部分的核実験禁止条約の調印年
大手予備校「河合塾」(名古屋市)は21日、19日に行われた大学入試センター試験の「世界史A」で、不適切な出題があるとして、大学入試センターに質問書を送付した。同センターでは今後、世界史担当者らで内容を検討する。
河合塾によると、この問題は「原子力発電や核実験」について述べた四つの文から正しい選択肢を一つ選ぶもの。このうち、「日本とアメリカ合衆国は、1963年に部分的核実験停止(禁止)条約に調印した」という選択肢は正解ではないとされた。
しかし、河合塾は、「世界史年表」(岩波書店)と「世界史大年表」(山川出版社)に、63年に日米とも調印したという記述があると指摘、選択肢の中に正解が二つあるとしている。
読売「「世界史Aに不適切出題」センター試験で河合塾が質問書」
河合塾もなんで岩波や山川の記述を元に指摘するのやら・・・このぐらい、調べればわかるでしょうに。
というわけで、同条約の国会審議を見てみます。
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
日程第一、大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験に禁止する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外務委員長黒川武雄君。
(略)
○黒川武雄君 ただいま議題となりました条約は、核実験停止に関する米英ソ三国間の、四年有余に及ぶ交渉の結果、昨年八月署名されたものであります。
条約は、すべての国に開放され、わが国をはじめ百九カ国が署名し、米英ソ三国の批准により、十月に発効を見たのであります。
(略)
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百五十四票
白色票 百五十一票
青色票 三票よって本件は承認することに決しました。(拍手)
参議院本会議(1964(昭和39)年5月25日)
というわけですから、
- 1963年署名(=調印)
- 1964年批准(=国会承認)
という事実関係となり、河合塾の指摘の方が正しいのです。出題者は、おそらくは署名と批准とを取り違えたのでしょう。
