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  • 01/23/2008 (3:50 am)

    世界同時株安→FRB緊急利下げ!

    Filed under: economy, BOJ ::

    とりわけ日本の株安について、改革後退を嫌気して等々の議論がなされていますが、たとえば関西冷凍えび以外がすべて下落しているコモディティ市況(webmaster注:日々掲載値は変わりますので、ご覧いただいた際に「すべて下落している」とは限りません)まで視野に入れるならば、中国銀行のサブプライム損失発覚→解約等に備えた流動性選考の高まり(竹森先生の所説に鑑みれば、ナイトの不確実性による「流動性への逃避」という要素も相当程度影響していると見るべきでしょう)という流れに沿ったほとんどの資産市場での投売りと考えるべきもので、直ちに政策当局の対応が望まれるべきものと判断できるわけではありません。しかし、

    The Federal Open Market Committee has decided to lower its target for the federal funds rate 75 basis points to 3-1/2 percent.

    FRB: Press Release–FOMC statement–January 22, 2008

    とのFRBの対応は、75bpsという下げ幅以上に、臨時のFOMCを開催したとの果断さを評価すべきものでしょう。世界各地の投資家のエモーショナルな要因を重視するのであれば、何らかの心理的カウンターこそが将来期待を動かし、ひいては現状の打開をもたらし得るものなのでしょうから。もちろん市場は水物であり、バーナンキの判断が成功裏に帰すとは限りませんが、現状成し得ることは何かとの観点から、可能な限りの対応を模索した姿は、webmasterはさすがはバーナンキ、と感服してしまいます。

    #その意味では、先週財政政策パッケージを打ち出したブッシュもまた、ということではありますが。彼自身ではなくブレインの助言あってのことかもしれませんが、にしても最終判断を下したのはブッシュであるはずで。

    翻ってわが国の中央銀行はといえば、

     日銀の福井俊彦総裁は22日の会見で「建築基準法改正に伴う影響が大きく、住宅市場の調整が長引いている」と語り、昨年10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の見通しよりも日本経済が下振れているとの中間評価を示した。日本、アジア、欧州の株式市場が連鎖的に急落するなど国内外の経済動向は不透明感が強まっており、日銀の追加利上げ見送りが長引く公算が大きくなってきた。

     建築基準法改正に伴う住宅投資の冷え込みや、原油、原材料価格の高騰で企業部門の景況感が悪化。このため、日銀は10月の展望リポートで平成19年度の成長率を1・8%と見通していたが、これを「潜在成長率を下回る水準」(福井総裁)に下方修正した。22日の金融政策決定会合でも日銀は、政策金利の無担保コール翌日物の誘導目標を0・5%前後とする現状の金融政策維持を全員一致で決めた。

    産経「日銀「日本経済下振れ」 展望リポート中間評価で」

    と、量的緩和やゼロ金利政策を解除した際の見通しが下振れていることを認めているにもかかわらず、現状(=引締め転換後の金融政策スタンス)を改める気配すら感じられないとは嘆かわしいことです。さらに悲観的な見通しを述べるなら、現状の株式市場や為替市場の動向は、日本の改革不足とやらよりも、依然としての外需依存を示すに他ならないとwebmasterは思うわけですが、バーナンキらの決断によってアメリカ経済が持ち直した場合、日銀の判断の是非は問われず新総裁体制にも現行スタンスが持ち込まれてしまう可能性は、決して小さなものとはいえないでしょう・・・。

    01/15/2008 (11:59 pm)

    マネーサプライ前年同月比の推移(2007-12現在)

    Filed under: economy, BOJ ::
     年月    M2+CD   前年同月比
    2005.01  6,998,252  1.97%
    2005.02  6,953,440  1.85%
    2005.03  6,999,008  2.07%
    2005.04  7,049,983  1.83%
    2005.05  7,037,424  1.46%
    2005.06  7,038,765  1.62%
    2005.07  7,085,130  1.66%
    2005.08  7,077,972  1.64%
    2005.09  7,076,717  2.00%
    2005.10  7,055,711  1.91%
    2005.11  7,071,911  2.10%
    2005.12  7,125,369  1.90%
    2006.01  7,123,681  1.79%
    2006.02  7,075,631  1.76%
    2006.03  7,103,323  1.49% #量的緩和解除
    2006.04  7,171,703  1.73%
    2006.05  7,130,540  1.32%
    2006.06  7,123,454  1.20%
    2006.07  7,123,733  0.54% #ゼロ金利解除
    2006.08  7,109,742  0.45%
    2006.09  7,119,253  0.60%
    2006.10  7,100,080  0.63%
    2006.11  7,119,883  0.68%
    2006.12  7,178,944  0.75%
    2007.01  7,192,128  0.96%
    2007.02  7,150,627  1.06% #利上げ(0.25%→0.5%)
    2007.03  7,178,824  1.06%
    2007.04  7,250,297  1.11%
    2007.05  7,233,933  1.46%
    2007.06  7,255,130  1.86%
    2007.07  7,268,632  2.05%
    2007.08  7,237,192  1.80%
    2007.09  7,241,613  1.73%
    2007.10  7,235,210  1.92%
    2007.11  7,260,911  2.00% (revised)
    2007.12  7,325,824  2.06%

    01/06/2008 (11:59 pm)

    次期日銀総裁についての個人的予測

    Filed under: BOJ ::

    年も改まったところで、今年(少なくとも前半)の日本経済にとって最大の話題、日銀総裁人事について予測を書いてみたいと思います。

     次期総裁の有力候補は、元財務事務次官で日本銀行副総裁の武藤敏郎氏だ。福井総裁を支えてきた実績や安定感を評価する声は多い。

    (略)

     だが、参院第一党の民主党では「国債の利払いを減らすために金利を低く抑えるなど、財政政策に気兼ねする恐れがある」(同党関係者)と、元財務省トップの起用への反発は強い。03年には武藤氏の副総裁起用に対し、官僚OBであることなどを理由に反対した。

     同じ財務省OBでも、国際派の元財務官に対する見方は異なる。早大教授の榊原英資氏やアジア開発銀行総裁の黒田東彦氏については、民主にも「海外の金融当局と円滑に意思疎通できる」と評価する声がある。

     学者では、元日銀審議委員で東大教授の植田和男氏が「政策を評価すればピカイチ」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)と評価されている。デフレ経済の脱却に向け、金融市場に潤沢に資金を供給した量的緩和政策を理論面から支えた。

     同じ東大教授で、経済財政諮問会議の民間議員を務める伊藤隆敏氏の名前も挙がる。日銀に物価安定の目標を課すインフレ目標論者だ。

    (略)

     財界では、三菱東京UFJ銀行会長の三木繁光氏と、野村ホールディングス会長の氏家純一氏が取りざたされる。もっとも、2人とも金融政策へのスタンスは未知数だ。

     2代続けて総裁を出した日銀出身者では、理論派で国際的に知名度もある元副総裁の山口泰氏や、元日本長期信用銀行頭取でセブン銀行社長の安斎隆氏らの名前があがっている。

    朝日「日銀新総裁は誰に 財務省OB・学者・財界人・生え抜き」

     福井総裁の後任候補には、武藤氏のほか三木繁光・三菱東京UFJ銀行会長や氏家純一・野村ホールディングス会長、西室泰三・東京証券取引所グループ会長、伊藤隆敏・東大大学院教授らが取りざたされる。米景気後退の観測や原油価格の急騰など日本経済を取り巻く環境は厳しく、安定感のある武藤氏を起用したいのが政府・与党の本音と見られる。

    (略)

     焦点は、前回(03年)の日銀トップ人事で、官僚OBであることを理由に武藤氏の副総裁起用に反対した民主党の出方だ。若手議員には、元日銀審議委員の植田和男・東大大学院教授や山口泰(ゆたか)・前日銀副総裁を推す声があるほか、「官僚OBなら事務次官より国際金融に通じた財務官経験者の方が適任」との意見も漏れてくる。

    毎日「日銀総裁:3月任期切れ 本命は武藤副総裁 難航なら「空席」も」

    とまあ報道でも多くの名前が取りざたされていますが、間違いなく大本命は武藤副総裁でしょう。というのも、webmasterが知り合いの日銀関係者から聞く限りにおいて、武藤副総裁は日銀プロパー職員からも高い評価を受けていることが非常に大きいです。その意味としては、やはり現在の国会情勢に照らして、民主党が反対しない可能性が低いであろうということとなります。

    ここ数年、金融引締めを進める中で、日銀は何度か政府・与党と対立してきました。となれば、敵の敵は味方ということで、民主党からすれば政府・与党に迎合する者ではなく、これまで同様に政府・与党に時として反旗を翻す者が望ましいのです。日銀プロパー職員も支持する者とは、上記朝日の記事にいう「参院第一党の民主党では『国債の利払いを減らすために金利を低く抑えるなど、財政政策に気兼ねする恐れがある』(同党関係者)と、元財務省トップの起用への反発は強い」ことへのカウンターとなります。

    関連して、日銀プロパー職員(上記記事でいえば、山口前副総裁や安斎セブン銀行社長)の対抗馬がいなくなることも無視できないでしょう。武藤副総裁が「天下り」としてプロパー職員の反発を招いているなら、積極的に担ぎ出すのか消極的に反対しないのかはさておき、日銀プロパー職員を総裁候補にという選択肢も出てきますが、武藤副総裁をプロパー職員が支持している以上、仮に山口前副総裁らに出馬の声がかかったところで、本人が強く固辞するものと考えられます。

    以上から、武藤副総裁が官僚OBだからといって、彼が受け入れられざる場合に他の官僚OBが代わりとなるわけにはいかないこともおわかりいただけるでしょう。財務官経験者である榊原先生や黒田総裁を据えようとしても、日銀プロパーが「天下りだ」として反発すれば、仮に武藤副総裁を官僚OBだからという理由で忌避するなら、彼らもまた同様の理由で忌避されざるを得ません。武藤副総裁が5年かけて築き上げてきた日銀内の基盤を彼らが同様に持っているはずもないのは当然のこと、どころか、榊原先生におかれましてはその方言癖が、二代続けて方言癖のある総裁に悩まされ続けてきた日銀プロパーの神経を刺激するでしょうし、黒田総裁におかれましては非不胎化介入への肯定的評価が日銀プロパーとは相容れないのではないかと。

    学者の先生方については、植田先生は審議委員時代のスキャンダル騒動があるので、福井総裁の村上ファンド問題や本間先生の官舎問題で懲りている与党が推すことはないでしょう。伊藤先生は諮問会議の民間議員として現在政府の中枢にいるわけで、上述のように政府・与党とは一線を画している日銀を欲する民主党が賛成するとは思えません。加えて先生はインフレターゲティング積極論者ですから、日銀プロパーも反発するでしょうし。

    財界の方々は、日銀総裁というハイリスク・ローリターンな職務を引き受けるインセンティヴがないであろうことが最大の障害でしょう。

    12/11/2007 (11:59 pm)

    マネーサプライ前年同月比の推移(2007-11現在)

    Filed under: economy, BOJ ::
     年月    M2+CD   前年同月比
    2005.01  6,998,252  1.97%
    2005.02  6,953,440  1.85%
    2005.03  6,999,008  2.07%
    2005.04  7,049,983  1.83%
    2005.05  7,037,424  1.46%
    2005.06  7,038,765  1.62%
    2005.07  7,085,130  1.66%
    2005.08  7,077,972  1.64%
    2005.09  7,076,717  2.00%
    2005.10  7,055,711  1.91%
    2005.11  7,071,911  2.10%
    2005.12  7,125,369  1.90%
    2006.01  7,123,681  1.79%
    2006.02  7,075,631  1.76%
    2006.03  7,103,323  1.49% #量的緩和解除
    2006.04  7,171,703  1.73%
    2006.05  7,130,540  1.32%
    2006.06  7,123,454  1.20%
    2006.07  7,123,733  0.54% #ゼロ金利解除
    2006.08  7,109,742  0.45%
    2006.09  7,119,253  0.60%
    2006.10  7,100,080  0.63%
    2006.11  7,119,883  0.68%
    2006.12  7,178,944  0.75%
    2007.01  7,192,128  0.96%
    2007.02  7,150,627  1.06% #利上げ(0.25%→0.5%)
    2007.03  7,178,824  1.06%
    2007.04  7,250,297  1.11%
    2007.05  7,233,933  1.46%
    2007.06  7,255,130  1.86%
    2007.07  7,268,632  2.05%
    2007.08  7,237,192  1.80%
    2007.09  7,241,613  1.73% (revised)
    2007.10  7,235,210  1.92% (revised)
    2007.11  7,261,338  2.00%

    11/01/2007 (11:59 pm)

    FRB利下げとモラルハザード

    Filed under: economy, BOJ ::

     米連邦準備制度理事会(FRB)は31日、金融政策を決める公開市場委員会(FOMC)を開き、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%幅引き下げ、年4.50%にした。低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げつきが増え、金融市場や景気に悪影響が広がっているためで、金融緩和は0.50%幅下げた9月に続いて2回連続となった。

     FOMC後に発表した声明では一連の利下げ効果に触れ、インフレ加速と景気減速の危険性が「今回でほぼバランスがとれた」と、政策金利が適度な水準になりつつあることを強調。12月の次回会合では金利を据え置く可能性を示した。ただ、米経済が一層悪化すれば利下げを検討する方針とみられ、来年にかけて緩和局面が続くとの見方が有力だ。

     声明は、7〜9月期の米経済成長が底堅く、金融市場の緊張もやや和らいでいると指摘しつつ、目先は「住宅市場の調整が激しくなり、景気拡大のペースは鈍りそうだ」と警戒感を表明。その一方で、原油価格が高騰するなか、金融緩和が拍車をかけかねないインフレ再燃にも懸念を示した。今回の利下げには、10人の委員のうち1人がインフレ警戒から反対した。

     声明が次回会合での金利据え置きの可能性を示唆したことについて、民間エコノミストの間では「住宅不況の長期化で、いずれ再度の利下げに追い込まれる可能性が濃厚」との見方がめだっている。

    朝日「米FRBが追加利下げ 0.25%幅」

    単なる思いつきなのですが、FRBがまともだから日銀がダウンサイドリスクに鈍感になれるのでは? 保険をかけたから、もし事故が起きても保険金がもらえると思って事故回避を怠るというのが典型的モラルハザードですが、これって中央銀行同士にも当てはまるような気がwebmasterにはします。結果において、アメリカの堅実な経済成長が外需となって今の日本の景気を支える主因のひとつになっているのですから。

    さらに言えば先日取り上げた竹森俊平「1997年――世界を変えた金融危機」にて指摘されていた、ITバブル破裂後のFRBの緩和寄りスタンスがバブルを引き起こす可能性も、こうしたFRBの果断な姿勢に関する期待が重要なのかもしれません。結局のところ、最近のFRBはITバブル破裂にせよ今般のサブプライム問題にせよ、金融危機の芽が萌え出でた際にはソフトランディングの実現に全力を尽くしているわけで、これがある種の「保険」として認知されれば、モラルハザード的行動を引き起こす可能性は否定できないのではないでしょうか。

    ましてFRBの金融政策という「保険」は、世にある普通の保険とは異なり、審査なしに全ての者にあまねく効果を及ぼすわけですから・・・。

    10/15/2007 (11:59 pm)

    当サイトは実効性ある金融緩和への転換(not necessarily 量的緩和への復帰)を主張します。

    Filed under: economy, BOJ ::

    econ-economeさん経由で。

     まず改めて物価情勢を点検してみると、一度はゼロを上回った消費者物価上昇率が再びマイナスに戻ってしまったのだから、結果的に06年の段階で「消費者物価は安定的にゼロ以上の状態」ではなかったことになる。ということは論理的には、量的緩和の解除は間違いだったということになり、再び量的緩和を行うべきだということになる。にもかかわらず誰もこのことを言わない。「物価は重視されていない」のだ。

     では、かつてデフレからの脱却のため量的緩和の継続を主張していた人々はなぜ、現時点でそう主張しないのか。それは、実は「物価が下がることの弊害はそれほど大きくなかった」「デフレが経済停滞の真犯人ではなかった」ということが分かったからではないか。別の言葉で言えば、かつて危機感たっぷりにデフレからの脱却が指摘されたのは、「物価が下がっていたから」ではなく「物価が下がりつつ景気が悪くなっていた」からではなかったか。07年以降は「物価が下がりつつ景気が良い」という状態なので、誰も問題にしないのではないか。

    変転する消費者物価の認識(小峰隆夫氏)(2/2)

    しょせんは素人談義ですから小峰先生のお目に留まらなくても当然ですが、一応当サイトでは、お示しのような状況を踏まえ金融緩和路線への回帰を主張してきております。たとえば次のとおりです。

    物価安定をその使命とする中央銀行が、「物価上昇率が低くなったから利上げが遠のくなどと、単純ではない」というのは、webmasterには理解不能です。物価上昇率が低くなったのなら、利下げを検討すべきではないの? この見解に賛成しろといっても日銀には受け入れられないであろうことぐらいはwebmasterだって予測可能ですが、物価上昇率が低くなった場合でも利上げすることがあり得るとすることを撤回することですら、期待するのは贅沢だというのでしょうかねぇ(泣)。

    日銀(とりあえずは)0.5%への利上げせず(2007/1/19付)(webmaster注:強調は原文によります)

    webmasterに限らずデフレ脱却を今なお重要視し、そのためにインフレターゲティング導入を柱とするリフレ政策の実現を願う人々は、それこそ当サイトでも掲げるバナーの普及運動が最近はじまったことからも、決して少なくないことがわかります(小峰先生の目に留まるような正統的アカデミシャンの世界においては視野に入るほどのものではないのかもしれませんが)。この意味で、「誰も問題にしない」というのは、webmasterとしては不本意です。

    さらには、「『物価が下がりつつ景気が良い』という状態」というのもいかがなものかと思います。足元の実質GDP成長率がそれなりに堅調であることは否定しませんが、景気ウォッチャー調査の最近の動向などを見るに、昨年同様確報値の蓋を開けてみれば大幅下方修正となるおそれもまた否定できないでしょう。仮に下方修正がなかったところで、外需と外需関連設備投資がエンジンの景気回復を、「景気が良い」と礼賛すべきものなのか、webmasterには疑問です。

    なお、エントリのタイトルにおいて「not necessarily 量的緩和への復帰」としているのは、量的緩和への復帰がすなわち実効性のある金融緩和とは限らないからです。将来へのコミットなき現時点の金融緩和にはデフレ脱却効果は期待できません。量的緩和がそれなりの緩和効果を持ったのだとすれば、それはひとえに積極的外為介入による円ドル相場へのコミットメント=中長期的な金融緩和へのコミットメントのおかげであるとwebmasterは考えているのです。

    10/13/2007 (11:59 pm)

    亀田発言に触発されて・・・

    Filed under: joke, BOJ ::
    デフレでもいいから金利上げろ

    「あれは日銀の金融政策用語で誤解されてるようなもんやない。あれはデフレを警戒してしっかり緩和して、金利を上げられるような状況を目指せいう意味」

    #日銀関係者が上記のような発言をしたことは一切ありませんので、念のため。

    10/11/2007 (11:59 pm)

    マネーサプライ前年同月比の推移(2007-09現在)

    Filed under: economy, BOJ ::
     年月    M2+CD   前年同月比
    2005.01  6,998,252  1.97%
    2005.02  6,953,440  1.85%
    2005.03  6,999,008  2.07%
    2005.04  7,049,983  1.83%
    2005.05  7,037,424  1.46%
    2005.06  7,038,765  1.62%
    2005.07  7,085,130  1.66%
    2005.08  7,077,972  1.64%
    2005.09  7,076,717  2.00%
    2005.10  7,055,711  1.91%
    2005.11  7,071,911  2.10%
    2005.12  7,125,369  1.90%
    2006.01  7,123,681  1.79%
    2006.02  7,075,631  1.76%
    2006.03  7,103,323  1.49% #量的緩和解除
    2006.04  7,171,703  1.73%
    2006.05  7,130,540  1.32%
    2006.06  7,123,454  1.20%
    2006.07  7,123,733  0.54% #ゼロ金利解除
    2006.08  7,109,742  0.45%
    2006.09  7,119,253  0.60%
    2006.10  7,100,080  0.63%
    2006.11  7,119,883  0.68%
    2006.12  7,178,944  0.75%
    2007.01  7,192,128  0.96%
    2007.02  7,150,627  1.06% #利上げ(0.25%→0.5%)
    2007.03  7,178,824  1.06%
    2007.04  7,250,297  1.11%
    2007.05  7,233,933  1.46%
    2007.06  7,255,130  1.86%
    2007.07  7,268,632  2.05%
    2007.08  7,237,192  1.79% (revised)
    2007.09  7,241,157  1.71%

    09/12/2007 (4:52 am)

    マネーサプライ前年同月比の推移(2007-08現在)

    Filed under: economy, BOJ ::
     年月    M2+CD   前年同月比
    2005.01  6,998,252  1.97%
    2005.02  6,953,440  1.85%
    2005.03  6,999,008  2.07%
    2005.04  7,049,983  1.83%
    2005.05  7,037,424  1.46%
    2005.06  7,038,765  1.62%
    2005.07  7,085,130  1.66%
    2005.08  7,077,972  1.64%
    2005.09  7,076,717  2.00%
    2005.10  7,055,711  1.91%
    2005.11  7,071,911  2.10%
    2005.12  7,125,369  1.90%
    2006.01  7,123,681  1.79%
    2006.02  7,075,631  1.76%
    2006.03  7,103,323  1.49% #量的緩和解除
    2006.04  7,171,703  1.73%
    2006.05  7,130,540  1.32%
    2006.06  7,123,454  1.20%
    2006.07  7,123,733  0.54% #ゼロ金利解除
    2006.08  7,109,742  0.45%
    2006.09  7,119,253  0.60%
    2006.10  7,100,080  0.63%
    2006.11  7,119,883  0.68%
    2006.12  7,178,944  0.75%
    2007.01  7,192,128  0.96%
    2007.02  7,150,627  1.06% #利上げ(0.25%→0.5%)
    2007.03  7,178,824  1.06%
    2007.04  7,250,297  1.11%
    2007.05  7,233,933  1.46%
    2007.06  7,255,130  1.86%
    2007.07  7,268,632  2.05% (revised)
    2007.08  7,236,350  1.79%

    #最近になって日銀執行部が利上げにこだわらないかのような姿勢に転じたのは、マネーサプライ増加率が下落に転じそうだとの感触を得ていたからではないかと邪推してみたり。ご覧のとおり、最近は対前年比2%が天井になっているのが実態ですから・・・。

    09/08/2007 (11:59 pm)

    日銀の市場との対話能力向上のために

    Filed under: BOJ ::

     市場とのコミュニケーション能力は日銀が最低−。各国中銀が金融政策への理解を高めようと、市場との対話や透明性向上に腐心する中、英投資銀行バークレイズ・キャピタルはこのほど、こんな調査結果を公表した。

     調査対象は日銀のほか、米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中銀)の4行。調査期間は8月1日から24日で、世界各地の約1200に及ぶ商業銀行やヘッジファンドなどから回答を得た。

     市場との対話能力に関する地域別調査では、日銀は日本を含む全地域で最低、逆にFRBは全地域で最高だった。商業銀行やヘッジファンドなど業種別の調査でも、日銀は全業種で最低。外国中銀では、学界で英中銀が1位となったほかは、すべてFRBがトップの評価を受けた。

    時事「日銀、全部門で最低=市場との対話能力−英銀調査」

    インフレターゲティングを導入すればいいのに、とはwebmasterの感想ですが、そうはいっても日銀に抵抗感があるのは周知の事実です(インフレ率がプラスになったら検討してもよいと福井総裁は言っていたわけですから、日銀が量的緩和解除やゼロ金利解除にコアCPIがプラスだったことを理由のひとつとしたことからすれば、その頃から検討してるんでしょうねぇ、と厭味のひとつも言いたくなりますが)。そこで、インフレターゲティングとは離れて、どうすれば市場との対話について高い評価が得られるようになるかを考えてみます。

    結論から申し上げれば、

    1. 多義的な解釈を許さない、客観的に検証可能な判断基準の提示
    2. 金融政策決定会合における票数の急激な変化の抑止

    の2点となります。

    前者については、たとえば本年2月の利上げ時に、

    量的緩和政策の枠組みからの脱却後は、経済は、前向きに、よりダイナミックに動けるようになったということですので、特定の指標だけで金融政策を判断するということは、金融政策の最も適切な判断、機動的な運営、すべてにとってむしろ足かせになるということです。やはり、フォワード・ルッキングに先々の経済の展望は何かということを明確につかみながら、より望ましい金利水準を遅からず早からず設定していくという、量的緩和政策を続けている時よりも、はるかにダイナミックな判断が必要な状況になったということではないかと思います。

    総裁記者会見要旨(2007/2/21)

    とのことでしたが、ここで想定する「特定の指標」=コアCPIでなくてもよいので、名目ないし実質GDP成長率なり失業率なり名目金利なり、何がしかの目標となる状況を明らかにするとか、引締め/緩和すべき状態の判断基準を示すとか、そういった形で日銀の方向性を誰しもが予測可能な状態にするべきでしょう。

    #もちろん、最近のサブプライム問題のような場合に、そうした方向性から逸脱する例外を否定するものではありません。例外があり得ることを明らかにした上で、原則が何かについて、客観的に検証可能な定量基準を明らかにすべき、ということです。

    ところが現状は、定性的な‐さらに遠慮なく申し上げるなら、あいまいな‐基準しか示されておらず、日銀が金融政策を変更するのかどうかを予測しようとすれば、総裁をはじめとする関係者の言葉をいちいちチェックし、そこでのニュアンスを訓詁学的に解釈しなければなりません。日銀からすれば、解釈の材料をなるべく多く提供することが「市場との対話」とお考えなのかもしれませんが、そもそもそのような材料集めをしなくてもよいようにすることこそが、より良質の「市場との対話」を可能とするのだとwebmasterは思います。

    後者については、たとえば量的緩和解除以降の金融政策変更を見れば、

    量的緩和解除(2006.3)

    直前・・・現状維持に賛成6、反対2(当座預金残高の誘導目標を引き下げるべき)

    変更時・・・変更に賛成7、反対1(量的緩和を維持すべき)
    ゼロ金利解除(2006.7)

    直前・・・現状維持に賛成9(全員賛成)

    変更時・・・変更に賛成9(全員賛成)
    0.25→0.5利上げ(2007.2)

    直前・・・現状維持に賛成6、反対3(0.5に引き上げるべき)

    変更時・・・変更に賛成8、反対1(0.25を維持すべき)

    といった具合で、なだれをうっての「転向」で一気に政策変更が実現してしまう傾向が顕著です。先の基準のあいまいさとの相乗効果で、議論の結果審議委員の間で考えを変える者が出てきた結果として金融政策が変更されるのではなく、結局は変更の結論先にありきではないか、と考えるのが自然になってしまうわけです。

    各審議委員は独立して判断を行い、何ら誘導等は行われていないというのであれば、票数の急激な変動を避けようにも手段がないということになってしまうわけではありますが・・・。

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