあるので流動性を求めるメリットは少ないでしょう。

      ・ミクロ的見地から
      本当に企業の自主性を重んじるのであれば、正社員を労働法制で守る必要も無いと思います。自主性を重んじるなら、企業と労働者(労組)間の自主性に任せるべきでしょう。
      長期雇用が企業にとって本当に経済的効率性が存在するのであれば、法で保護せずとも企業が自ら長期雇用を維持するでしょう。
      規制の維持を訴える上で企業の自主性を取り上げるのは、あべこべだと思います。

      実際は、労使間の権力格差を是正と国民生活の安定のために、労働者側には法によるハンデはある程度必要だと思います。その結果、企業の自主性がある程度犠牲になってもです。

      ・マクロ的見地から
      まあ、おっしゃるとおりマクロ的圧力(時代の流れ)が社会を変える最も大きな力なのは間違いないです。その見地から見ると、遅かれ早かれ労働力が不足するでしょうから、非正規雇用の待遇も多少は良くなるとは思います。
      ただし、誰でも出来る上に外部委託(貿易)も簡単な単純労働者以外の分野でですが…。
      (ベトナム人でも3日で覚えられる朝から晩までバネを削るような仕事は今後の日本でははやらないと思います)

      ちなみに言わずとも分かりましょうが、自分は流動性派です。
      インド、ベトナム、中国などでは安定政策が必要でしょうが、今の日本には流動性政策が必要とされていると思います。

    11. 鍋象 Says:

      >壺さん
      僕は「元高」と書きました。また、賃金調整は「個々の産業」で起きる事でして、それは所謂比較優位にある産業と比較優位を失った産業間での、雇用賃金・投資・起業廃業によって調整されます。マクロトータルでの賃金は、多少は影響が出る可能性はありますが、その程度なら経済政策で十分吸収可能な範囲だと思います。

      日本が陥った罠は、中国の安い賃金に対抗するため企業が政治に働きかけをし、労働規制を緩めて労働分配率を下げようとしたことにあると思います。これにより、社会厚生が低下したのが、多くの人が持つ格差問題に対する不満の根源ではないでしょうか。

      また、僕が言いたかったのは経路問題ではなく、日本より明らかに労働規制がゆるく、被差別民、奴隷労働、タコ部屋問題、環境問題の無視など、日本がかつて経験し改善してきた悪癖をまだ放置し、その分見かけ上のコスト安を実現している(要するに外部不経済を見ない事にしている)のが現在の中国であります。上にも書きましたが、このような問題に対して、日本側も中国にならって規制を緩めるのではなく、人権問題などを取り上げて中国側に労働環境の改善のための規制を要求するのが、上手な対処方法だと思われます。

    12. Says:

      >日本が陥った罠は、中国の安い賃金に対抗するため企業が政治に働きかけをし、労働規制を緩めて労働分配率を下げようとしたことにあると思います。

      まず、日本の労働分配率が国際標準と比べて、それほど低いとは思いません。
      国際経済市場に大量の労働者が流入したのですから、先進国の賃金が下がるのは仕方ないと思います。特に誰でも出来る単純労働に関しては…。

      また、いずれにしろ雇用に流動性を求める必要はあったと思っています。これは中国を倣っているのではなく、先に高度成長後を迎えたアメリカを倣っているのです。
      先進国というモデルがあるので右肩上がりの上確実性が高い途上国と違い、不確実性が高い先進国では、不確実性のリスクを企業にだけ背負わせるのは非効率だと思います。

      鍋像さんがいうとおり終身雇用制度とは人手不足な高度成長期だからこそ成り立った制度なのだと思います。
      終身雇用が幻想だというのであれば、その幻想を放棄してもなんら問題はないでしょう。幻想にしがみつく必要などないはずです。

      >日本より明らかに労働規制がゆるく、(略)現在の中国であります。

      それは同意します。
      途上国の経済発展は多かれ少なかれ労働者の負担の上に成り立つものです。それが労働者全体のためになるわけです。
      だからこそ、そんな環境でも喜んで働くのが高度経済成長期の労働者でしょう。なぜなら、彼らにとっては今の賃金にはそれだけの魅力があるからです。
      そして、多様な労働問題はゆっくりだけど改善しつつあると思います。そして、それらが解決したとしても、日中間の賃金格差はそう易々と埋まるものではないと思います。

      ちなみに、元高とは中国人労働者の賃金上昇の一形態です(実質賃金の上昇)。

      >賃金調整は「個々の産業」で起きる事でして

      日本のような先進国で衰退するべき、『個々の産業』が単純労働系の産業だと思います。
      日本は中国と同じ土俵で戦うべきではないと思います。中国人でも出来る単純労働からは足を洗うべきです。
      中国人でも出来るような単純労働に対して、日本人のような高給を払えという方が無茶だと思います。

      >マクロトータルでの賃金は、多少は影響が出る可能性はありますが、その程度なら経済政策で十分吸収可能な範囲だと思います。

      現実にマクロトータルではそれほど賃金は下がっていないと思います。

      >これにより、社会厚生が低下したのが、多くの人が持つ格差問題に対する不満の根源ではないでしょうか。

      これは80年代後半のアメリカと同じかと、高給を貰うなら途上国と同じ仕事をしていては駄目だということでしょう。
      経済構造の変革を求められているのです。中国にでも出来るような単純労働をしている人は他の仕事につくことを求められます。具体的に言えば、失業or賃金が下がります。なんせそんな労働力は余っているんですから、高い価格で買い取れ(高い賃金で雇用しろ)といわれてもそれは無理です。
      これは確かに社会不安に繋がるでしょう。
      日本で言えばそれらを担ってきたのが地方だったので、今の地方経済が特に疲弊しているのだと思います。
      日本の町工場の最下層は本当に惨めな職場です。目先の仕事だけを追い続けた結果でしょう。セコイ内職並みにどうしようもない仕事をしていればそうなります。潰れて当然だと思いますし、潰れるべきだと思います。彼らは被害者ではありません。先を見据えない経営をしてきたツケであり、経営不在だっただけです。放漫経営で潰れた企業と同じです。

      当時のアメリカは国内の怒りを日本に向けることで解消していたのでしょうが、今の日本にはそんなことできませんからね。

      >このような問題に対して、日本側も中国にならって規制を緩めるのではなく、人権問題などを取り上げて中国側に労働環境の改善のための規制を要求するのが、上手な対処方法だと思われます。

      私もそれは必要だと思いますし、多少は効果があると思います。
      アメリカが日本の労働時間を短くするように求めたり、内需拡大(国民生活の向上)を迫ったりしたのと同じですね。
      しかし、これは副次的問題で、最も根源的な問題は国内の経済構造問題だと思います。これをどうにかしないとどうにもならないと思います。

      具体的にいえば、アメリカが基幹産業をITと金融にシフトしたようにです。
      アメリカの経済改善は、日本の労働条件強化と内需拡大によってもたらされたというよりも、アメリカの経済構造の変化によってもたらされたものだと思います。

    13. 鍋象 Says:

      >壺さん
      >また、いずれにしろ雇用に流動性を求める必要はあったと思っています。これは中国を倣っているのではなく、先に高度成長後を迎えたアメリカを倣っているのです。

      アメリカではなく、中国ですよ。多くの企業経営者の関心は中国の人件費でしたよね。
      それから、雇用の流動性は十分高かったです。特に低賃金労働市場においては。多くの人が指摘していたのは、ホワイトカラー層の雇用の流動性だったはずなのに、いつの間にか低賃金労働者の流動性の話になってしまったのは、中国の人件費に関心があったからでしょう。

      >終身雇用が幻想だというのであれば、その幻想を放棄してもなんら問題はないでしょう。幻想にしがみつく必要などないはずです。

      僕が言いたいのは、幻想をあたかも存在するモノのように批判し、実際に規制改革だとか法律の施行などで行動に移してても意味が無いか、副作用が大きいという事です。

      >日本のような先進国で衰退するべき、『個々の産業』が単純労働系の産業だと思います。

      そして、その衰退は、現実に「労働者が集まらない」という事で進展していました。3K職場問題といって、20年ほど前から普通に労働者は集まらなくなっていました。その流れを危惧して、日本国内において単純労働力の供給量増加を意図したのが、労働回りの規制緩和だったように僕には見えてなりません。
      最近流行りの「ものづくりの国」なんていう政策もその手の政策の一環ですよね?

      >中国人でも出来るような単純労働に対して、日本人のような高給を払えという方が無茶だと思います。

      だから払っていないんですよ。

      >日本の町工場の最下層は本当に惨めな職場です。目先の仕事だけを追い続けた結果でしょう。セコイ内職並みにどうしようもない仕事をしていればそうなります。潰れて当然だと思いますし、潰れるべきだと思います。彼らは被害者ではありません。先を見据えない経営をしてきたツケであり、経営不在だっただけです。放漫経営で潰れた企業と同じです。

      えっと、町工場などが大変なのは、顧客である大企業がガリバー化して価格支配力を持ってしまって、利益が得られないからです。本質的には独占問題です。法律で言うなら「独禁法」とか「下請法」の範囲。決して職場環境だけの問題ではないと思いますし、セコイ内職なみの仕事をしているわけでもありません。それは、町工場を馬鹿にしすぎです。

      僕は、市場において「サプライヤー」と「バイヤー」の力関係(寡占度合い)が各市場でマチマチで、中小企業などの下請け系の産業では圧倒的にバイヤー有利となり、経営が成り立たないような価格設定が横行している事が問題だと思います。こういう市場では、たくさんの苦痛を伴いながら、サプライヤー側が数を減らしていき、最終的に寡占vs寡占の市場となります。今現在、日本の各所で進行中です。

      僕がそういう産業にいる人に言ってあげられる事は「早めに会社を清算するか転売して現金化したら?」程度の事であります。自分のいる市場だって何時そうなるかわからない。放漫経営と一緒だなんていう非難は、僕にはできませんね。まあ、壺さんはまだ他人事な年代でしょうから、今のうちに十分に言っておいたほうが良いかもw

      >当時のアメリカは国内の怒りを日本に向けることで解消していたのでしょうが、今の日本にはそんなことできませんからね。

      環境問題は公共財ですから、言えるし、言うべきだと思います。場所は国際会議ですね。まあ、一番苦手な方法ですが。

      >しかし、これは副次的問題で、最も根源的な問題は国内の経済構造問題だと思います。これをどうにかしないとどうにもならないと思います。

      内需が拡大していたら、調整はスムーズに進みます。比較優位を得た産業に新規の投資がなされ、人員が吸収され、そして比較劣位の産業は相対的に地位を低下していき、最後は消えてなくなります。最後まで耐えきると「無形文化財」になれるのが日本ですw

      >具体的にいえば、アメリカが基幹産業をITと金融にシフトしたようにです。

      アメリカは産業統制を行っている国なのですか?

      >アメリカの経済改善は、日本の労働条件強化と内需拡大によってもたらされたというよりも、アメリカの経済構造の変化によってもたらされたものだと思います。

      それは日本が内需を拡大できずにいるからでは?GDPに占める輸出の比率はここ数年で劇的に上昇しました。構造改革の成果ではないですか?w
      先進的な国はどんどん外需依存度が下がっていくものなのですがね。

    14. 西麻布 夢彦 Says:

      > 鍋象様

      > 本質的には独占問題

      > 中小企業などの下請け系の産業では圧倒的に
      > バイヤー有利となり、経営が成り立たないような
      > 価格設定が横行している事が問題

      違うなぁ〜
      大企業だって消費者と向き合って、消費者が納得する品質と価格を実現しなければならないので、競争に付いてこられない会社は「保護」しかねるのですよ。
      まあ、特段の事情(創業家の資産管理会社等)があれば「保護」もされるのでしょうけど……

      第一、本当に「経営が成り立たないような価格設定が横行」していれば、部材の供給業者が全滅して製品が出せなくなりますよ。
      出ていると言うことは経営は成り立っているんですよ。

      > 「早めに会社を清算するか転売して現金化したら?」

      借金まみれで売り上げ(キャッシュフロー)も無く、ましてや資産も無い会社を清算したら、社長一家は人生を清算するはめになるのですよ。要するに売れないし、現金化も出来ない。経営って厳しい仕事なんですよ。(私も随分清算させてきたくちですが、死人を出さなかったのは誇りです)

      ※ま、中小企業問題や町工場問題というのは、あまり気にすることは無いはずです。
       というのも、中小企業の倒産は、景気変動のバッファーとして社会システムに組み込まれているので。
       それを格差だのと言って問題視することこそ問題です。
       格差なんて存在しない!

      > アメリカは産業統制を行っている国なのですか?

      あの国は「保護主義」だよ。
      冤罪(産業スパイだのダンピングだのインサイダーだの)で日本人をねらい打ちするんだよな。
      人種差別だよ。

    15. 鍋象 Says:

      >>西麻布夢彦さん
      消費者と向き合っていると言っても、彼らがやっているのは同業他社との競争ですよね。良い製品を開発するだけでなく、同質商品の価格競争をしています。ここでの価格競争は、あくまで相対的なものであって、消費者が納得する価格なんてのは存在しません。
      それに、仮に消費者が納得する価格があったとして、それ以下のコストで作れた場合、その超過利益分はメーカーが全部取ってしまいます。この時の超過利益の配分比率はモロに交渉力の影響が出ます。
      一方、ある種の商品(特にセンサーなど)は、他に供給可能なサプライヤーが無いなどの理由で価格支配力が高いケースがあります。彼らの利益は信じられないほど高いのが現状です。そしてそれらを使った製品の方が売れています。

      僕は、「とっとと現金化したら?」と言う際に、貯金を食いつぶしてまで付き合う必要は無いといっているわけで、貯金を食いつぶすまで粘る事は、すなわち経営は継続できるけど赤字だという事です。最初の時点で借金だらけで赤字なら、もうその会社は存在していませんw

      結局、供給を減らしてしまわないと交渉力は戻らないので、この調節がスムーズに行われたほうが良いと思っています。部材の供給業者が全部全滅する前に、生き残る部品メーカーがおおよそ見えてきてカルタ取り宜しく寡占化が進んで、最後に「いままで若干高コスト体質(逆に言えば高利益・高付加価値体質でもある)になったサプライチェーンができあがる」のだと思います。これが良い事なのか、否かはまた別の話。

      こちらは壺さん宛ての話なのですが、西麻布さんに誤解されているようなので補足すると、これは自然の流れなので、「放漫経営のツケ」だとか「町工場は終わっている」などと、外野の人間が「穢れたもの」のように扱う必要は無いし、逆に無理やり助ける必要も無いという事です。改革論vs格差論vsものづくり日本論などは全然ヘンテコなところで議論が進んでいて、これらの議論からはまともな答えを出せないでしょうねと言う諦観があるだけです。
      経済環境を弱インフレに保つだけで、どれだけ調整がスムーズになるのか。そこさえやっとけば、こんな下らない各論に日本を代表する頭の良い人たちが無駄にリソースを費やすことも無いのに・・・という事です。

    16. Says:

      私が倣うべきというのはWEとかそういう狭い話ではありません。80年代にアメリカが行ったような経済構造の転換の話です。

      ・経済構造の話
      経済発展が進めば経済構造が変わるのも当然でしょう。
      90年代〜2000年初頭に日本で起こっていた現象は、80年代〜90年代のアメリカで起こっていた現象と同じことです。
      80年代のアメリカを脅かしたのが日本であったのに対し、90年代の日本を脅かしたのが中国であるということです。

      確かに直接的に日本の雇用制度の改革の契機になったのは中国の影響は少なくないでしょう(議論が始まった当時の状況から考えて、それ以上に平成不況の影響が大きいと思いますが)。

      しかし、根源的には経済構造の問題です。
      先進国になれば第二次産業の人員が逓減するのは逃れられない宿命です。途上国の第一次産業が高度成長と共に逓減するのと同じくらい当たり前のことです。国により多少の個体差はあるにせよ。まずそのことを認めないと話にならないと思います。
      個々の市場の拡大には限度があり、生産性の拡大には限度がありません。
      だとすれば、今まで2000万人で作っていたモノ1000万人で作れるようになった時。今までどおりの2000万人を雇用して、財の生産を2倍にしても全て売りつくすことが出来るでしょうか?出来るはずがありません。
      結局500万人で今までの財を生産して、残りの500万人には他の何かを作ってもらうしかないのです。
      そしてこの時の500万人は生産性の低い人たちから退場してもらうことになるのも当然です。

      日本の場合、生産性の上昇に伴い不必要になった人員や事業者の整理を怠ってオタオタしていたところに、中国が台頭してきて、人員整理しないわけにはいかなくなっただけです。平成不況に加え中国の影響で窓際族を養うユトリがなくなったのです。

      現実問題として、日本の町工場でやっている仕事のかなりの部分が1/10の賃金の中国で出来てしまうのです。中国の方が安く作れるなら安く作ってもらった方が効率がいいでしょう。需要の刺激に際して価格の低下ほど刺激のあるものは総幾つも存在しません。それが内需の拡大に繋がるのです。

      >>しかし、これは副次的問題で、最も根源的な問題は国内の経済構造問題だと思います。これをどうにかしないとどうにもならないと思います。
      >内需が拡大していたら、調整はスムーズに進みます。

      内需内需って魔法じゃないんだから、と思います。
      確かにバランスの良い経済成長には内需拡大は不可欠でしょう。国家経済の生産性の上昇によって得られた富は国民生活の向上に当てられるべきです。
      しかし、それは生産の拡大あっての拡大です。

      農家や町工場の生産性は、他と比べここ20年でどれほど拡大したでしょうか?
      生産性の成長がない分野が落ちこぼれるのは当然です。本来そういう人たちには市場から退場してもらわないといけません。
      しかし、町工場や農家は人員の流動性が極端に悪いから、内需が拡大していた時期にすら調整が行われなかったのです。
      日本経済が好調だったのでおこぼれを貰うことも多々あったのでしょう。

      市場の調整には何よりも流動性の確保が必要不可欠です。
      日本の雇用制度を終身雇用だと呼ぶかどうか、人それぞれだとしても流動性が悪いのは事実でしょう。
      規制に縛りつけまくりながら、自由に調整させればいいなどというのは二枚舌でしょう。

      成長分野に関しては、本来ならばそろそろ分配が始まる時期だったのでしょうが、今回の騒ぎでちょっと遅れるかもしれません。
      しかし、いずれにしろ賃金は上がると思います。今後人手不足になるのは間違いなく。能力のある人材にはそれ相応の対価が支払われるでしょう。
      まあ中国でも出来るような仕事は更に中国に頼むようになるでしょうから、単純労働者についてはその限りではないのでしょうが。

      ・潰れる中小
      >仮に消費者が納得する価格があったとして、それ以下のコストで作れた場合、その超過利益分はメーカーが全部取ってしまいます
      大企業は何故そんなことが出来るのでしょうか?
      それは他にもそれと同じことができる業者が沢山いるので、『あんたのところでなくても他所に頼む』といえるからです。つまり供給過剰だからです。
      反対にセンサーが高く売れるのも当然です、そこにしか出来ない仕事をしていれば市場が高く評価するからです。それだって生産性の高い仕事です。

      前者はむしろ、中国人でも出来るような仕事に対して日本人価格を支払ってくれていることに感謝するべきかと、後者は中国人には出来ない仕事をしているのでそれ相応の対価を支払っているのです。

      私は中小全てがだめだといっているのではありません。平成不況最盛期ならともかく今潰れている中小は潰れるべくして潰れているといっているのです。
      そろそろ、調整も小休止になるのではないかと思います。
      大企業も価格転嫁を多少認めるようになってきたと聞きます。
      つまりは、次は製品価格に転化されるわけですね。

      >これが良い事なのか、否かはまた別の話。
      市場競争により生産性の低い事業者が退場を余儀なくされているだけで、自然なことだと思います。
      中国という新たな市場参加者が増えて供給が増したのですから、そういう現象が起こるのは当たり前でしょう。

      >これは自然の流れなので、「放漫経営のツケ」だとか「町工場は終わっている」などと、外野の人間が「穢れたもの」のように扱う必要は無いし、逆に無理やり助ける必要も無いという事です。

      私は格差格差といい無理に助けようとしているに見えるのでそれに反対しています。
      中国如きに軽く再現できる仕事に甘んじていたツケは自業自得といわれても仕方ないかと思います。

      >経済環境を弱インフレに保つだけで、どれだけ調整がスムーズになるのか
      これは同意します。
      ちょっと過大な期待をしすぎだと思いますが…。


      農家や中小の事業者は良くも悪くも自分の仕事にこだわりが強いので、限界以上に耐え忍んでしまうわけですよね。事実上これが流動性を阻んでいると思います。
      だからといって、こだわりをなくせと国があれこれ言うのはお門違いでしょう。
      それでも、再就職をしやすくすることによって今の仕事をやめることに対する恐怖を減らしてもらうことは出来ると思います。
      これは、リフレによってもある程度達成できるでしょうが、雇用制度改革によってもある程度達成できると思います。

      ・中国への批判
      >>当時のアメリカは国内の怒りを日本に向けることで解消していたのでしょうが、今の日本にはそんなことできませんからね。
      >環境問題は公共財ですから、言えるし、言うべきだと思います。場所は国際会議ですね。まあ、一番苦手な方法ですが。

      『国内の怒りを日本に向けることで解消していた』というのは車の叩き壊しや無茶な要求に代表されるジャパンバッシングのことです。

      前回書いていたと思いますが、人権問題、環境問題については言うべきだと思います。
      特に環境問題は、鍋像さんの仰るとおり国際問題ですからね。
      しかし、環境問題をどうこう言っても賃金格差はそう易々とは埋まらないでしょう。

      ・産業構造の転換と内需の拡大
      >>具体的にいえば、アメリカが基幹産業をITと金融にシフトしたようにです。
      >アメリカは産業統制を行っている国なのですか?

      今の日本は統制的に産業構造のシフトを阻害しているのです。
      産業構造のシフトを邪魔するなという話です。時代の流れに逆らっても、何も得るものなどありません。

      >>アメリカの経済改善は、日本の労働条件強化と内需拡大によってもたらされたというよりも、アメリカの経済構造の変化によってもたらされたものだと思います。
      >それは日本が内需を拡大できずにいるからでは?GDPに占める輸出の比率はここ数年で劇的に上昇しました。構造改革の成果ではないですか?w
      >先進的な国はどんどん外需依存度が下がっていくものなのですがね。

      内需拡大が必要だとしても、いまだ80年代のノリで内需拡大を叫ぶのはおかしいです。
      ここ10年20年単位で見れば、日本の内需問題はだいぶ改善していたと思いますよ。
      貿易黒字だって減ってるし、第二次産業が減り第三次産業が増えているわけですし…。(第三次産業は大抵内需専用の産業)

      0.経常収支に対する認識
      そもそも、貿易黒字のGDP比は格段に小さくなっているでしょう。つまり日本人が作ったものは日本人のために使われているということです。

      今の経常収支のかなりの部分は資本収支の赤字が占めていると思います。
      そして、先進国で資本収支流出するのは当たり前のことだと思います。金が余っているんですから、金の無いところに投資するのは当然です。
      海外投資する前に使うか国内投資しろといいたいのかもしれませんが、それこそ民間の自由でしょう。
      私は、日本みたいに貯蓄するのが悪くて、アメリカ人みたいに消費することが善いとは思いません。
      国内投資か海外投資かという点では、国内市場の魅力の無さは悲しいですが、国内の金は明らかにだぼついているわけで、海外に流して調整するのは自然だし必要なことだと思います。

      貿易黒字がいまだ残ることや内需についてその他
      1.短期的要因その1  円安
      ここ最近の貿易黒字の伸びは円安の影響が大きいかと、輸出企業だって一時的な円安による収益を基本賃金を上げるわけにはいかないでしょう。

      2.短期的な要因その2 経済成長と雇用条件の時間差
      不況期を脱した後は後回しにされ痛んでいた分野、つまり新規採用や投資の促進が優先されるのは当然ではないでしょうか?
      今いる正社員は不況期にもかかわらずクビにならなかったことをまず感謝すべきでしょう。不況期に一番良い思いをしたのですから、不況期を脱した時には少しくらい後回しになっても仕方ないかと。
      そろそろ一巡しましたしサブプライム問題が拡大しなければ、今年の春闘ではそこそこ分配されていたと思います。

      3.長期的要因その1 産業構造の問題
      国内経済が自動車ばっかり作っていたら国内で消費しきれず当然余ります。そして余った分は海外に輸出されます。対して輸入するにしても人間が必要とする分の財は概ね限度があります。
      そうなると国民が欲するのはサービスです。しかし、サービスは輸入することが出来ません。
      このギャップが貿易黒字の一因になっていると思います。

      また第二次産業に人が多く偏っている日本ではなかなか第三次サービス業に人が移りません。
      そのため、消費者がもっとサービスを要求していても、それに輸入も生産も出来ないずそれに答えきれないのですから、内需の拡充をしようが無いです。

      4.長期的な要因その2 農業問題
      内需拡大とは輸入拡大と切り離せるものではありません。
      農産物の関税などを引き下げればそれなりに内需は拡大していたと思いますし、貿易黒字は縮小していたと思います。
      例えば小麦の関税を0にすれば、今回の値上げ分くらいは簡単に吸収することが出来るでしょう。
      農産物の価格が下がればその分の所得を別の目的に使えます→内需拡大.

      5.長期的要因その3 国内生産者保護と内需拡大
      例えば、内需拡大の最大の立役者は大型流通+安い輸入品でしょう。(具体的には大型流通が安い輸入品を国内に引き入れた)
      大型流通による価格革命は、所得を他所で使うことを可能とし内需の拡大に大いに寄与したと思います。
      さて、その大型流通を邪魔してきたのはどこの誰でしょうか?
      高くて狭くてサービスもイマイチな商店街でモノを売っておきながら内需拡大しろとか言われてもそりゃ無理でしょう。
      関税で農産物の価格の吊り上げているのは、それを声高に叫んでいるのはどこの誰でしょう?
      こんな風に内需拡大を叫ぶ人たちって大抵もう一方では内需拡大を阻害しているんですよね。

      日本の政府や経営が良くも悪くも個人を大事にすることは確かです。
      雇用調整ですら、国内でリストラして海外移転というようなことをしないだけ、良くも悪くも優しい経営だと思います。
      (日本がアメリカと違い逆輸入が少ないのはそのため)

      しかし、個人に優しいことが家計全体にやさしいとは限りません。
      個人に優しく家計に優しくない政策を求めているのはどこの誰でしょうか?
      分業を放棄し何でもかんでも自国でやろうとして(国内の生産者保護※)、内需拡大などできるのでしょうか?

      6.長期的要因まとめ。内需拡大と経済構造
      経済とは生産と消費。皆で作って皆で使っているのです。
      ですから、内需拡大(消費の変革)とは結局産業構造の変革(生産の変革)が表裏一体の経済構造の変革です。

      ざっくり言えば、内需拡大の担い手はサービスです。しかし、皆が工場で働いている経済では、エステを楽しみたくてもエステティシャンがいないのでエステを楽しむことは出来ません。
      このように、消費をするには生産する必要があるのですから、皆が企業内に引き篭もっていては内需の拡大をするにもやりようがないでしょう。
      多少は貿易で調整できるにしても、限界があります。(今の日本経済は、出来る範囲での内需拡大はそれなりに進んでいると思います)
      このように供給を規制でギリギリに縛っている状態で、需要を変えることには限界があります。(逆もまた然りですが、生産に比べれば分配はそれなりに進んでいると思います)
      内需拡大の動きを一層進めるためにも需要と供給の構造を調整する必要があるでしょう。 第二次産業の雇用を吐き出してもらわなければ、内需拡大を担う第三次産業は発展できません。
      これ以上の内需拡大をしたければ、町工場でネジを作ってる人にエステティシャンになってもらうしかないのだと思います(極論の例え)。

      その為には、流動性を確保しておく必要があるのです。流動性さえ確保しておけば、あとは市場競争で需要面供給面両側から調整されると思います。
      そして最終的にはその方が少ない痛みで乗り切れると思います。


      農家や町工場

    17. 鍋象 Says:

      >>壺さん
      長すぎだし、同じこと何度も繰り返しているだけみたいなので途中で読む気力が失せました(^^;

      人は、今より確実に良い思いが出来る別のお仕事が見つからない限り、簡単には転職しないものなんですよ。農家のおじいさんに雇用流動性と言ったって、もっと儲かる仕事が見つけられるわけが無いじゃないですか。農業に関して言えば、極論すると彼らの寿命が尽きるまえ待つという解決策しかないのではないかと思います。
      ちなみに、これは米の話。米の話と他の商品作物の話をごちゃ混ぜにして、自給率の話と絡めるから話が混乱するのです。米の自給率は100%超えています。しかもジャポニカ米は日本人くらいしか食わない。だから米価は低迷します。一方、他の商品作物は自給率が低く、高付加価値品が多く、なおかつ消費者側に国産バイアスがあります。だから高いのです。しかし、日本製の高給商品作物は海外では日本の価格の3倍でも売れていますので、国内価格は異常に安いともいえますが。

      で、本質的な相違点について。壺さんの議論は常に「雇用の流動性が高ければ」という前提条件に全て依存しています。僕は、「市場は失敗するものだよ」という事を常に指摘しています。壺さんが、ご自身の前提を金科玉条としている間はこの問題は平行線でしょう。

      あとね。サブプライムローンが無くても、今年は金利も上げたことだし、逆方向の調整の年になっていました。一昨年〜昨年がむしろ労働分配が改善される年でした。新卒採用はいまだに上がってますが、既存雇用者の賃金は上げ止まってきていたところです。企業物価が上昇しているのは、実際に幾つもの会社が破産したり清算したりしているからという面もあります。昨年の企業倒産件数は過去最多でした。

      最後に2点宿題。
      1.円安になると、輸入原材料は全て事実上値上がりするのに、輸出企業が有利になるのは何故でしょうか?
      2.中国との取引では日本よりアメリカの方が密接なのに、日本の方がより大きな雇用問題やデフレが発生したのは何故でしょうか?

      他にも、細かい論点は幾つもありますが、世の中の一般的見解に対して、僕が良くケチをつけているところとほぼかぶってしまいまして。何度も繰り返すのはリソースの無駄なので、この議論は一旦終了します。

    18. Says:

      ・農家の再雇用と流動性と所得保障
      >人は、今より確実に良い思いが出来る別のお仕事が見つからない限り、簡単には転職しないものなんですよ。

      人の特性としてそういう面はあるでしょう。当たり前のことです。
      しかし、自分の意地や我侭で先の無い仕事にしがみついているならば、それは生活が苦しくなろうが、それは自己責任でしょう。
      そういう人たちに、国家権力で雇用や所得を保障するということに、つまり国民の所得を削って養うことに、正当性があるのかと思います。

      具体的には、農家のおじさんの生活を守るために、国民が本来は50円で買えるものを100円で買わされていることに、正当性があるのでしょうか?これは搾取ではないでしょうか?

      市場価格での販売で食べていけないなら市場から退場するべきでしょう。
      生産者である限り、弱いということは、生産性が低いことは、悪です。農家や町工場だって相対的生産性が低いなら、市場から淘汰されるべきです。市場が必要ないといっているのですから、それに従うべきです。
      それを国家権力で捻じ曲げることに正当性があるのでしょうか?

      私は共産主義者のように、不幸率部門の人間を強制的に別の部門で働かさせるといっているわけではありません。
      雇用の調整を妨げる行為を止めるべきだといっているのです。
      雇用の統制(解雇規制)も、価格&所得の統制(関税政策)も、なるべく少なくするべきだと思います。

      農家については、急激な変動を和らげるためのモノならば仕方ないとしても、『寿命が尽きるまで』というのは明らかに長すぎると思います。それは『国民の所得で一生食わせる』ということです。原爆症のような、明らかに仕方の無い場合を除いて、そういうことはすべきではないと思います。

      雇用については、企業が潰れる寸前まで事実上依願退職でしか解雇できないというのも問題だと思います。ですから、解雇の際のルールをもう少し整備するべきだと思います。

      流動性については、流動性が高くなれば必ず簡単に再雇用できるとは限りません。
      全ての失業者を100%救う方策など存在しないと思います。
      しかし、再雇用しやすくなるのは確かでしょう。

      ・農産物に対しての評価
      ・国内消費量を超えるほどの食べる当ても無い米の生産がされたのはなぜでしょうか?
      これは米価政策が、農家に対する所得保障政策の主軸だったからです。
      その為に、異常な価格で国が米を買い取ってたからです。価格を吊り上げれば供給が増えるのも当然です。したがって、麦を作っていた人まで米を作るようになり、米が供給過剰になったのです。その結果、一方で減反しながら一方で麦を輸入する羽目になっているのです。
      その後も関税で保護し続けているからです。
      関税取っ払えば、米価も生産量もすぐに下がりますよ。

      でレス
      >しかもジャポニカ米は日本人くらいしか食わない。
      うんなことないですよ。食生活の多少の違いはあれど、本当に美味しくて安ければ普及します。
      日本人だってハンバーガーやポテチを食べているのと同じです。
      ただ単に、日本の米は高すぎるので、需要の伸びに限界があるだけです。

      >なおかつ消費者側に国産バイアスがあります。だから高いのです。
      ならば関税をなくしても問題ないですよね。

      >しかし、日本製の高給商品作物は海外では日本の価格の3倍でも売れていますので、国内価格は異常に安いともいえますが

      価値とは、品質だけで決まるものではありません。
      価値とは、多ければ下がり、少なければ上がるものです。
      だから、水は安く、ダイヤモンドは高いのです。

      どの程度の価値があるかは、国民に決めさせるべきでしょう。
      本当に3倍の価値があるならば、関税を取っ払っても3倍の価格で売れるはずでしょう。
      しかし、大抵の人は安いほうを選ぶと思います。
      一般国民に普段口にしてもらうには、今の農産物は高すぎるのだと思います。それだけの金があるならば他のところに廻したいと判断する人が多数派になるでしょう(これも内需拡大ですよ)。
      農家の人たちもそれを分かっているから、関税引き下げに反対しているのでしょう。
      国民から選択の自由を奪っておいて3倍の価値があるなどと言うのは、ちょっと無茶だと思います。

      ただし、外国のVIPに日本の農産物を売りつけるのは良いことだと思います。
      海外需要を喚起して価格を引き上げるのはやるべき戦略です。これは吊り上げではありません正当な行為です。なぜなら誰も不当に所得を取られていないからです。
      国政で培ったコネを使い鳥取の農産物をドバイに売りつけようとしている国会議員を見ると日本もまだまだ捨てたもんじゃないと思います。
      http://kotarotamura.net/b/blog/?itemid=1921

      ・所得調整
      景気が良くなっていきなり給料を上げて欲しいなら、景気が悪くなった時いきなりリストラされる覚悟が必要ですよね。日本はそれができないのだから時間差があるのは仕方ないです。

      で今年に対する分配は、政治も経済界ですら分配の必要性を認めていましたから、今年の春闘はそれなりに上がったと思いますよ。
      まあ結局if論ですね。

      今年も多少は上がるとは思うのですが、それがサブプライムによってどの程度抑えられちゃうのか興味あります。

      ・宿題
      1.円安になると、輸入原材料は全て事実上値上がりするのに、輸出企業が有利になるのは何故でしょうか?

      円安によって、日本人の実質賃金が下がるからです。
      原材料費は入ってきた時多く払う分、出て行ったとき多くもらえるので、為替では+-0です。
      金100ドル分を輸入して、そのまま輸出するモデルを考えてみれば、為替がどう動こうが基本的に変化が無いことが分かるでしょう。
      変わるのは『出て行くだけ』の賃金の部分です。

      中小が負担している論に関しては、そもそも中小が供給過剰で弱い立場にいるから買い叩かれているだけかと、供給が多ければ価格が下がるのは当然です。
      むしろ原材料高になるまで価格引下げを申し出なかった大企業に感謝するべきかと思います。

      2.中国との取引では日本よりアメリカの方が密接なのに、日本の方がより大きな雇用問題やデフレが発生したのは何故でしょうか?

      アメリカと中国の間で商売が被ってないからです。
      産業構造の転換を進めたアメリカ経済の基幹産業は先端技術をコアにした製造業やITや金融です。中国が担っているような産業は既に脇役です。
      ですから、貿易や金融により補完関係が成り立っており、影響が少ないのです。

      今の日中関係と比べたいならば、80年代の日米貿易摩擦時と比べればよいかと、当時の日米は商売がかなり被っていたので影響が大きかったです。

      ・経常収支
      経常収支の赤字と黒字に関しては間違いでした。すみません。

      今の経常収支は海外金融の黒字が大きいわけですね。
      で、いまだ残る貿易黒字と金融黒字が資本輸出されているわけですよね。

      しかし、いずれにしろ海外に金貸してその金利で再投資しているという構図なわけで、貿易黒字は確実に小さくなっているのですから、内需拡大がなされてない証拠にはならないと思います。

    19. 通行人 Says:

      >>壺さん
      僕は、それを「自己責任」と言い切る思想の持ち主ではないですね。これは理屈ではなく思想です。よって、思想レベルを議論しても無駄ですが。

      「寿命が尽きるまで」が長すぎると言われても、僕は雇用の流動性にはそういう側面があるという事を指摘しただけですよ。その期間を短くする方法は、壺さんが考えるべきですね。僕は、方法は無いだろうからこの事実を率直に受け入れて、市場機構に過度に頼ることなく、市場の失敗の一つとして対処すべきだと考えているわけですから。

      米の関税については長期的には撤廃しても良いと思っていますが、その長期というのが「今米作やってる老人もいつかは寿命を迎える」という長期ですね。いきなりやっても、地方経済・社会保障費負担などを考えると国民全体にとって良い事なしだと思っています。あと、米価低迷の原因の一つには、米の生産性向上の補助しているからもあると思います。
      いずれにせよ、食い物は限界効用の逓減度合いが高いものなので、需要曲線はほとんど垂直だというのが一般的な理解だと思います。←これ基本。

      そうそう。前回レスし忘れたのですが、市場が「競争環境」を維持するためにはいくつか条件があります。壺さんが良くおっしゃる情報の対称性も大事ですが、一番大事なのは「参加者のアトム性」です。僕が交渉力の問題を持ち出して「寡占化が進展している」と指摘したのは、市場は放置しておくと寡占化が進んで競争条件が失われていくかも知れないよという事を指摘したかったからです。長いレス読んでいる間に忘れてしまったw
      というわけで、競争市場の成立条件について、1つ2つだけ改善すればよいというのではなく、できたら徹底的に改善リストを作ってみてください。恐らく、現時点で完全競争に限りなく財のマーケットは、塵芥のごとく仲卸が集まり、参入退出が活発な魚市場ですね。

      宿題への指摘
      1.正解です。輸出産業は国民の実質所得を下げる事で、輸出企業の国際的な競争力は決まります。多分、技術開発とかよりずっと決定的な要因となりうるでしょう。
      そして、それが行われている間は、GDPに占める輸出の割合は増えていくんでしょうね。

      2.それでは、何故アメリカには大量のヒスパニック移民がいて不法・合法の各就労を行っているのでしょうか?あんまり表には出てきていませんが、アメリカにはITと金融しか産業が無いわけではありませんよね?

      最後に経常収支の件。商品収支はあんまり変わっていませんね。サービス収支の赤字幅がどんどん減少しているので、貿易収支全体は増加傾向です。もっとも、貿易収支は相手国の景気変動の影響の方が大きいので、結構分散が大きくなっています。

      それと海外金融の黒字というのは所得収支ですか?純粋な金融取引の収支は常にゼロ(定義により)ですので、経常収支の黒字に対応する分の資本収支赤字は、相手に対する売掛債権を持っている状態だと思う方が良いです。売り・仕入の両建て取引で相殺消去されるべきものが、片側に常に残高が残っている状態で、その分を「手形で受け取っている」みたいなイメージです。利息も手形で受け取るしかないので、いつかは財で返してもらわないと、紙切れ上の数字が増えていくだけになります。

    20. Says:

      ●通行人さん
      確かに、思想レベルで再分配を唱えられると平行線ですね。
      機会公平か、生きる権利かっつーのはどうしようもない対立軸だと思います
      ただこっち側にも意見があるので意見を述べさせてもらいます。

      恐らく平行線になるのでしょうけど、まあ自分はこんな意見です。

      ・終身雇用制度
      私は終身雇用制度には賛成できません。
      農家を死ぬまで養うと言うのであれば、そのためにその負担として高い農産物を買い続けるということです。
      ならば、道路建設業者や土建屋を養うために高い税を払ってもいいということでもあります。
      農家は保護すべきで土建屋はクビになってもいい根拠など無いと思います。
      本当に農家も土建屋も死ぬまで養う必要があるのでしょうか?

      この問題は内需の拡大と表裏一体の問題であり、これを解決せずに内需の拡大など不可能です(逆に生産者の淘汰だけ行い分配を行わなければ恐慌が起こります)。
      私は、全ての財は使われるためにあり全ての生産者は消費者のために存在するのだと思います。
      したがって、必要もない財を作っている生産者、もしくは高いコストでしか作れない生産者の経営が苦しくなるのは極めて自然なことであり、淘汰されるべきだと思います。
      生産者の進歩なくして、生活の向上も不可能なのですから。

      ・農業
      確かに食糧に対する需要曲線は、殆ど垂直です。
      これは供給価格が下がっても食糧に対する需要が殆ど増えないということです。
      しかし、食糧の価格が下がればその分の所得を他の何かに使うことが出来ます。
      食費が月1万下がれば、それは賃金が月1万上がったことに等しいです。
      これによる内需拡大効果はバカに出来ないと思います。

      また需要曲線が殆ど垂直ということは、供給価格が上がっても食糧に対する需要が殆ど減らないと言うことです。
      具体的に言えば、全食料品に消費税300%を課しても、需要量はそれほど低下しないでしょう。なんせ食わなきゃ死ぬんですから。
      だからこそ、関税で安い競合品を排除し、農産物の価格を吊り上げ続けてきたのです。これは、食わなきゃ死ぬと言う弱みに付け込んでいることです。

      しかも、そうやって農家を甘やかした結果、生産性が上がるどころか淘汰と再編を阻害することになり、致命的なほどジリ貧の状況に陥ってます。
      ちょっと前まで欧米の農家だって補助金を貰っているという話がありましたが、今のアメリカの農家は所得保障系の補助金貰ってません。対して日本の農産物市場は国際市場とかけ離れすぎているので殆ど関係なしになっています。
      これほどの追い風すら生かせないほど日本の農業は腐っているということです。そして、日本の農業を腐らせたのは終身雇用的な日本の農業政策です。
      農地という貴重な資源を農業が下手な農家に使わせることは悪です。
      日本経済にとっても日本の農業にとっても良いことでは無いと思います。

      ・経常収支
      >商品収支はあんまり変わっていませんね。サービス収支の赤字幅がどんどん減少しているので、貿易収支全体は増加傾向です。

      個人的見解ですが、

      長期的に見て
      1.GDP比では相当小さくなってる。
      2.サービスを除いた商品収支でも減少傾向にあると思います。
      商品収支が平成18年より低い年は過去22年で2度しかありません。

      短期的には
      3.ここ最近の異常な円安の影響(経済が復活したのに円安続き)
      4.そろそろ分配されるはずだった
      の2点ではないかと、いずれにしろ。
      良かれ悪しかれ、平成19年の貿易収支は相当行くでしょうが、平成20年の貿易収支は相当減ると思います。

      >金融収支
      所得収支ですね。金融だけに焦点を当てたかったのですが変な言葉使って失礼しました。

      確かに貿易黒字が原資になっているのでしょう。で投資収益を再投資しているわけですよね。そしてそれらの財は、いずれ財になって帰ってくるのでしょう。

      でもそれらを指して、内需拡大の不十分な根拠になるとは思えないのです。
      民間が消費より、海外投資した方がいいと判断しているから海外投資しているだけで、政府がどうこうする問題じゃないと思うわけです。
      まあ桁外れの外貨準備はちょっと問題かなあと思いますが、当時には当時の事情がありましたし、やはり基本的には政府がどうこういう問題じゃないのではないかと。

      宿題1
      そうですね。短期的にはまさしくそうだと思います。
      個人的には、1ドル=80円でも勝てる企業作りを目指すべきだと思います。
      安易な円安政策は、安易な関税政策と変わらないと思います。
      どちらも途上国がやるのは当然ありです。家計の消費を抑え、企業の投資を推進する国策は途上国では必須だと思います。
      しかし、先進国では生産者を無闇に助けるべきではないと思います。
      円高は国民生活の向上に欠かせないと思います。

      宿題2
      >それでは、何故アメリカには大量のヒスパニック移民がいて不法・合法の各就労を行っているのでしょうか?

      移民がそれらの仕事を担っているということは、それらの仕事が『アメリカ人の』仕事ではなくなった証拠だと思います。
      日本だって、移民を受け入れ移民価格の賃金で働かせることが出来れば、まだもう少しはやりあえるでしょう(実際そういう外人いましたし)。しかし、そんな賃金水準じゃ日本人は生活できないでしょう。
      その結果日本人の中小企業の倒産は減るかもしれません。しかし、中小企業からの失業者が大幅に増えます。安い移民労働力に押し出されるからです。
      『生産基地が日本』というだけの状態を日本の産業と呼べるでしょうか?
      そのような状況では、脇役に押しやられたと言っていいと思います。

      また、移民労働力のメインの仕事は製造業ではないと思います。
      なぜなら、製造業で作ったモノは輸入することが出来るからです。
      ならば、別に国内に工場作らないでもメキシコや中国に作ればいい話で、そっちの方がずっと安くつきます(そのためのNAFTAでしょう)。
      当然、国内だからこそ出来るスピードと小回りを生かした生産工場で雇われている移民もいるでしょう。
      しかし、多くの移民は『財のように輸入できない』サービス業に従事してると思います。

      まあ、メキシコは日本以上に中国と被っているので大変だと思います。
      能力は大体同じ、もしかしたら中国人の方が勤勉なくらいなのに、賃金は半分以下なんですからね。
      同じ外国なら、そりゃ中国選びます。それがアメリカへの移民圧力の要因になっているのだと思います。

    21. 鍋象 Says:

      いやあ、ちょっとお恥ずかしい事をまたしてしまいました。

      終身雇用問題と農業問題を同列に論じるのは相当無理があるでしょう。というか、何時の間にか農業問題に話がシフトしていますね。元々の終身雇用については、所詮制度化されていない幻想であるという点は、理解いただいていると思っています。

      さて、農業ですが、これは法人化しないと無理でしょう。僕は農業規制緩和には結構積極的な立場ですが、壺さんがムチを振るう発言が多いのに対し、僕はアメを提示する発言をしているのだと思います。北風と太陽ですねw

      宿題1)財・サービス収支に関しては、ここ10年くらい増えてきています。ここが見解の相違なんでしょうけど、円安で相対的に海外の成長が高めに出ている故に、海外の所得増加に依存する輸出が増えているのが原因だと思います。

      輸出はこちらの努力より、相手の景気の方が影響が大きいんですよ。それを無理やり増やそうと思うと、国内で相当無理をしなければならないという事です。失業率を高めにして賃金上昇を抑制するとかね。

      このような政策が、誰のための政策なのかを考えるべきだと思います。日本は政府であって、企業ではないのですから。

      2)「アメリカ人の仕事ではない」
      教育・生活習慣など同じレベルの素養をもったら、基本的にどの国の人間も同じレベルの仕事はできるはずです。移民は、本国人の社会秩序の外にいて、昔はエタ・非人と呼ばれていた人がやっていたような底辺の仕事をしていれば良いという感覚があるように聞こえてなりません。壺さんは人種差別主義者ですか?素朴な疑問です。

      というか、僕は壺さんなら「移民による不法就労問題が、産業の調整を遅らせている。規制すべきだ!」と言うのかと思っていました。やっぱり、規制自体が良くないものという感覚が先にあるのでしょうか。

    22. koge Says:

      >本当に農家も土建屋も死ぬまで養う必要があるのでしょうか?
      ある、とはっきり言えます。理由は簡単なことで、失業率が上がると犯罪率も上がり、それによる社会的損失は「無駄な」公共事業よりもよっぽど大きいからです。大陸欧州のように生活保護や失業手当で衣食は足りてても、雇用がなく社会的に排除されてれば治安が悪化するというのはフーリガンや暴動の頻発が証明してるとおりで、完全雇用でなければ精神的に「健康で文化的な最低限の生活」は保障されないと考えています。もちろんそれに加えて働けない・働かせてもらえない障害者や働かないNEET(現在の医療技術では区別できないんで)も社会的に排除されないようにする必要がありますが。

      >全ての財は使われるためにあり全ての生産者は消費者のために存在するのだと思います。
      やっぱりか…。結局のところ、「市場原理主義」でも「新自由主義」でもなくて、単なる「消費者原理主義」なんですね。日本のこーぞーかいかく派(の一部だと思いたい…)って、一皮むくとこーゆープロ市民ならぬ「プロ消費者」でしかないんですかねぇ。完全市場ではないにせよ総余剰が最大なのにそれ以上に消費者余剰をムリヤリ増やすために市場介入してるだけなんじゃないかと振り返ってみるべきだと思いますけどね。
      #労働省は吸収されて代わりに「消費者庁」なんてどこまで消費者を甘やかす気だと。
      まあ、人のことは言えませんが、正直机上の空論にしても説得力がなさすぎなんですよね。同じ流動化を主張してる人でも、
      http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20071214/p2tやhttp://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080202/ntt辺りを読むと少なくとも彼のいる世界では流動化が不可欠だと説得力があるんですよね。まだ学生なんで仕方ない面もあるでしょうが、彼ほど極めなくてもバイトや派遣でも3、4年同じ業界で働けばどの業界でもある程度のことは理解できるんですから、せめてそのくらい現場を知ってから…って、現場を知ってるはずなのにアレな発言ばかりな奴は官民ともに多いよなOTL

    23. Says:

      こちらに統一させてもらいますね
      遅くなりました。すみません。
      短くしようと努力しましたが、これ以上は無理でした。すみません。

      ・農業
      日本の農家は農協という半国営企業の労働者って言う形に近いと思うので、終身雇用の例として当てはまると思います。
      (昔は国が米買い取ってたわけですし、今でも国家の保護の下農協で生産調整して農協の言い値で米を売っているわけですし)

      ちなみに私は、何よりも市場で競争させるべきだと思います。
      個人でもやれるなら個人でもいいです。農協が中心になるなら農協が中心になってもいいです。法人でやりたいなら法人でやればいいです。
      要は『法人でやりたい人』の邪魔をするなと思うわけです。
      しぶしぶ、認めつつも税や補助金や規制や農地で邪魔をするのも駄目です。
      公正な条件で競争して、負ければ退場して勝てば拡大すればいいのだと思います。
      市場では最小のコストで最大の付加価値を与えた生産者が生き残るのですから、いい悪いは個人や政府ではなく、市場(国民の売買)で決めればいいと思います。

      ・宿題1 円安と輸出
      >輸出はこちらの努力より、相手の景気の方が影響が大きいんですよ。
      質問は円安なのに輸出企業が儲かっている理由は?という話だった気がするのですが。
      まあ、為替をなしで考えると輸出の伸びは「相手国の景気が大きい」というのは、それなりに同意できます。

      長期的には生産性でしょうが、短期的には相手国だと思います。
      長期では供給が、短期では需要が重要なのは、国内経済でも国際経済でも変わりないでしょう。
      ただ、回復途中の不況期に純輸出が伸びるのは(貿易赤字国の場合赤字が減る)のは、古今東西の国々でよく見られることですから、目くじら立てるのもおかしいです。
      で、去年一昨年の貿易・サービス収支はそれほど高すぎたとは思いません。円安の影響を考えればこんなもんだと思います。
      長期的に見て特にGDP比で見れば相当小さくなっているかと、そして今年は円高とサブプライムの影響で相当小さくなるでしょう。

      賃金を下げるために失業率を高止まりにしたという批判は違うと思います。
      政府は失業者を下げるために相応の努力(公共事業など)をしていたでしょう。
      賃金を下げるための政策に該当するとしたら、何時だったかにやった為替の円安政策です。

      本質的問題として、企業が傾いているのに、企業が労働者をクビに出来ない制度はおかしいです。
      本来そこは、需要と供給で決める問題であり、労使間の権力の格差を埋めるために労働者にハンデが必要だとしても、硬直的な権力による規制で決めるものではないと思います。
      権力で失業者を増やす減らすという考え方自体がちょっと統制的だと思います。

      ・宿題2 移民
      人種差別云々ではなく現実で行われている需要と供給の問題です。
      時給7ドルでゴミアサリなど生粋のアメリカ人にはなかなか出来ないでしょう。アメリカ人の場合そんな仕事をやるくらいなら失業者のままでいいと判断してしまうのだと思います。しかし移民なら出来るのです。なぜなら本国で働くよりマシだからです。
      このように安い賃金でつらい仕事をしてくれるから移民労働力は企業の雇用需要を刺激しているのだと思います。

      このように、移民はアメリカで働くことで利益を得ることができるからアメリカで働いており、企業も移民を雇うことで利益を得ることが出来るから雇っているだけです。
      両者が納得しているから契約(取引)が成立しているのです。

      これは両者合意の上で契約がなされているのだから、この個々人の判断は尊重するべきで、第三者の勝手な価値観でとやかく言う問題ではないです。
      まあ不法移民の場合は外部経済に悪い影響がある可能性があるので、そこは別に語るべきでしょうが、条件云々については他人が口出すことではないかと。

      >移民による不法就労問題が、産業の調整を遅らせている。規制すべきだ!

      私は割りと移民容認派です。というか自由主義系の人は大抵移民受け入れ派ですよ。
      この人口減少社会の中で、移民にも出来る仕事は移民にやってもらえばいいのです。
      具体的には、看護士や介護スタッフが足りてないならフィリピンから来てもらえばいいと思います。

      また、移民が入れば産業調整は進むと思います。
      企業は高い日本人ではなく安い移民を雇うからです。失業した日本人は別の仕事につくことを余儀なくされるでしょう。
      付加価値の低い産業は中国からの輸入で済ませろという意見と、移民で済ませろという意見は、生産拠点が国内か国外かというだけで殆ど変わりません。
      まあ、介護医療の分野では供給過少を補うために入れるわけですから、失業者は生まれないと思います。
      ただし、ルールに則ってやるべきというのが自由主義者の論ですから、『不法』ではなく『合法』な形で移民が入れの枠組みを作るべきだと思います。

      ちなみに、上でいう移民は不法移民などの単純労働を担う移民です。
      例え、途上国出身者だとしても、アメリカのエリート並みの能力があれば働き口はいくらでもあるでしょう。
      中南米出身のメジャーリーガーは中南米出身だからといって、給与面で差別されているわけではありません。

      ・ホワイトカラー、農家、中小の雇用の流動性
      法的な雇用の流動性が必要なのはホワイトカラー(技術者含む)ですね。
      先進国の新たな産業を担えるのはホワイトカラーしかないと思います。まあ、単純労働者に代わる雇用を担うのはサービス業だと思いますが、新たな産業で所得を稼いでこそ、その所得がサービス業にも波及されるのだと思います。

      また、農地規制も農家の流動性を悪くしているので対処は必要でしょう。
      他国が政治問題として一生懸命取り組んでいた最中日本は安直な所得政策に逃げて、事実上『死ぬまで面倒見た』のだと思います。
      ですから、農家の高齢化状態は後継者不足と考えるより人員整理(リストラ)のチャンスと考えたほうが妥当だと思います。
      今の世代の面倒を見たからといって次の世代の面倒を見る必要はないでしょう。

      食料自給率については、保護しつつも淘汰と競争を続けてきた外国と、保護一辺倒だった日本の、食料自給率の推移を比べれば今までの政策に食料自給率維持に効果があったとは思えません。今は千載一遇のチャンスなのですから、方針を転換するべきです。
      農業が衰退したのは儲からないからです。何故儲からないかというと狭い土地に過剰な人員を抱えているからです。いい加減世界標準の政策すなわち淘汰と再編を行うべきです。

      中小零細の流動性が悪いのは、事業者の意地や失業に対する不安の部分が大きく、法的問題ではないと思います。
      後者についてはセーフティネットや雇用慣行を変えることで緩和されるかもしれませんが、前者については個人の心情ですから仕方ないです。
      ここを権力で無理やり職を奪えと言っているのではないです。その意地が逆転のバネになることだってありえますし、その仕事を続けたいなら続ければいいのです。
      しかし、逆に経営が苦しい中小を所得保障で助ける必要もないです。
      デフレ不況最盛期ならともかく、今淘汰されている企業は潰れるべくして潰れているだけだというのが持論です。

      ・産業構造と雇用調整
      つまり、今の中小の倒産や廃業は市場の調整なのだから、その流れに任せなさいという意見です。
      高度経済成長期(当時は理想的なリフレ状態だったでしょう)から表面化した日本の農業問題の調整が遅れている原因は二つです。一つは農業の規制が激しかったこと、もう一つは政府の所得保障により淘汰されるべき農家が生き延びたからです。
      当時から日本市場は『日本に農家はこんなに必要ない』というメッセージを出し続けていたのです。それを税金によって無理やり食わせていたから、今の日本の農業はおかしくなったのです。
      そして今日本市場は『中小製造業はこんなに必要ない』と言っているのです。
      ですから、政府が淘汰する必要もないけど、政府が助ける必要もないと思います。
      (まあ設備投資の資金を低利で貸すくらいはいいと思いますが)

      当然、所得支援ではなく経営支援とかならありだと思います。技術があっても経営や営業が下手で潰れるってのはもったいないですからね。
      しかし、技術も経営も営業も駄目な中小は退場してもらうべきです。そしてそんな企業は今の日本にも沢山あります。

      ・デフレとサプライ政策と日本経済
      >デフレは貨幣的現象で、日銀の政策が問題です。決して中国との企業競争に負けてデフレになってるわけではないです。

      まあその点については賛同します。金融政策の影響も大きいでしょう。何故デフレ脱却前に利上げしたのかは疑問に思います。
      そして、個人的には、給料や債券やその他全般の価格は上昇バイアスがかかっているリフレの方が色々都合がいいと思います。

      ただし、物価は貨幣と財(労働力)のバランスによって決まるのですから、財(労働力)が大きく変化すれば物価が変動することもあるでしょう。
      ですから、規制によって既得権益者を保護すると物価が上がるのも確かだと思います。そしてそれを止めれば物価が下がるというのも事実だと思います。
      今まで規制によって保護されていた商店街で120円で売られていた物が、ダイエーで100円に売られるようになったりした影響もあると思います。
      だから、安い輸入品の流入や大型流通の参入によって中小企業や商店街がばたばた潰れて、失業率が上がってデフレになっても実質経済成長率はそれほど下がっていないのではないかと思います。
      もっと極論すれば、日本の関税を70年代のアメリカ並みに引き上げれば、物価も多少は上がり雇用は回復すると思います。しかし実質経済成長率は下がると思います。

      ・まとめ
      今の日本は、当時の英米のほどなんもかんも悪いというわけではないと思います。
      しかし、国家に保護されていた農業や中小企業や流通(商店街など)などには当時の英米と似たようなところがあると思います。
      (今の米の価格は国際水準と比べかなり高いのでインフレ的といえるのではないかと)
      また、関税の引き下げや貿易ルールの取り決めなどで貿易が盛んな現在生産性の不効率は消費者にダメージが行くインフレよりも、生産者にダメージが来るデフレになるのではないかと思います。
      しかしデフレは、一方で苦しむ生産者(労働者含む)がいるのに対し、一方で助かっている消費者もいるわけです(インフレで生産者が助かるのに対し、消費者が苦しみのと逆の構図です)。
      ですから、中国の例で言えば、日本の下請け製造業が中国の下請け製造業に負けただけです。日本経済が中国経済に負けたのではありません。日本経済自身には中国経済は間違いなく+です。

      日本経済の行き詰っている原因は当時の英米と同じく経済の硬直化であり、必要なことは産業構造の転換だと思います。
      転換をスムーズにするためには雇用の流動性が必要だと思います。
      ただし、経済構造の転換には時間がかかると思います。
      アメリカですら20年くらいかかったわけですから、日本だってあと20年くらいかかっても仕方ないかと思います。しかし20年かかっても調整させるしかないと思います。
      その為には今の中小の淘汰は必要なことであり仕方ないことだと思います。

      あと、毒餃子が日本企業サイドの問題とはどういうことなのか、教えてください。裏情報とか聞けたらうれしいです。

      ・金融
      >一方、金融の話だとインチキする奴が儲かるのが、市場原理主義なわけです。

      そういうのは、市場原理の敵です。
      そういうことをさせないために、規制や情報の透明性や流動性や市場の厚み、つまり完全市場が必要なのです。

      >日本より圧倒的に市場の透明性が低いBRICsの証券市場の方がインチキがまかり通る分、お金が集まるわけです。

      これは違います。
      途上国は資本過少だから資本の価値が高いので高いリターンが見込めるから投資されているわけです。

      また、途上国市場はベンチャー市場のようなものなので、環境問題や透明性にコストをかけられないのは仕方ないです。
      今の日本みたいにベンチャーにも大企業にも同じ基準で透明性を求めるのは不効率です。
      ベンチャーにはそれなりのハンデがあってしかるべきです。
      特に高度成長期ってのは生産資源を動員すれば、大抵儲かるので情報の透明性の優先順位も下がると思います。
      正し日本のように国内の金を使うのではなく、海外から金を集めるには海外の人にも情報を開示させる必要があるので情報の透明性は当時の日本よりは高いでしょう。

      ですから、中国では日本が導入してない国際標準の会計基準導入していますし、会計士は日本の10倍いて、毎年日本の会計士の総数に匹敵する会計士が誕生しているそうです。
      そのため、中国企業は一部では日本以上に透明性が高いところもなくはないですし、少なくとも高度成長期の日本よりは透明性高いと思います。

      >経済成長率以上の期待収益は得られないことくらい常識じゃないでしょうか。

      その通りですし、それを目指すのが完全市場です。
      対して、インチキで儲けた場合、必ず誰かが損をします。そして市場参加者もそのことを知っており、モラルハザードが発生するので全体のパイは小さくなるのです。善良な投資家が寄り付かないような市場に未来はありません。
      ですから、インチキ市場で5人が25%の儲け、5人が15%損をするより、完全市場で皆5%儲けてくれた方がいいのです。
      そして新たな市場参加者が市場を選ぶ時、前者の期待利回り5%の市場(実際はインチキをするためのコストがかかるので利回りが下がります)と、後者の利回り5%が保障された市場どちらを選ぶかと言う話です。
      その結果将来性のある企業は資金調達が容易かつ安価になり成長は早くなります。5%だった経済成長率が6%になり得るわけです。

      金融は経済の発展に無くてはならない尊い仕事です。
      完全市場を作るということは、金融をその本来の仕事に徹させるということです。

      >日本の株式市場の暴落がいつも他国と比較して激しいのは、日本市場の透明性の表れだと僕はひそかに思っています。

      外資の撤退や株価の下落は、参議院後から続いていることで今に始まったことではないです。
      政治の混乱と改革の後退、役所の裁量的かつ独善的な行政処分、相次ぐ買収防衛作の導入と度重なるTOB失敗(特にブルドック判決の影響)などで明らかになった日本経済の保守性などが大きいのだと思います。
      日本市場に外資が幻滅していると言うのが現状かと、こうやって日本企業の技術が中国や中東に安く買い叩かれるのかと思うと悲しくなります。

      ・kogeさん
      通行人さん=kogaさん?それとも飛び入りですかね?

      >ある、とはっきり言えます。理由は簡単なことで(略)
      それにかかる所得※、産業構造の硬直化などの負の外部効果を考えると、割に合わないと私は思います。
      日本国内で炭鉱業を止めたのと同じように、雇用問題を含んだ構造調整は必要だと私は思います。
      まあ結構思想問題ですから、あると言い切られてはしょうがないですけどね。


      税金と書かなかったのは、税や補助金や公共工事だけではなく関税や規制によって所得移転を起こすことも出来るからです。

      >消費者原理主義
      うーむまあ、繋がってるから理論突き詰めるとそうなりますね。
      自由主義であり市場主義であり消費者主義です。
      前二つは殆ど同じ意味(構造改革≒自由的・市場的じゃない制度を自由的・市場的に変えること)ですが、後者はちょっと違うんですよね。
      人は何のために作っているかと言えば使うために作っているわけで、それを最大化するには前二つが一番だという論理形成なんですね。(恐らく)
      あと、経済を形作ってるのは消費者ではなく生産者なので、生産者に改善を促した方が効果的だというのもあるのかな?生産者は苦しい状況を自らの知恵で改善出来るけど、消費者を苛めても消費者はただ耐えるしか出来ませんからね。

      >総余剰が最大なのにそれ以上に消費者余剰をムリヤリ増やすために市場介入してるだけなんじゃないかと振り返ってみるべきだと思いますけどね。

      これは、内需拡大と正反対で新しいツッコミですね。まあ終身雇用と生産者保護を歌うならこっちの方が論理一貫してますね。
      でも実際問題として、人は給料が上がらないだけで『企業一人勝ち』とかいわれたり、地方の人だって50年前よりは遥かにいい暮らししているのに都市より低いというだけで『格差』というわけだし、レーガン時代のアメリカも、サッチャー時代のイギリスも、バブル後の日本も停滞していただけで所得が下がっていたわけでもないのに、鬱積していたわけで『進歩・拡大を続けざるを得ない』のが人と人類社会のサガだと思います。
      特に国際経済が激烈な競争をしている今のグローバル経済では、停滞していれば追い抜かれるわけで…その屈辱と他国の発展による材料高などは耐えられるものではないと思います。

      後、現場至上主義には賛同できない部分があります。
      農村の農家に、世界や日本の農業の行く末を語ることができるでしょうか?
      土建屋のアンちゃんに、日本の土建業の行く末を語ることが出来るでしょうか?
      炭鉱の鉱夫に、世界の石炭事情とエネルギー問題の行く末を語ることができるでしょうか?
      彼らは実務の専門家であり、経済や経営や政治の専門家ではありません。大局的視野も公平な視点(彼らは最も緊密な利害関係者です)も欠けていることも多いと思います。
      そこにある情報は非常に貴重なものですが、現場の人間の判断が全て正しいのであれば経営者や政治家など必要ないでしょう。

      ただ、リンク先の話は面白かったです。
      日本はITって言う新しい技術を高度経済成長期の時と同じノリ使っているように見えます。新しい技術を使うなら使い方も帰るべきなんだと思うんですよね。
      まあ、こういう声を生かすためにも国があれをしろ、それはするな、というのはなるべくやるべきではないと思います。最低限しては駄目なこと決めて、後は政府は民間の下働きをやってればいいと思います。
      政府が旗振って、これをやれ、あれをやれというのは、最低限度のものだけにしておくべきだと思います。
      まあ日本の民間だって、三角合併の時の反対や、買収防衛作の導入(一方で弱い部門に規制緩和しろといっておきつつ、一方で自分より強い外資参入には規制しろですからね)や、ブルドックの事例や、リンク先の記事などを見てもかなり駄目駄目ですけど、それに政府が関わるよりはマシだと思います。

    24. Says:

      追記
      デフレについて、今の状況は分配が足りてないからデフレから脱却できないという面も若干あると思います。
      ただそれについても、日本は終身雇用という制度を敷いている以上、企業が容易な分配が難しいのも事実だと思います。

      アメリカみたいに二期連続業績が悪かっただけで簡単にリストラで切る国でしたら簡単に賃上げしたり、新規採用を増やしたり出来るでしょう。
      しかし、日本は企業が簡単に解雇できない以上、人を雇用することのリスクが大きいのですから、賃上げするのは難しいですし、人を増やすのは更に難しいのだと思います。
      終身雇用と社畜は表裏一体だったのだと思います。
      残業させるくらいなら人を増やせと言いづらいわけですね。
      だって、人を増やしたら減らす時大変ですから、ならば少ない人数で残業させた方がいいとなるのでしょう。
      賃上げについても、賃上げしたはいいけど売り上げが下がれば一人当たりの賃金が高いコスト高を人をやらすことによって解消できないので、慎重になるのも当然でしょう。

      終身雇用は迅速な対応よりも安定を重視しているわけですし、雇用は安定、分配は迅速にとは行かないでしょう。
      ですから、終身雇用制の下では分配が遅れるのはどうしようもない面もあると思います。

    25. 鍋象 Says:

      ごめん。長すぎて読めないorz

      たぶん、壷さんの主張は、下に引用する1行で終わりだと思います。
      >ちなみに私は、何よりも市場で競争させるべきだと思います。
      これは個人的な主義に属する事で、壷さんがこの部分に疑いを持たない限り、たぶん議論は進みませんね。

      例えば、下記のような事を指摘しても、壷さんは絶対に「そんな事はない。競争を推し進めればもっと良くなると僕は考える。」という主張をして変化ないでしょう。

      以下2点だけ。

      その1)ダイエーの件。
      ダイエーが安価に提供できたのは、買い手独占を活用したからであって、これは自由競争の阻害要因のひとつです。そして、その買い手独占は短期的にしか成立できず、売り手側の「より高く買ってくれる人に、高く売れる商品を売る」競争を生じ、ダイエー店舗に売れ線商品がなくなった事で最終的にダイエーは競争に敗れました。

      その2)毒餃子の件
      僕は、いまだに殺虫剤の混入事故であって、悪意のある個人による事件だとは思っていません。報道に載っている情報しかありませんので状況証拠的にしかいえませんが、個人的にはかなり確信しています。
      日本国内のサプライヤーであるJTフーズが、安価な商品を開発する目的で品質に関する問題に目をつぶった(あるいは、素人ゆえにリスクに気づかなかった)のだと思っています。この手の商品では、消費者は品質に関する情報は、価格ではなく企業や販売店のブランドに依存していると思います。つまり、ここに情報の非対象性があります。

    26. Says:

      長文すみませんでした。
      レスが遅れた原因の一つがあの長文で、どうしたもんかと・・・色々手を尽くしたつもりですが、それでもあれが限界でした。
      すみません。

      ・市場競争について
      市場経済は完璧ではなく、競争に一定のルールが必要なことは事実です。
      マイクロソフトのような独占企業が生まれてしまうと影響力が権力化するので好ましくないですし、短期利益に目がくらんで詐欺紛いの商法をのさばらせても良くないでしょう。
      しかし、それでも市場競争ほど的確に生産者の取捨選択を行う手段は存在しないのです。なんせ市場競争の勝者は、国民に支持された結果勝者になったのですから。

      ・ダイエー
      >ダイエーが安価に提供できたのは、買い手独占を活用したからであって、これは自由競争の阻害要因のひとつです。

      これはそれまで生産者側の力が強すぎたと見る方が妥当だと思います。
      それだけ値下げしてもメーカーは利益を上げられているわけですから、今まで取りすぎだったというわけです。過剰な利潤が存在していれば、それらの業界に新規参入が生まれるのは市場の摂理です。
      つまり、それまでは弱い流通と強いメーカーの力関係だったのが、強い流通と強いメーカーになったというだけです。

      もう一つ、大型流通と商店街制の生産性の差も大きいと思います。
      商店街制と大型流通の生産性には隔絶した格差があるでしょう。一人当たりの売り場面積(多様性)や売上高の高さ(生産性)、一商品ごとの物流コストや会計コストの低さ(生産性)などです。

      つまり、商店街の店主の進めるモノを商店街の価格で買うだけだった時代から、消費者が自分で選ぶ時代になったと見るべきだと思います。
      そして、その結果物価の下落と商品の多様性を得た消費者は内需の拡大を謳歌することが出来たわけですし、大型流通は大量の雇用を生みましたし、不当利得を得られなくなったメーカーは更なる企業努力を積むようになったと見るべきです。

      経済は決してゼロサムではありません。誰かの得は誰かの損ではないのです。消費者と大型流通が得た利益は、メーカーと商店街が失った利益よりも多かったはずです。

      ・毒餃子
      >僕は、いまだに殺虫剤の混入事故であって、悪意のある個人による事件だとは思っていません。

      中国では以前にも露店の肉まんに殺鼠剤が混ぜられた事件がありました。今回もそれと同じ悪意ある個人が故意に混入した事件だと思います。
      これは一種のテロと同じであり、今回の事件もある程度仕方なかったと思います。
      そういうことを躊躇いなくやってしまう中国人の文化はリスク要因だと思いますが、品質管理に対して手落ちがあったとは思いません。

      日本側に手落ちがあったとすれば、被害者が出てから対処するまでかなりのタイムラグがあったことだけだと思います。

      また、私は今回のようなことを含めて市場競争だと思います。リスクを管理するのも競争のうちだからです。消費者が今回のことで中国製品が危ないと判断するならば、中国製品を買わなければいいだけです。リスクとコストをバランスをどうするか判断するのも結局は消費者です。
      私個人としては、安い中国産の冷凍食品がなくなるのは非常に困るので、今回の騒乱をどうにかして生き残って欲しいと願っています。

    27. Says:

      下手の横槍ではなく、単なる独り言として、コメントさせて頂きます。
      国にはそれぞれピラミッドがあり、上の冨裕階級は、下で多くの支えている低所得者階級が必要です。
      それが、世界のピラミッドになると、こんがらがるのです。
      数学的には、いろんな水槽が何処かで繋がっていると例えましょうか…
      法律では、基本的人権を保障する自国、戦争放棄の憲法、ピラミッドの中間を浮遊する多数の労働者が、安全と安定による、情報収集の埋勃で落ち着く現状と、私は思います。
      変化のない現代に、変化を産み出す事件から戦争に至るまで、見守るしかない、しがない一国民であることが、時々はがゆくなる、私です。

    28. koge Says:

      なんかもうここまで開き直られると、論理で説得できそうにないんで感情に任せて書き殴りますが…
      そもそも新自由主義とか市場原理主義というなら、生産者側を利してる規制だけでなく、現在消費者側を利してる規制も撤廃して市場にゆだねるべきでしょう。そういう考えを主張してる人は(米国の学者に多いですが)まだわかりますが、必ずしも不要な規制ばかりではないなんてこっち側にすり寄ってくるのは、たいがい生産者を利してる規制だけを緩和して消費者を利してる規制は維持しようという輩ばっかりなんですよね。
      そもそも売り手と買い手というのは、消費者(買い手)と企業(売り手)にしろ企業(買い手)と労働者(売り手)にしろ少々の売り手独占じゃ対抗できないくらい買い手が有利なのが常なのではないでしょうか?売り手独占の市場であっても、買い手側の行動で需要曲線を変化させて、売り手の利益を減少させることはそう難しくありません。なぜなら、買い手が持っている貨幣は売り手の持っているモノや労働・サービスに比べはるかに汎用性や貯蔵性が高く、よほどのハイパーインフレにならない限り貨幣を持っているほうが優位だからです(たぶん経済学的にちゃんとした主張ではなく、ひょっとしたらこの国の文化に由来してるものなのかもしれませんが)。
      ですから、私は買い手よりも売り手の力のほうが強い社会のほうが、現状よりはまだマシだと考えています。そうすると経営者や資本家の利益が減って他国へ逃げ出すという反論もありますが、今右(消費者)から来た要求を左(労働者)に受け流してるだけなのが逆に左から来た要求を右へ受け流すだけになる程度のことで、取り分は変わらないですし。
      正直学生やマスコミ・学者(教員ではなく)といった一度も生産者の立場に立ったことのない人間がとにかく消費者にもっと利益をと主張してるのを見ると、もうイタいとしか思えないんですよ。消費者の利益の陰でどれだけの生産者が苦しんでいるのかを実際に体験したうえで、それでも消費者の利益を追求したほうが公平な資源配分が達成されるというのであればもう何も言えませんが…
      それだけではなく、論理的にもわからないところが多くあります。
      >経済を形作ってるのは消費者ではなく生産者
      なのであれば、むしろ生産者を優遇するのが当然ではないでしょうか?それなのに消費者のほうを優遇することは、生産から逃げ出して消費しかしないフリーライダーをどんどん増やすことになり大きな社会的損失でしょう(実際今の労働現場はむしろ「逃げ出さないほうがおかしい」状態なところが多く、それで「医療崩壊」のようなえらい目になってるんですが。)。また、
      >現場至上主義には賛同できない部分があります。
      ともいいますが、それ自体には確かに幾分かの理はあるでしょう。しかし、そもそも市場原理主義というのは市場という現場で、売り手と買い手という利害関係者たちの動きによってすべてを決めてしまおうというものなのではないでしょうか?「大局的視野」「公平な視点」というのは、むしろ計画経済に近いものなのではないでしょうか?正直矛盾としか思えません。

    29. Says:

      長くなりましたが、きちんと正確に説明しないと揚げ足取られるのでこれ以上削れませんでした。

      総論
      ・自由こそが公平であり、先進国においては自由な活動(市場経済)こそが正しい結論を導き出す最も有効な手段です。
      なぜならば、自由な市場経済の下では一番成果を出した人が一番評価されるからです。
      ・生産者は少数の組織であり、消費者は少数の個人である。これは変えようのない現実。したがって、多数の個人なので弱い立場にある消費者にはハンデが必要。
      ・生産の効率化は生産者のためにも消費者のためにもなる。逆に言えば生産の非効率は生産者のためにもならない。今生産者が安月給でこき使われているのは生産が非効率だから。
      ・70年代の古いシステムにしがみついてもジリ貧になるだけです。
      ・計画経済などでは、実際に決めるのは政府の官僚。従って公平でも大局的でもない。

      ・自由主義と規制
      何度も何度も繰り返しますが、自由主義者は全ての規制を反対しているのではありません。
      当たり前の話ですが、個々人が自由を謳歌するためには、ルールが必要です。
      なぜならば、あるプレイヤーの悪質な活動によって他のプレイヤーの自由が侵害されることがあるからです。
      したがって、自由主義者は必要な規制は厳正に対処するべきだという立場です。自由主義者は、マクロ系の裁量主義者よりもずっと強く、市場にルールを導入することを求めています。

      例:消費者を守るために規制が必要な理由
      消費者を守るための規制が必要な理由は消費者は主に個人であり、個々人には情報を分析したり交渉したりする能力が弱いのでハンデが必要だからです。
      ですから、実際に情報を収集分析する能力を持つ生産者にその管理と責任が任せられているのです。
      また、実際に財やサービスを供給し経済を作り上げているのは生産者であり、消費者には『選ぶ』ことしかできないので、業界全体としての問題に対しては生産者に改善を求めた方が効果的だからです。

      ただし、ルールの導入に際しては一定の基準の下での一律なルールを求めています。『先に居ただけの生産者』を保護するための、参入障壁となる規制は自由主義の敵です。

      ・買い手と売り手の行動による力関係
      消費者が一丸となることが出来るなら、短期的には買い手が有利です。短期の動向は需要側の都合によって決定されます。
      しかし、消費者が一丸となることはできません。なぜなら消費者は個人なので、情報を分析する能力が弱く、さらにプレイヤーがあまりにも多いからです。したがって、消費者はプライステイカーにならざるを得ません。(まあ最近はマスコミ報道に煽られて突発的に一丸になることもありますが)
      また、短期的には需要側の都合によって決定されることが事実でも、長期的には供給側の都合で決定されます。いくら消費者が一丸となって無理を言っても、採算が合わなければ供給側は応えることは出来ないからです。

      kogeさんの業界が何かは知りませんのでなんともいえません。まあ、日本のクレーマーは性質が悪いらしいですからね。私人として消費者として、甘やかされて自惚れている面もかなりあると思います。
      まあ、昨今の事例で無闇に生産者を叩けば、それは必ず消費者に返ってくると言うことを学ぶことになると思います。

      ・現場と理論
      経済原理に基づかない経済活動していれば、効率が悪いんですから、安い給料でこき使われるのは当然です。
      報酬とは成果や貢献の対価として与えられるもので、努力や労働の対価として与えられるものではありません。
      苦労していようが、楽してようが関係ないでしょう。重要なのは、社会に対してどれだけ貢献したのか、ただ一点です。

      日本の炭鉱が閉山されたのは、工夫の賃金が一般水準と比べ高すぎたわけでも、工夫がサボっていたからでもありません。彼らは安い賃金で一生懸命働いていたのでしょう。
      炭鉱が閉山したのは、日本のような人件費の高い国の露天掘りも出来ない小さい鉱山で採掘することが合理的ではなかったからです。

      そして、当時の工夫たちに今後の石炭政策について意見を聞けば間違いなく現状維持だったでしょう。
      現場の情報は大事ですが、現場の人間は最大の利害関係者なのですから、組織設計や経営戦略は企業全体の利益を考えられるトップの経営者が考えるべき問題です。
      そして合理的な経営を行うことは生産者にとっても消費者にとっても+になることです。
      念押しすると、非合理な経営を行えば生産者にも消費者にも-になるということです。

      ・反構造改革の人への意見
      構造改革を反対してないといいながら、無条件的に生産者保護を唱える時点で、構造改革を理解していないです。
      構造改革を批判するのでしたら、その前にもう少し構造改革を勉強してくださると助かります。

      もう一つ、反構造改革派は、いつも日本独自の制度や文化がどうしたこうしたといいますが、日本独自の制度や文化が上手く機能していたのは、バブル経済前の前、1970年〜せいぜい80年代前半までの話です。
      それからの日本はその頃に稼いだアドバンテージで食べているようなものでしょう。
      そして、70年代のシステムでは上手く行かなくなったから行き詰まったわけだし、70年代の日本に戻ることなんて不可能です。
      我々がいまさら社畜として週48時間+残業+サービス残業+居酒屋でノミニケーションなど絶対に出来ません。また、今の経済はそのような物量的労働では成果を上げられなくなってきてもいます。
      ですから、20年30年前の古臭いシステムにしがみつくよりも、もっと前を見るべきでしょう。

      ・後はこまごまとした補足
      >むしろ生産者を優遇するのが当然ではないでしょうか?
      ですから、途上国ではまず生産者が税・為替・補助金・規制などで徹底的に優遇されます。
      途上国では何よりも強力な生産者を作り上げることが必要とされるからです。

      しかし、先進国の生産者は権力で保護しても効果が少ないのです。
      なぜなら量や規模の拡大を求められる途上国の生産者と違い、十分な規模と量を得た先進国の生産者が次に必要とするのは質の向上と労働者の削減を伴う生産性の拡大です。
      これは権力で保護しても伸びるものではなく、むしろ権力で保護することで生産者は身を削る改革を止めてしまうからです。
      ですから、先進国の生産者には、市場競争と消費者の圧力の下で自己改善や社会貢献を求められるのです。

      >売り手と買い手という利害関係者たちの動きによってすべてを決めてしまおうというものなのではないでしょうか?
      >「大局的視野」「公平な視点」というのは、むしろ計画経済に近いものなのではないでしょうか?正直矛盾としか思えません。

      まず、企業内での雇用制度と労務設計の話と、市場での競争の話は若干違います。混ぜて語られると混乱するので少し整理します。

      まず最も重要なのは、何をするにしても論理的科学的合理性が必要だということです。

      そして、日本の雇用制度や労務設計は、経済構造的にも個々の企業活動的にも、好ましくないと思います。そして、労務設計は現場の人間ではなく、もっと高い立場にいる経営者などが俯瞰的に行うことです(だから企業には経営者が必要なのです)。
      まあ、これは今回の議論の対象ではなかったのでこれで終わりにします。

      次に、自由主義が市場での『売り手と買い手が決める』というの正しいです。
      現在の経済は広大かつ複雑怪奇で、『市場』が担う部分を代わりに『政府』が大局的視野を持つことは不可能です。
      20年前に、何千とある業種の中でコンピューター業界がこれだけ伸びることを、パソコンがこれだけ普及することを予測していた人が、携帯電話を一人一台持つようになり、それがモバイルパソコン兼財布として使われるようになることを予測していた人が、どれだけいたでしょうか?

      いずれも、政府の計画ではなく、市場による試行錯誤を経て生まれた結果です。
      このように、政府が一々各業界に対してそのような判別をするのは不可能です。したがって個々の企業のビジョン同士を戦わせて、決めるしかないのです。

      もう少し詳しく説明すると、市場は個々人の自由な意思によって形成されているのです。
      そして、市場競争の下では、生産者は市場競争での勝者が行います。
      市場で勝つというのはモノを売るということです。
      モノを売るということは買う人がいるということです。
      モノを買うということは、買った人はそのモノに値段以上の価値があると認めているからです。
      このように、市場での勝者は個々人の自由な判断の下で沢山の人に沢山の価値を提供していると認められたから勝者になったのです。
      これ以上に『実力本位で公平』な決め方は今のところ存在していません。
      つまり、土建屋のアンちゃんが日本と世界の土木産業の行く末を語ることは無理でも、ゼネコンの社長ならばある程度語ることが出来るということです。そしてそのビジョンが正しければ企業は栄えますし、間違っていれば潰れるだけです。

      対して、計画経済などでは『誰が生産者になるか』を『政府が決める』ということです。もっと言えば、官僚が机の上で決めるということです。
      したがって、公平ではありません。
      そして、現在の経済活動は、先のことなど誰も分からないのですから手当たり次第に挑戦するしかないのです。そのようなことは間違うことのできない政府にはできません、間違えることの出来る民間の自由な挑戦・競争に任せるべきです。
      したがって、政府という一組織の見方を絶対視する計画経済は大局的でもありません。政府に正しい判断が可能だという考えが現実離れしているからです。

      政府や官僚を過剰に信頼しても、彼らには信頼に応える能力はありません。

    30. koge Says:

      えーと、市場原理主義とか、構造改革原理主義とか以前の問題ですね。役人叩きはまあこんなもんでしょうが、現場で働く者への蔑視がそれ以上にひどすぎやしませんか?そして経営者だけを「大局的で公平」だと異常な賛美。経営者が官僚化して潰れた企業なんて山ほどあるんですけどね…。正直歪んだエリート主義だとしか思えません。こんなんでこれから社会の現場に出てどうなるんだと老婆心ながら心配してしまいます。もう経営」として働くことが決まってるんなら余計なお世話ですが。
      最近別のサイトでもマッチョ談義が流行っていますが、こういうこーぞーかいかく系の人って、エリート至上主義を通り過ぎて淘汰主義を隠さない人が多いんですよね。そりゃまあ人類全体、あるいはこの星の生態系全体の生き残りのためにはそのほうが正しいのかもしれませんが、その中では生き残れる可能性が0に近い私や私に近い人にとっては、それがエゴに過ぎないことを十分わかっていても反対せざるを得ません。というか、たとえ世界で3番目になったとしても生き残れる定員が2名ならば淘汰される側に入るわけですから、正直自分が淘汰される側になることを全く考えてない能天気な意見は滑稽を通り過ぎて哀れとしか思えませんね。
      まあそれでも、消費者でありかつ労働者か経営者でもある人が、消費者としての自分と労働者あるいは経営者としての自分の損得を天秤にかけて、それでも消費者を優遇すべきだというのであればそれこそ「自己責任」ですが、消費者の経験しかない輩が何を言っても全く響かないんですよね。3,4年現場でもまれてから来やがれとしか言いようがないです。そうしたら私みたいにhttp://wiredvision.jp/blog/fujii/200803/200803031030.htmlみたいな消費者が寛容な社会がうらやましいと泣き言を言うようになる…なんてことはないんでしょうが。

      ついでに上げ足も取っておきますね。
      >当たり前の話ですが、個々人が自由を謳歌するためには、ルールが必要です。
      そのルールの作りが、あまりにも買い手有利に過ぎるから反対しているのです。
      >消費者は主に個人であり、個々人には情報を分析したり交渉したりする能力が弱いのでハンデが必要
      というのであれば、少なくとも同等に個人である労働者にも強い企業に対してハンデをつけなければいけませんが、実際には建前だけでも労働者を保護してきた規制がどんどん潰されていってるじゃないですか。何度も言いますが少なくともこの国ではほっといたら売り手より買い手が強くなるのが常なのですから、むしろ労働者にこそ消費者以上に企業に対するハンデを多く与えるべきでは?
      また、消費者の分析能力が弱いのは確かですが、だからこそその力を間違った方向に向けてしまう可能性が高いのではないですか?それに、この情報爆発の時代には、いくら大資本を注ぎ込んだって五十歩百歩でしょう。100点満点なら90店と30点の差は大きいですが、満点が1000点なら屁みたいなものですし。
      >そして合理的な経営を行うことは生産者にとっても消費者にとっても+
      そもそも「合理的な経営者」が目指すのは、あくまで経営者本人にとっての利益(経済的なものに限らず)の最大化でしかないでしょう。それが結果的に消費者あるいは労働者の利益も最大化するものになるかなんてのはまさに気まぐれな「市場の判断」でしかないんじゃないですか?そもそもそれが合理的か非合理かなんて誰にもわからないから市場に判断を仰ぐんですよね?わかるなら計画経済でも結果は同じはずですからね。
      >構造改革を反対してないといいながら、無条件的に生産者保護を唱える時点で、構造改革を理解していない
      そもそも構造改革に反対してないなんて誰が言いました?ここに集うのは自由主義を奉ずる経済学者から共産党を支持する筋金入りの左翼までさまざまですが、みな少なくとも構造改革には懐疑的な「抵抗勢力」のすくつです。少なくとも私は今の「構造改革」には明確に反対しています。

      #こんな非論理的な人格攻撃に反論する必要ないというのならそれで結構です。

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