writings concerning kasumigaseki issues and others: 年間10大ニュース
2004年
「芸能・スポーツ等部門」
- 第10位 映画「デビルマン」公開
- 原作ファンの端くれとして、これだけ原作ファンの話題となったテーマはやはりはずせない。 内容についてはm@stervisionのレビューに付け加えることは何もないが、とりあえず「ハッピーバースディ・デビルマン!」
- 第9位 皇室悲喜こもごも
- 今年終盤にさしかかって紀宮殿下の婚約(の事実上の)内定や高松宮妃殿下の逝去が起こったが、やはり皇太子殿下ご夫妻の話題が中心。 最近の秋篠宮殿下のコメントは、天皇家の歴史より皇太子妃殿下という一人の女性を選んだ皇太子殿下への割り切れない思い故なのだろう。 「王冠を捨てた世紀の恋」どころか、「皇統を捨てた千年紀の恋」であるからして、波紋が起こるのも当たり前。 秋篠宮家に男子が産まれ、その男子が男系皇統を継ぐこととなるのが、皇太子殿下・皇太子妃殿下・秋篠宮殿下の3人にとってもっとも幸せな未来だとは思うが。
- 第8位 若手お笑い芸人ブレイク
- webmasterの好みのトップ3は第3位ドランクドラゴン、第2位だいたひかる、第1位アンガールズ。
- 第7位 EURO2004でギリシャ優勝
- ナショナルチームよりもクラブチームが強くなってしまったという、ある意味当然だが多くの人が目を背けている事実を傍証した。 無名選手しか集められなくてもクラブチームなみにチーム練習をたたき込めばヨーロッパでトップに立てるというのだから。 トヨタカップ(脱線だが、トヨタカップを呼んだ男たち@sportsnaviというインタビュー企画は一読の価値あり)が衣替えする世界クラブ選手権の方が、そのうちワールドカップよりも権威ある大会になる可能性も否定できない。
- 第6位 「韓流」
- きゃあきゃあ言っている人間の年齢層等を考えても、お約束のベタなドラマのニーズは一定程度存在するということの帰結であろう。 舞台が日本ではないことによる若干の非日常感があるので、そのベタな展開がそれほどは鼻につかず広く受け入れられるに至ったのでは。
- 第5位 アテネオリンピックで日本代表が16個金メダル獲得
- 最も鮮明な記憶として残っているのは男子体操団体。 出だしで躓き、徐々に追いつき、最後の鉄棒での冨田の吸い付くような着地、その際の「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への掛け橋だっ!」(by刈屋アナ。 ちなみにあの実況は、まぎれもないプロの仕事である)、そして選手たちを包んだ満場の拍手の嵐まで、あの一連の流れは陳腐な言い方だが筋書きのないドラマそのものとしか形容のしようがない。
- 第4位 カルロス・クライバー死去
- webmasterが生きている姿を知っている中でもっとも指揮者らしい指揮者であった。 録音が少ないことで有名であったが、少ないといえど録音を残してくれたことを感謝したい。 ・・・っていうか、ヴォツェックの全曲録音の話、本当であってほしいなぁ・・・。
- 第3位 Winny作者47氏逮捕
- 判決がいつになるかは知らないが、悪い意味で歴史に残るような判決にならないことを祈るばかりである。
- 第2位 日本プロ野球界再編騒動
- とりあえず楽天の参入とソフトバンクによるホークスの買収で一区切りはついたものの、来年の動きも十分にあり得る。 要注目はやはりライオンズであろう。
- 第1位 イチローのメジャーリーグ年間最多安打記録更新
- メジャー史上最強バッターの座をバリー・ボンズから奪うことは不可能だろうが(出塁率6割超はやはり空前絶後と言わざるを得まい)、メジャー史上最高の安打製造器となるための今後の活躍が大いに期待される。 テッド・ウィリアムス以来の打率4割や年間300安打など夢は広がるが、さすがのイチローでも破るのが難しそうなのはジョー・ディマジオの56試合連続ヒットと、タイ・カッブの通算打率.366(ピート・ローズの通算4,256安打やタイ・カッブの9年連続首位打者は難しいのではなく無理だろう(前者は日米通算ならともかく))。 今引退したとしても十分メジャーの歴史に残るだろうが、これらを達成する日が来るのを楽しみに待ちたい。
(2004-12-22記)
「政治・経済部門」
- 第10位 年金騒動
- 今から思い返せばあの未納騒動はいったい何だったんだ、という感もあるところ。 評判の悪かった今年の年金制度改正も、あれはあれで400兆円程度の将来債務削減効果があったのだが(計算方法によるが)、それがほとんど知られなかったというのは、メディアの功罪以前に政府の公報努力不足と言われても仕方あるまい。
- 第9位 法案チョンボ頻発
- 内輪の業界話で恐縮だが、ホント、この手のミスをあげつらうのは勘弁してほしい・・・。
- 第8位 アラファトPLO議長死去
- イスラエルやアメリカが中東和平の障害として名指ししていたが、死んでしまったことによりかえって次の一手に困る面もある。 パレスチナが群雄割拠状態になってしまっては、まともな交渉ができなくなってしまうからだ。 帝国主義華やかりし頃であれば、そうした分裂状態につけ込んで戦争を仕掛けるという手もあるが、そうしたことが許容されづらい時代にはなっているし、そもそもイスラエルにとっては純軍事的に合理的な判断として、本格的な戦争に突入するのは避けたいところ(今や戦争により失うものの方が多い)。 まして、イスラム原理主義者が新たなトップに上り詰めるようなことがあれば、アラファトが生きていれば、と思うことは必定であろう。
- 第7位 北朝鮮拉致事件の進展
- 悪手だとわかっていながらそれしか打つ手がないというのは相当に切羽詰まった状況なわけで、偽遺骨(これが極めつけの悪手であることに異論がある人は少なかろう)なんてものを使わざるを得なかった北朝鮮は、やはり追いつめられているのだろう。 北朝鮮が自らまいた種であり何ら同情には値しないが、破滅的な崩壊や、それが不可避と自覚した段階での冒険主義は日本にとって明らかにマイナスであり、どのように軟着陸を図るかは非常に難しい問題。 金正日が中国へ亡命し、親中国的な社会主義新政権が発足する、というのがおそらくはベストシナリオだが、韓国は絶対反対しそうだし・・・。
- 第6位 三位一体改革の推進
- メディアではあまり取り上げられないが霞が関的にはよくわかるアングルとして、財務省対総務省(旧自治省)というものがある。 税源移譲といったところで、過疎地にとっては、そもそも税金をとる対象が圧倒的に少ないのだから空証文に過ぎず、それだけでは単に収入減にしかならない。 それをカバーするのが地方交付税交付金であって、その配分は総務省(旧自治省)の所掌。 つまり、三位一体改革とは、都市から地方への所得再分配を、国の直接の支出として目的を限定して財務省が差配する部分と、地方交付税交付金という形で総務省が差配する部分との仕切り直しでもある。 今のところ前者の削減が先行しているものの(そういえば片山虎之助がずいぶん活躍してたし)、このままで行けば後者も削減され、結局再分配のパイ自体を小さくするという将来が有力ではあるが、来年以降も要注目である。
- 第5位 「ニート」問題化
- ニートについて語ったら負けらしいのだが、ちょっとだけ思いつきの暴論を語ってみると、やはり人間には格差があるのだよ、ということを無視した結果ではないかと。 例えば野球で言えば、高校野球で県のベスト4まで残るような野球部の選手は素人がまるっきり相手にならないぐらい野球がうまいのだが、そんな選手であってもそのほとんどはプロになれず、つまり野球で食っていくことはできず、まあ草野球以外の野球を大学ないし社会人野球まで続けるとしても、最終的には野球以外で食っていくことになる(プロになったって、活躍もできないまま引退する選手が過半だ)。 これは野球だから結果が客観的に出るからこそで、頭のできがどうか、という話になると、少なくとも野球のようには打率やら勝ち星やらといった数字で判断できるものではなく(偏差値はもはや悪役だし)、「いつかどこかで見つかるかもしれない自分の能力が発揮できる場所」を捨てるきっかけがない(学校ではみんなやればできる、なんて教育をしているわけでもあり)。 まあ要すれば自由という刑から釈放してやることがかえって救いになる人々は一定の確率で必ず人類の中にはいるのだ、ということなのだが、そうした生き方が可能なのも多くは家庭がそれなりに豊かで養っていけるからでもあり、それはそれで社会の成熟化に伴う不可避なコストなのかもしれないが。
- 第4位 景気回復・デフレ継続
- これだけ実質成長率が回復し、台風等により生鮮食料品が値上がりし、さらには原油価格まで過去最高値をつけるような状態でありながら、なおデフレが止まらないという状況は、もっと深刻に受け止められてよいのではないか。 日銀のバカは相変わらず受動的にしか対応しないし、財務省のバカはさっそく財政赤字恐怖症患者としての本性をあらわにしているし、景気循環が後退期に入り外需が落ち込んだらどうなることか・・・。
- 第3位 アメリカ大統領選挙・ブッシュ再選
- 最近ずっとwebmasterの頭を悩ませているのが、アメリカ国内で大規模な人口移動が起こらない理由は何か、という問題意識。 ブッシュの勝利は、土着保守層の強固さ(とインテリ層のナロードニキ的な民衆蔑視)によるところが大きいと考えているのだが、アメリカにも都市部(東西海岸・五大湖周辺=ブルーステイツ)と地方部(中西部などその他=レッドステイツ)の経済格差があるにもかかわらず、日本のように後者の衰退・前者への人口移動がさほど起こっているわけではない。 多民族国家故の棲み分けの壁の厚さなのか、距離の暴虐なのか、インセンティブ&インフォメーション・ディバイドの存在なのか。 何かいい本でもあったら教えていただきたい>皆様。
- 第2位 災害多発
- 今年前半に頻発した水害に過去最多の台風上陸、果ては新潟県中越地震で終わりかと思いきや、海外ではあるが、年の瀬も押し詰まった中でのスマトラ沖地震と、様々な災害が世を騒がせた(海外で言えば、アメリカのハリケーンも結構ひどかった)。 命に別状のなかった被災者の方々が本当に大変なのはこれからだと思うが、少しでも来年が幸せなものであるよう祈りたい。 あと、このテキストをアップした後に、今年最後の大災害が訪れることのないように、とも。
- 第1位 イラク人質事件
- 以前も書いたことだが、無防備にイラクに入国して捕まり、あまつさえ殺されるようなことを妙に美化するのは、彼の地で真剣に活動しているNPO・NGOに対する侮辱でもある。 アマチュアはイラクに入るな−プロのNGOが紛争地でやっていることという好著があるので、これがもっと多くの人に読まれるよう願ってならない(惜しむらくは、タイトルがタイトルだけに、本当にこの本を読んだ方がいい人たちが読まず嫌いで手に取らない可能性が高い。 「民間にしかできないボランティアとは何か−イラクのNPO活動が教える真実」とか、まあこのタイトルがそんなにできのいいものとも思わないが、そういった方向のタイトルであればと思う)。
(2004-12-29記)