検証「いつか来た道?」
#8/25の夜に公開したはずなのに・・・。
一昨日のエントリのwebmasterの予想が的確だったのか的はずれだったのか、金融政策決定会合後の総裁記者会見要旨で検証してみます。
マクロ経済環境の認識
webmasterの予想
多くの委員の金融経済情勢に関する認識は、(1)景気の現状は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している、(2)引き続き良好な金融環境が維持されている、(3)先行き、海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ、今後も設備投資を中心に緩やかな回復が続く可能性が高い、(4)需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している、といったものであった。
以上の認識を踏まえ、わが国経済は「デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢」に至りつつあるとの認識が概ね共有された。
総裁記者会見要旨
実体経済は、前回の説明とあまり変わらないと思いますが、世界経済は地域的な拡がりを持ちながら拡大を続けており、そのもとで日本経済についてみますと、日本から海外への輸出は増加を続けているという状況です。国内の民間需要も増加しております。高水準の企業収益あるいは業況感が引き続き良好という中で、設備投資は引き続き増加しています。雇用・所得面では、失業率が3.7%に低下するなど、労働需給を反映する諸指標が引き締まり傾向を続けており、その中で雇用者数が増えています。一人当たり賃金はやや伸び悩んでいるという状況は変わらず、この点は注目しておりますが、雇用者数は増え、雇用者所得は緩やかに増加を続けています。それが背景となって、個人消費はあまりめざましい展開ではありませんが、引き続き底堅く推移しているという状況です。
(略)
物価面についても前回説明したこととあまり変わっていません。国内企業物価は、国際商品市況高などを背景に、3か月前比でみて上昇しています。先行きにつきましても、目先、上昇を続けるとみています。消費者物価(全国、除く生鮮食品)の前年比は、目先、ゼロ%近傍で推移する可能性が引き続き高い状況ですが、より長い目でみますと、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていくと予想しています。
検証
企業収益や設備投資の動向を中心に据えた強気の姿勢は的中といってよいでしょう。需要が回復基調であり、そのトレンドの外挿によるものか、今後の動向として物価下落圧力は解消されていくとの見通しも、これまた的中といってよいでしょう。
サブプライム問題の認識
webmasterの予想
ただ、多くの委員から、金融政策引締めのタイミングについては、いわゆる「サブプライム問題」が市場心理などに与える影響について、もう少し見極めてから判断しても良いのではないかという意見が出された。また、このうち何人かの委員からは、この問題の市場心理への影響とあわせて、企業マインドや消費者センチメントへの悪影響の可能性も指摘された。ある委員は、個別企業の問題が重要ということではないが、この問題が象徴している「特定セクター」の構造問題が世間で強く意識されている現状では、本日金融を引締めした場合に、企業家心理にマイナスのインパクトを与えてしまう惧れもないわけではないと述べ、今日のところは、引締めを見合わせるのが適当である、との意見を示した。別の委員も、取り巻く経済諸情勢、とりわけ、いわゆる「サブプライム問題」の経済界、金融界に対する心理的な影響を考えると、判断のタイミングとしては決めがたい、と述べた。
総裁会見要旨
ただ、今回の金融市場の実体経済、とくに米国経済への影響については、いくつかのルートでどのように影響が出てくるかを注視していかなければならないと思っています。それは、住宅金融を通じて住宅投資に与える影響、これが一番中心的な影響でありますが、クレジット市場の機能低下が企業金融に与える影響はどうか、今のところサブプライム問題、あるいはクレジット市場の機能の停滞が、企業金融全般に強い影響を与え始めているという兆候はありませんが、市場はどこかでつながっているわけですので、クレジット市場の機能低下が企業金融に与える影響が全くないのかどうか、注目していく必要があります。それから市場の動揺がもし長引くという場合には、株価の下落等を通じた家計のマインド、あるいは企業のマインド、といったマインド面への影響などが考えられるわけです。株価に反応しやすいミシガンの消費者コンフィデンス指数が既に少し下がっているということはご承知だと思います。そうしたマインド面の影響が考えられますので、注視していかなくてはならないと思っています。つい先日の米国のFOMCの声明でも、今後の米国経済の成長を抑制する可能性があるとしておりますが、今申し上げた点を私どもは注視していくべきであろうと思っています。
検証
影響を見守るべしというのは変わりませんが、webmasterの予想に比べると、実体経済への影響により配意しているといえるのではないでしょうか。マインドに触れているという点では同じですが、webmasterの予想(すなわち、速水前総裁時代のゼロ金利解除に当たっての判断)においては、単に引締めのタイミングを遅らせるべきというスタンスであったように思われます。他方で今回は、マインドの影響によって実体経済の悪化があり得て、その際には引締めの単なる延期ではなく、取りやめもあるのかな、というように見えるのですが・・・。
つまりは、世間的な見方とも同じ話ではありますが、来月もまた利上げはなしかな、と。あるいは、「また」ではなく「まだ」?
