「世界に挑戦する気概」って何?
大田経済財政相は、18日に開会した通常国会で行った経済演説で、「残念ながら、もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではない」と言及した。
経済財政政策を担当する閣僚が、経済分野での国際的な地位の低下を明言するのは異例だ。
大田経財相は演説の中で、「2006年の世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、1人あたり国内総生産(GDP)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で18位に低下した」と日本経済の凋落(ちょうらく)ぶりを訴えた。
厳しい現状分析を披露して国民の危機感を高めることで、国全体が世界に挑戦する気概を取り戻せば、高い経済成長の実現につながるとの思惑があるとみられる。
まだ経済演説がネット上で見られる状況になっていない前提ではありますが、まずもって大田大臣は他人事のようにこんなことをいう立場にはないだろうと。大田大臣は竹中大臣時代から内閣府において経済財政政策に携わる立場にあったわけですから、日本経済が凋落したのは自分の責任(すべてではないにせよ)であると言うべきところ、どういう感覚でこのような認識を示すのか、現閣僚として政府の責任を認めるわけにはいかないという事情ではありましょうが、であるならばこのようなことを言うべきではないでしょう。
ここまでは間違いなくいえることですが、実際がどうかがわからず、報道のとおりでないことを切に祈りたいのが「厳しい現状分析を披露して国民の危機感を高めることで、国全体が世界に挑戦する気概を取り戻せば、高い経済成長の実現につながるとの思惑」の部分。戦前の軍部にもこの手の精神主義は多々見られたわけですが、旧軍は第一次大戦での列強間総力戦のガチンコを見て、日本はそれに到底伍していけないとの絶望から一縷の希望にすがったということで、批判の対象にはなっても同情の余地がないわけではありません。
他方で現在の日本を考えれば、腐っても鯛というやつで今なお世界第2の経済大国です。にもかかわらず精神主義に傾注するというのでは、選ぶ解法について旧軍の過ちを繰り返しているのみならず、現状認識については旧軍にも劣っていることとなります。戦前日本は第二次世界大戦での敗戦という結果に突き進んでいったわけですが、さて今回はどうなることやら。上記「思惑」はあくまで読売の妄想であって、そのようなものを抱く人々が圧倒的少数派であってほしいとwebmasterは思うのですが・・・。





1月 23rd, 2008 at 7:59:04
気概を言うなら、不景気の時に果敢に金融緩和する気概について日銀にひとこと言って欲しいものです。orz
1月 23rd, 2008 at 9:54:44
世の中「世界に挑戦する気概を持て!」って言う人ほど、ドメスティック重視なんですよね。自分の事と、世の中の事の区別がついていないみたいな。
あと、GDP比だろうと一人あたりGDPだろうと、どちらも名目GDPベースでの比較ですので、順位や比率を上げたかったらまずはGDPデフレータを2%程度にするところから始めないと。拙ブログにて調べたところ、短期的には為替の影響ですが長期的にはモロに物価要因で凋落が起きているわけで。
1月 23rd, 2008 at 23:28:14
大田大臣のこの発言は、ちょっと迂闊ですね。
名目GDPが低いことを日本経済の凋落と捉えるなら、名目GDPを低迷させた小泉政権の経済運営もその大きな原因ということになりませんか。なにしろ、5年で2%、年率で0.4%という低成長ですから、その間の他のOECD諸国の成長と比較すれば、この間に日本の順位が後退したであろうことは想像に難くありません。
であれば、当時の経済政策に大きく関与していた竹中氏や大田氏の責任こそ問われるべきでしょう。
とにかく、普段は実質GDPを持ち出して、いざなぎ超えだ、景気回復だと言っているわけですから、名目GDPを持ち出して日本経済の凋落を語っては、発言の矛盾を指摘されかねません。
ましてや、名目GDPで見れば「実感なき経済成長」どころか、経済成長そのものが疑われかねないのですし。
あと、今の状況で「景気対策は考えていない」って明言してしまうのも如何なものかと。
1月 28th, 2008 at 18:13:23
…景気は良いけど経済成長はしていないというのが政府の認識なのでしょう。
1月 29th, 2008 at 3:15:31
何が頭に来るといって、しょせん国民のために「何か行動してくれるはず」と思って選ばれたに過ぎない政治家風情が、偉そうに自分は何もせずに国民に向かって「お前らがやれ」と説教たれているのが許せない。
危機感を高めろなんて類の外からの脅威ネタに視線をそらされて踊らされる馬鹿ばかりと思うなよと。そういうやり方で国内問題から視線をそらそうなんてふてー野郎だ。
2月 10th, 2008 at 0:14:52
国内の市場における競争力と、世界レベルの競争力は、国民の生活水準や、会社の経営理念による。上がったり下がったりする不安定な土壌と、安定志向の国民感情との摩擦が産み出す、向上意識のためには、日本は豊かになりすぎすぎたのでは。
経済大国がもとの競争力を取り戻す為には、格差をつけるか、身分制度の存在しか方法はないのでしょうか?
メディアがあるから、平等な社会と、私は思います。