bewaad institute@kasumigaseki

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  • 12/31/2007 (11:59 pm)

    2007年を振り返る(4)‐年間10大ニュース「政治・経済部門」

    Filed under: economy, politics ::
    第10位 建築基準法改正による住宅投資低迷

    世間の求めに押されて採用された政策が、実施してみれば事前に懸念された悪影響をもたらした際、批判されるのは霞が関なんだよなぁ、という文脈においては、バブル崩壊時の総量規制に相通じるものが見て取れます(幸いにして消費者金融の上限金利引下げについては、マクロ的にはまだ影響は観察されないようですが)。

    第9位 食品偽装問題

    もちろん問題視するに値する事柄ではありますが、他方で健康被害が生じたわけでもなく、ここまで大きく取り上げることがバランスの取れた話かと考えれば、webmasterとしては疑問です。

    第8位 安倍前総理突然の辞任・福田総理就任

    日本の総理大臣として、あのような辞め方は空前ですし、おろらくは絶後でしょう。

    第7位 テロ対策特措法失効

    民主党の反対以上に、自民党の自滅で延長が頓挫したのが実態でしょう。第8位からの続きとなりますが、安倍前総理は、少なくとも延長を成し遂げてから辞任すべきだったはずです。

    第6位 霞が関への不信感増大

    近年継続する年金問題(社会保険庁)に加え、守屋前防衛事務次官の接待問題があり、霞が関への世の信頼は、もともと地に堕ちていたようなですが、地に潜った感があります。おそらく、その回復はもはや不可能でしょう。当事者としては非常に残念ですが。

    第5位 温暖化ガス対策の進展

    ゴアとIPCCのノーベル平和賞受賞に加え、COP13でのバリ・ロードマップ合意も大きな前進でしょう(それに先立ってのAPEC・シドニー宣言もまた)。後者について、内容に不満を覚える人もいらっしゃるのでしょうけれど、アメリカが枠組みに入った意味は大きいと思います。この延長線上において、ポスト・ブッシュのアメリカがより踏み込むのは間違いないのですから。

    第4位 コモディティ相場の上昇

    大きくメディアで取り上げられたのは100ドル/バレルに近づいた原油でしたが、それ以外についても、金属や食料品などおおむね強気の展開となりました。これがためにインフレ観測が出てくるのには閉口ですが、諮問会議・金融庁で進められる総合取引所構想などの背景として、来年もその動向は要注目ではないでしょうか。

    第3位 参議院選挙・自民党大敗、民主党第一党に

    これで以後3〜9年の政治の枠組みが決まったわけですから、たった一度の選挙の及ぼす影響の大きさたるやいかばかりか。大連立を含む政界再編があれば話は別ですが。

    第2位 デフレ脱却できず

    最新データにおいては、いわゆるコアCPIでは対前年同期でプラスには転じたようですが、コアコアではまだ横ばいですし、何より上方バイアスがあるのですから、到底デフレ脱却とは言い難い状況です。さて、いつになったら脱却できるのやら、まずは日銀の新総裁人事が試金石となるでしょう。

    第1位 サブプライム問題の深刻化

    webmasterの管見では、アメリカの実体経済が底堅いのであれば、それほど心配する必要はありません。しかし、この問題が実体経済の底割れにつながる‐あるいは、実体経済の悪化の「カナリア」がサブプライム問題である‐のであれば、世界的経済収縮がやってくるのではないでしょうか。だからこそ、FRBその他の先進国中央銀行(日銀を除く)は、バジョットルールが要請する流動性供与を超えて金融緩和に踏み切っているのでしょう。わかりやすく言えば、「サブ」のないプライムローンについても問題化するようなことがあれば、長いトンネルの入り口だったということに。

    12/27/2007 (11:59 pm)

    名目GDP2題

    Filed under: economy ::

     経済財政諮問会議は26日、11年度までの中期方針「進路と戦略」の原案を了承した。11年度の名目成長率について「3%程度あるいはそれ以上も視野に入る」とし、これまでの想定より0.5%程度下方修正した。

     今年1月に閣議決定した「進路と戦略」では「3%台半ば程度あるいはそれ以上も視野に入る」としていた。消費者物価の上昇率が予想を下回っていることが理由だ。実質成長率については「2%程度あるいはそれをかなり上回る」とする想定を据え置いた。

    朝日「11年度の名目成長率 0.5%程度下方修正」

     内閣府は26日、平成18年の日本経済の決算書に相当する国民経済計算を発表した。それによると、日本の名目GDP(国内総生産)は4兆3755億ドル(1ドル=116円換算で約508兆8707億円)となり、世界全体に占める割合は、前年の10・2%から1・1ポイント低下し9・1%となった。比較可能な昭和55年以降、最低となった。

     内閣府は「為替が円安だったことが大きい。世界経済の拡大傾向が続く中、日本はデフレで名目GDPが伸びなかったのも要因」と分析した。名目GDPは物価変動の影響を考慮せず、金額をそのまま表示している。

    産経「世界GDPに占める割合 日本、最低の9・1%」

    デフレがよくないことだ、という話が少しずつではあっても世に共有されるのは、残念ながらうれしいことといわざるを得ません‐デフレから脱却し、デフレの害を現実の課題として認識しなくてもよくなることが、webmasterにとってもっともうれしい未来像です。とはいっても前者の引用を見る限り、デフレ脱却は今なお期待し難いのですが・・・(次期日銀総裁次第では、大いに期待もできますが、総裁人事の方が期待できないような気が)。

    なお後者について、購買力平価の成立を前提とすれば、インフレ率が低いことによる名目値の減少は、為替レイトの上昇により相殺され、国際比較においては無関係ということになります。2007年というある時期の要因としてはともかく、中長期的な低落傾向については、デフレは単に名目値を引き下げているということをはるかに超えて、実質値にも悪影響を与えていることが問題なのだ、と改めて指摘しておきたいと思います。実質金利の高止まりにより、市場を通じた適切な資源配分を阻害するという点にこそ、デフレの大いなる害(の1つ)があるのです。

    #デフレの大いなる害のもう1つ、実質賃金の高止まりによる労働市場の資源配分機能の低下については、非正規雇用の増加と第一次ベビーブーマー世代の大量退職によって、それが適切な水準の代償だったかはさておくとしても、機能回復が見られるようになりました。

    12/11/2007 (11:59 pm)

    マネーサプライ前年同月比の推移(2007-11現在)

    Filed under: economy, BOJ ::
     年月    M2+CD   前年同月比
    2005.01  6,998,252  1.97%
    2005.02  6,953,440  1.85%
    2005.03  6,999,008  2.07%
    2005.04  7,049,983  1.83%
    2005.05  7,037,424  1.46%
    2005.06  7,038,765  1.62%
    2005.07  7,085,130  1.66%
    2005.08  7,077,972  1.64%
    2005.09  7,076,717  2.00%
    2005.10  7,055,711  1.91%
    2005.11  7,071,911  2.10%
    2005.12  7,125,369  1.90%
    2006.01  7,123,681  1.79%
    2006.02  7,075,631  1.76%
    2006.03  7,103,323  1.49% #量的緩和解除
    2006.04  7,171,703  1.73%
    2006.05  7,130,540  1.32%
    2006.06  7,123,454  1.20%
    2006.07  7,123,733  0.54% #ゼロ金利解除
    2006.08  7,109,742  0.45%
    2006.09  7,119,253  0.60%
    2006.10  7,100,080  0.63%
    2006.11  7,119,883  0.68%
    2006.12  7,178,944  0.75%
    2007.01  7,192,128  0.96%
    2007.02  7,150,627  1.06% #利上げ(0.25%→0.5%)
    2007.03  7,178,824  1.06%
    2007.04  7,250,297  1.11%
    2007.05  7,233,933  1.46%
    2007.06  7,255,130  1.86%
    2007.07  7,268,632  2.05%
    2007.08  7,237,192  1.80%
    2007.09  7,241,613  1.73% (revised)
    2007.10  7,235,210  1.92% (revised)
    2007.11  7,261,338  2.00%

    12/05/2007 (11:59 pm)

    デフレ=豊か(笑)

    Filed under: economy ::

    財団法人 社会経済生産性本部(理事長:谷口恒明)は、OECD30カ国の豊かさを比較した「国民の豊かさの国際比較」(2007年版)を発表した。

    (略)

    3.「平均寿命」「人口当たり病院ベッド数」「単位労働コストの低下率」などは日本が1位

    ○日本が第1位になった個別指標は、「平均寿命」「人口当たり病院ベッド数」、「単位労働コスト(生産物1単位生産するのに要する賃金)の低下率」、「GDPデフレータ上昇率(年率平均マイナス1.0%)」の4指標である。

    「国民の豊かさの国際比較」2007年版〜日本の豊かさは第7位(OECD 30カ国比較)〜財団法人 社会経済生産性本部

    何かの間違いあってほしい評価ですが、

    (表3)指標の構成

    (略)

    6.マクロ経済指標GDPデフレータ上昇率(*)
    経済成長率
    資本形成
    輸出額
    輸入額
    総国際準備
    国内総貯蓄
    研究開発費
    家計最終消費支出
    財政バランス
    政府累積債務(*)
    政府開発援助

    (*)はマイナス偏差値で計算
    (指数の値が小さいほど上位とする。)

    「国民の豊かさの国際比較」2007年版〜日本の豊かさは第7位(OECD 30カ国比較)〜財団法人 社会経済生産性本部

    ということで、何の間違いでもないようですorz。最適インフレ率が正の値かどうかの議論は措くとしても(幸いにしてCPIではなくGDPデフレータですし)、せめて絶対値での比較としてほしいものですし、さらにはデフレ側には絶対値を10〜20倍するとか、その程度の補正をかけてこそ適切な指標足り得るでしょう。といいますか、外貨準備等、多ければ多いほどよいとされるものにも疑問なしとできないものもありますし、マクロ経済指標としては、実質成長率だけでいいのでは、という気が。これなら日本は最下位争いグループ入り間違いなしという、現実そのものは悲惨ではありますが、評価としてはあるべき姿になるはずですから。

    12/01/2007 (11:59 pm)

    「真の失業率」推計最新版(2007-10現在)

    Filed under: economy ::
    年月   完全     真の    高齢化等 完全失 真の失 高齢化等
         失業率    失業率   補正後  業者数 業者数 補正後
    
    1990  2.1%     3.2%          134  204
    
    1991  2.1%     2.4%          136  155
    1992  2.2%     2.2%          142  142
    1993  2.5%     2.8%          166  183
    1994  2.9%     3.4%          192  228
    1995  3.2%     4.0%          210  266
    
    1996  3.4%     4.1%          225  276
    1997  3.4%     3.8%          230  262
    1998  4.1%     5.1%          279  348
    1999  4.7%     6.3%          317  435
    2000  4.7%     7.0%          320  485
    
    2001  5.0%     7.9%          340  551
    2002  5.4%     9.4%          359  660
    2003  5.3%    10.0%          350  700
    2004  4.7%    10.0%          313  705
    2005  4.4%     9.8%          294  688
    
    2006  4.1%     9.5%    6.7%    275  671  458
    
    2006/Q3 4.1%(▲0.2) 8.9%( 0.0) 6.5%    273  627  448
    2006/Q4 3.9%(▲0.4) 9.3%(▲0.5) 6.4%    261  659  440
    2007/Q1 4.1%(▲0.3) 10.7%(▲0.2) 6.6%(▲0.6) 272  752  449
    2007/Q2 3.8%(▲0.5) 8.3%(▲0.7) 5.8%(▲0.8) 280  588  400
    2007/Q3 3.7%(▲0.4) 8.9%( 0.0) 5.7%(▲0.8) 250  627  391
    
    年月   完全     真の    高齢化等 完全失 真の失 高齢化等
         失業率    失業率   補正後  業者数 業者数 補正後
    
    2006/11 3.9%(▲0.5) 9.2%(▲0.8) 6.4%    292  652  439
    2006/12 3.7%(▲0.3) 9.9%(▲0.5) 6.6%    244  701  448
    2007/1 4.0%(▲0.5) 11.1%( 0.0) 6.9%(▲0.5) 264  784  464
    2007/2 4.1%(▲0.1) 10.8%(▲0.2) 6.6%(▲0.6) 270  760  447
    2007/3 4.2%(▲0.2) 10.1%(▲0.5) 6.4%(▲0.6) 281  712  437
    2007/4 4.0%(▲0.3) 8.8%(▲0.8) 6.0%(▲0.8) 268  619  414
    2007/5 3.8%(▲0.3) 8.0%(▲0.5) 5.8%(▲0.7) 258  567  402
    2007/6 3.6%(▲0.5) 8.2%(▲0.6) 5.6%(▲0.9) 241  576  383
    2007/7 3.5%(▲0.5) 8.6%(▲0.4) 5.7%(▲0.8) 288  610  387
    2007/8 3.7%(▲0.4) 8.9%( 0.0) 5.7%(▲0.7) 249  623  393
    2007/9 4.0%(▲0.2) 9.2%(+0.4) 6.0%(▲0.5) 269  649  407
    2007/10 4.0%(▲0.2) 9.2%(+0.4) 6.0%(▲0.3) 271  649  409
    
    2006/10 4.2%     8.8%    6.3%    281  622  434
    2005/10 4.5%     9.1%    6.8%    304  641  470
    2004/10 4.7%     9.7%    7.3%    311  686  497
    2003/10 5.1%     9.8%    7.5%    343  690  511
    2002/10 5.4%     9.3%          362  654
    2001/10 5.2%     8.2%          352  575
    2000/10 4.6%     6.3%          314  439
    
    (直近月次ボトム)
        5.8%    11.6%     --    385  818   --
       (03/3,4)  (04/2,05/2)        (03/4) (05/2)

    (注)

    • 単位は、失業率関連を除き万人。失業率関連は%(対前年同期(括弧書き)はポイント)。
    • ソースは総務省統計局の「労働力調査」。
    • 月次データは原数値を用いている(季節未調整)。
    • 「真の」値は労働力人口比率が0.64(直近ピーク(1992年))であると仮定した場合の値。
    • 「高齢化等補正」についてはhttp://bewaad.sakura.ne.jp/20060729.html#p02を参照のこと。

    #過去の計数は以下のとおりです。

    2005
    03040506070809101112
    2006
    010203040506070809101112
    2007
    010203040506070809

    11/01/2007 (11:59 pm)

    FRB利下げとモラルハザード

    Filed under: economy, BOJ ::

     米連邦準備制度理事会(FRB)は31日、金融政策を決める公開市場委員会(FOMC)を開き、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%幅引き下げ、年4.50%にした。低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げつきが増え、金融市場や景気に悪影響が広がっているためで、金融緩和は0.50%幅下げた9月に続いて2回連続となった。

     FOMC後に発表した声明では一連の利下げ効果に触れ、インフレ加速と景気減速の危険性が「今回でほぼバランスがとれた」と、政策金利が適度な水準になりつつあることを強調。12月の次回会合では金利を据え置く可能性を示した。ただ、米経済が一層悪化すれば利下げを検討する方針とみられ、来年にかけて緩和局面が続くとの見方が有力だ。

     声明は、7〜9月期の米経済成長が底堅く、金融市場の緊張もやや和らいでいると指摘しつつ、目先は「住宅市場の調整が激しくなり、景気拡大のペースは鈍りそうだ」と警戒感を表明。その一方で、原油価格が高騰するなか、金融緩和が拍車をかけかねないインフレ再燃にも懸念を示した。今回の利下げには、10人の委員のうち1人がインフレ警戒から反対した。

     声明が次回会合での金利据え置きの可能性を示唆したことについて、民間エコノミストの間では「住宅不況の長期化で、いずれ再度の利下げに追い込まれる可能性が濃厚」との見方がめだっている。

    朝日「米FRBが追加利下げ 0.25%幅」

    単なる思いつきなのですが、FRBがまともだから日銀がダウンサイドリスクに鈍感になれるのでは? 保険をかけたから、もし事故が起きても保険金がもらえると思って事故回避を怠るというのが典型的モラルハザードですが、これって中央銀行同士にも当てはまるような気がwebmasterにはします。結果において、アメリカの堅実な経済成長が外需となって今の日本の景気を支える主因のひとつになっているのですから。

    さらに言えば先日取り上げた竹森俊平「1997年――世界を変えた金融危機」にて指摘されていた、ITバブル破裂後のFRBの緩和寄りスタンスがバブルを引き起こす可能性も、こうしたFRBの果断な姿勢に関する期待が重要なのかもしれません。結局のところ、最近のFRBはITバブル破裂にせよ今般のサブプライム問題にせよ、金融危機の芽が萌え出でた際にはソフトランディングの実現に全力を尽くしているわけで、これがある種の「保険」として認知されれば、モラルハザード的行動を引き起こす可能性は否定できないのではないでしょうか。

    ましてFRBの金融政策という「保険」は、世にある普通の保険とは異なり、審査なしに全ての者にあまねく効果を及ぼすわけですから・・・。

    10/30/2007 (11:59 pm)

    「真の失業率」推計最新版(2007-09現在)

    Filed under: economy ::
    年月   完全     真の    高齢化等 完全失 真の失 高齢化等
         失業率    失業率   補正後  業者数 業者数 補正後
    
    1990  2.1%     3.2%          134  204
    
    1991  2.1%     2.4%          136  155
    1992  2.2%     2.2%          142  142
    1993  2.5%     2.8%          166  183
    1994  2.9%     3.4%          192  228
    1995  3.2%     4.0%          210  266
    
    1996  3.4%     4.1%          225  276
    1997  3.4%     3.8%          230  262
    1998  4.1%     5.1%          279  348
    1999  4.7%     6.3%          317  435
    2000  4.7%     7.0%          320  485
    
    2001  5.0%     7.9%          340  551
    2002  5.4%     9.4%          359  660
    2003  5.3%    10.0%          350  700
    2004  4.7%    10.0%          313  705
    2005  4.4%     9.8%          294  688
    
    2006  4.1%     9.5%    6.7%    275  671  458
    
    2006/Q2 4.2%(▲0.3) 9.0%(▲0.1) 6.6%    280  631  454
    2006/Q3 4.1%(▲0.2) 8.9%( 0.0) 6.5%    273  627  448
    2006/Q4 3.9%(▲0.4) 9.3%(▲0.5) 6.4%    261  659  440
    2007/Q1 4.1%(▲0.3) 10.7%(▲0.2) 6.6%(▲0.6) 272  752  449
    2007/Q2 3.8%(▲0.5) 8.3%(▲0.7) 5.8%(▲0.8) 280  588  400
    
    年月   完全     真の    高齢化等 完全失 真の失 高齢化等
         失業率    失業率   補正後  業者数 業者数 補正後
    
    2006/10 4.2%(▲0.3) 8.8%(▲0.3) 6.3%    281  622  434
    2006/11 3.9%(▲0.5) 9.2%(▲0.8) 6.4%    292  652  439
    2006/12 3.7%(▲0.3) 9.9%(▲0.5) 6.6%    244  701  448
    2007/1 4.0%(▲0.5) 11.1%( 0.0) 6.9%(▲0.5) 264  784  464
    2007/2 4.1%(▲0.1) 10.8%(▲0.2) 6.6%(▲0.6) 270  760  447
    2007/3 4.2%(▲0.2) 10.1%(▲0.5) 6.4%(▲0.6) 281  712  437
    2007/4 4.0%(▲0.3) 8.8%(▲0.8) 6.0%(▲0.8) 268  619  414
    2007/5 3.8%(▲0.3) 8.0%(▲0.5) 5.8%(▲0.7) 258  567  402
    2007/6 3.6%(▲0.5) 8.2%(▲0.6) 5.6%(▲0.9) 241  576  383
    2007/7 3.5%(▲0.5) 8.6%(▲0.4) 5.7%(▲0.8) 288  610  387
    2007/8 3.7%(▲0.4) 8.9%( 0.0) 5.7%(▲0.7) 249  623  393
    2007/9 4.0%(▲0.2) 9.2%(+0.4) 6.0%(▲0.5) 269  649  407
    
    2006/9 4.2%     8.8%    6.5%    280  624  446
    2005/9 4.2%     8.7%    6.6%    285  612  454
    2004/9 4.6%     9.5%    7.3%    309  667  498
    2003/9 5.2%     9.7%    7.6%    346  678  521
    2002/9 5.4%     9.3%          365  651
    2001/9 5.3%     8.3%          357  579
    2000/9 4.7%     6.6%          320  461
    
    (直近月次ボトム)
        5.8%    11.6%     --    385  818   --
       (03/3,4)  (04/2,05/2)        (03/4) (05/2)

    (注)

    • 単位は、失業率関連を除き万人。失業率関連は%(対前年同期(括弧書き)はポイント)。
    • ソースは総務省統計局の「労働力調査」。
    • 月次データは原数値を用いている(季節未調整)。
    • 「真の」値は労働力人口比率が0.64(直近ピーク(1992年))であると仮定した場合の値。
    • 「高齢化等補正」についてはhttp://bewaad.sakura.ne.jp/20060729.html#p02を参照のこと。

    #過去の計数は以下のとおりです。

    2005
    03040506070809101112
    2006
    010203040506070809101112
    2007
    0102030405060708

    10/25/2007 (11:59 pm)

    竹森俊平「1997年――世界を変えた金融危機」

    Filed under: economy, book ::

    上記Amazonのリンク先でも明らかなように多くの賛辞を集めていて、おそらくは本年の経済書の中でもトップクラスの高い評価を得る本だと思います。本書のキーコンセプトとなる「ナイトの不確実性」についても丁寧な解説がなされていますが、うれしいことにこの分野については小島寛之「確率的発想法」という格好の一般向け入門書がありますので、もし不足を感じてもすぐに補うことができます。小島本自体、非常に面白くわかりやすい本ですので、未読の方におかれましては本書の次にぜひとも手にとっていただきたく。

    以上で推薦は終わりとして、天邪鬼な重箱の隅つつきを。褒め言葉が多いので、そのあたりに比較優位を見出すことでこのエントリの価値を創出したいと思います。要するに、霞が関への評価が、FRBなどへのそれと比べてダブルスタンダードでないの、ということとなりますが、ご存知のとおりwebmasterは霞が関の住人ですから、以下、不公平な自己弁護ではないかとの疑いを持って十分に眉に唾をつけてお読みいただければ。

    以下、結構長い引用となりますが、細切れにするとかえってわかりづらくなるでしょうから、お許しいただきたく。

    つまり、銀行はまず今すぐには全額の返済に応じられないことを「債権者」に告げる。その上で可能になった時に返済できるように、「債務条件」を変更してもらうのである。それが「再交渉」で、うまくいけば「流動性の問題」による経営破綻は防げる。(略)

    しかし、ここに一つの問題がある。つまり、「再交渉」によって経営破綻を回避する方法は、「債権者」が少数ならば可能だが、多数だと困難になるという問題である。なぜかといえば、「フリーライド(ただ乗り)」が発生するからだ。たとえ一部の債権者が「再交渉」に応じ、支払いの延長を認めたとしても、他の債権者が回収できるうちに債権を全額回収しようとするならば、「再交渉」の成功の見込みなどなくなる。

    (略)

    IMFのような第三者からの救援資金の投入を「ベイル・アウト」というのに対して、「再交渉」の方式は、当事者(つまり貸し手)の救援(返済の猶予はそのような性格を持つ)によって問題の解決を図るので、「ベイル・イン」と呼ばれる。(略)

    (略)

    IMF改革から話が変わるが、ここで「再交渉」の問題に絡んで一つ見ておきたいことがある。それは日本の問題、具体的に言うと住専問題に対する公的資金の投入である。そもそもCACのような仕組みを設ける理由は、債権者の数が多数である場合にはそれがない限り「フリーライド」が深刻になり、「ベイル・イン」が困難になるということだった。(略)

    しかるに、ここに実際に債権が少数の債権者に集中していた二つの「債務問題」がある。一つは日本の住専問題であり、もう一つはアメリカにおけるヘッジ・ファンドLTCMの経営破綻問題である。どちらの場合も、公的な保護が定められている「銀行」以外の金融機関の救済に、公的な機関(中央銀行または政府)が関わったという点では共通している。しかし、二つの問題の解決法には大きな違いがあった。つまり、1998年における「LTCM問題」の解決法は「ベイル・イン」の形を取ったのに対して、96年における「住専問題」の解決法は「ベイル・イン」ではなく「ベイル・アウト」の形をとった。先ほど確認したことから考えれば、「住専問題」も「ベイル・イン」で解決できたはずだ。なぜ、そうしなかったのだろう。

    (略)

    ようするに、「住専問題」の場合には、「住専」の破綻処理を混乱のないようにすることよりも、初めから農林系統金融機関自体の「ベイル・アウト」が目的にされていた。(略)

    (略)

    これまで筆者は出来事の推移をできるだけ経済学にしたがって説明するようにしてきたが、ここから先となると経済学はおろか世間の常識で説明するのも難しい。(略)

    (略)

    (略)しかし日本の場合の「不確実性」は、足の速い国際資本の破壊力によるものではなく、純粋に国内要因としてわれわれの前に姿を現した。外部からの統制、監督を十分に受けない行政、官僚組織の欠陥など、高度成長の恩恵でこれまでは闇に隠れていたものが、ひとたびバブルが崩壊し平均成長率が1パーセント台にまで下がると、次から次へと明るみに出る。どこまで問題が発展するのか、暗闇はどこまで広がっていくのか、自民党の政治家はおろか、首相にさえそれは掴めない。国内政治の「不確実性のブラックホール」が、われわれの前にぽっかりと開いたのがこの時代である。

    pp189-204(webmaster注:最終段落の「掴めない」中の「掴」は、原文ではその旁の「国」は「國」です)

    「経済学はおろか世間の常識で説明するのも難しい」、「外部からの統制、監督を十分に受けない行政、官僚組織」であって「高度成長の恩恵でこれまでは闇に隠れていたもの」が住専問題の処理がベイルアウトになった原因であると。長くなるので略しましたが、当事者であった宮沢元総理や西村元銀行局長の証言を豊富に引用しつつ詳細に描写しており、なるほど実態はそうであったのか、と感じさせるに足る記述となっています。

    しかし、当事者の証言とは、それほど信頼に足るのでしょうか? 宮沢元総理にせよ西村元銀行局長にせよ、大蔵省(当時)側の人間でもあり、農林系等金融機関を悪者にしたいとの意図があるかもしれません。そのような故意がなくとも、記憶違いや認知的不協和の存在による選択的な記憶の強化により、当時の実情を忠実に伝えるものではないかもしれません。そして何より、証言が彼らの当時における主観的認識を忠実に表していたとしても、客観的に妥当であるとは限りません。ここでの著者の分析は、こうしたあまたの可能性に目をつぶり証言を鵜呑みにし、結果として官僚とはおどろおどろしい人非人であることにベイルアウトの原因を見出しています。

    官僚とてホモサピエンスであり、その点において「世間の常識」の担い手である普通の人々と変わりはありません。政府なるものには職員を人非人に変える魔性が存在するとしても、ではなぜアメリカの官僚は正しくベイルインを選んだのかの説明がつきません。およそホモサピエンスに共通する性質でもなければ官僚組織に共通する性質でもない何かの存在を前提としないとここでの著者の分析は妥当しないわけですが、オッカムの剃刀に照らせば、そのような前提の妥当性には疑問が残ります。

    では、オッカムの剃刀に耐える仮説はあるのかということですが、ある、というのがwebmasterの見立てです。それも、「経済学にしたがって説明する」ことが可能なものが。まずは住専とLTCMに関する、日米両政府の次のテキストをご覧ください。

    The plan, which calls for fifteen major domestic and foreign commercial and investment banks to infuse a total of $3.5 billion of equity capital into the hedge fund, provides LTCM a respite from loan repayments and with much needed liquid capital. This consortium will now own 90% of the equity in LTCM and will form an oversight committee to direct LTCM’s overall strategy and manage its exposures.

    Testimony of Richard R. Lindsey, Director(リチャード・リンゼイSEC市場規制局長の証言)(webmaster注:原文の注記は省略しました)

    住専の抱える不良債権は巨額で、かつ、住専に融資を行った金融機関は300にものぼりかつ多様であり、また、それぞれに複雑な関係にあります。このため、当事者のみでは到底解決が困難な状況にあります。また、法的な破産手続きを行った場合は、個々の金融機関の損失額がはっきりするまで何年間も要し、その間、体力の弱い金融機関は経営不安にさらされ続けることになり、場合によっては、預金者に不安が広がり、金融機関の破綻が多発するといった事態も起きかねません。現に海外から、我が国の金融システムに厳しい目が向けられていることは、ジャパン・プレミアムなどからも明らかであります。また、このような状況では、景気の回復が望みえないことは明らかであります。

    住専処理策について

    著者は「債権が少数の債権者に集中していた二つの『債務問題』」として住専問題とLTCM問題を挙げていますが、「少数の債権者」とは住専問題では300、LTCM問題では(ベイルインに関与した者は)15と20倍もの開きがあります。著者は「『再交渉』によって経営破綻を回避する方法は、『債権者』が少数ならば可能だが、多数だと困難になるという問題」の存在を指摘していますが、「再交渉」による経営破綻回避における「少数」「多数」の閾値は明らかにはしていません。現に成功したLTCMでの15は「少数」であるとして、300は果たして「少数」と言い得るのでしょうか?

    債権者が多数になるとなぜ「再交渉」による経営破綻回避が困難であるかといえば、著者によればフリーライダーの存在、すなわち抜け駆けしての債権回収が図られることによって「再交渉」がまとまらないおそれが高まるためです。誰かひとりでも抜け駆けを図れば「再交渉」は決裂しますが、各債権者が抜け駆けする確率がわずか1%であるとき、15債権者の全員が抜け駆けせずに「再交渉」がまとまる可能性は86%を超えますが、債権者の数が300となれば5%を割り込みます。債権者の数が15であるときにほぼ50%の確率で「再交渉」がまとまるには抜け駆けの確率は約4.5%となりますが、この抜け駆け確率4.5%の下では、300債権者がまとまる確率は0.0001%に過ぎません。

    まして、住専問題において農林系統金融機関はある強みを有していました‐闇に隠されてきた得体の知れぬ政治力とやらではなく、農林系統金融機関のみが、処理対象である住専の母体行ではなかったという事実です。A住専に債権を持つX銀行が債権を回収しようとすれば、A住専の母体行であるY銀行はX銀行が母体行であるB住専から同様に債権の回収を図るという「報復」が可能なので、母体行同士では抜け駆けしての債権回収には抑制が働きます。

    #農林系統金融機関は協同住宅ローンという住専の「母体行」ではありましたが、昭和60年代にその不動産関連融資が国会で問題視されたことを受け、バブル期には不動産関連融資を抑制しており多額の不良債権を抱えることはなかったため、協同住宅ローンは処理対象にはなりませんでした。

    しかし、農林系統金融機関は処理対象である住専の母体行ではないので、そのような「報復」を恐れることなく抜け駆けしての債権回収を図ることが可能でした。加えて一口に「農林系統金融機関」といいますが、その内実は農林中金・全共連の2全国組織のみならず各都道府県の信連・共済連があり、債権者数としては100近くに上っていました。抜け駆けにためらいのない100債権者、これは到底ベイルインがまとまる状況ではなかったというのがwebmasterの管見です。著者の言うとおり、多くの潜在的フリーライダーを抱える「再交渉」は、潰えるのが自然なのです。

    さて、webmasterの分析は、著者の分析に多少は伍しているのでしょうか?

    10/23/2007 (11:59 pm)

    農業問題はやっぱり消費者問題なのです。

    Filed under: economy ::

    ただし、次のご意見とは異なる文脈においてですが。

     消費者と生産者をまるで対立構造にあるように煽る言説は80年代後半から目立つようになった。なぜか政治評論家やマスコミが急に「日本の消費者は高いものを買わされている。」「消費者は主張すべきだ。」的な消費者利益を持ち出し、補助金で農民が濡れ手で粟の如く利しているようなバッシングが増えたのである。

    (略)

     日本の農業問題が何の解決もなく深刻な状況に追い込まれている現況は、20年前にばら撒かれた「対立構造の煽り」である。日本の過去の農業政策が失敗で、補助金を強請るような態度を示す農民がいたのも事実だが、それを20年間糾弾し続けても何も解決しなかったのである。私は農業問題を「農民の問題」と片付けて、農民を批判するだけで思考停止している消費者にこそ非があると思う。対立構造に毒された消費者はよく「農民のエゴ」という言葉を使うが、むしろ農業問題を「農民の問題」と片付けた消費者のエゴを問題視したい。

    (略)

     都市の消費者は知らないだけで、少なくとも外国と価格競争するという話が愚論であることは、事実を知れば理解できるはずだ。可能性としては品質での差別化しか残っていないことがわかるが、それは日本の農業のセオリーになっている。恐らく、日本のコメ農家は政府の農業政策にかかわらず、一部のやる気のある農家だけ残り、それ以外は後継者がなく絶えるであろう。まさに、財界や経済学者がよく言う通りになるはずである。しかしそれは、コメに関しても料亭や高級レストラン・富裕層向け=国産米、その他大衆向け=輸入米というような牛肉のような構造になるという話である。

     でも、それでいいかは実は生産者の問題より消費者の問題ではないか?食料は自給しなくても結構という識者は、自らリスクを負うことを覚悟し、有事の際は農産物を経ち、化学合成されたビタミン剤か道草でも食べて生きることを宣言すべきではないか。

    「農業問題を農民の問題にする消費者エゴ」(@Munchener Brucke10/20付)

    「それでいいかは実は生産者の問題より消費者の問題で」あり、当サイトで何度となく指摘しているように消費者のドメスティックバイアスが一定の自給率を希求したからこそ、他産業とは異なり国境措置・各種補助金・各種税制措置が削減されたとはいえ、今なお残っているのが実態であるというのがwebmasterの管見です。その意味で議論の枠組みについては大いに賛成で、それは政治評論家等への批判においても同じです。消費者のそうした心情を批判する勇気もなく、ひたすらに農水省・農協・農家批判を繰り返してきたのが大まかな傾向なわけで、ことの本質から逃げていたといわれても致し方ないでしょう。

    他方で、「自らリスクを負うことを覚悟し、有事の際は農産物を経ち(ママ)、化学合成されたビタミン剤か道草でも食べて生きる」というのも乱暴な話で、「有事」とはどのようなものかを考えれば、食料自給率が仮に100%になったところで同じ結果であることから目をそらしています。日本が輸入できなくなる事態とは、国連決議に基づく経済制裁下におかれてどこも輸出してくれなくなるか、アメリカに海上封鎖されるか、少なくとも今後20〜30年のスパンであり得る事態としてはいずれかしかありません。どちらの場合にしても、あわせて石油・天然ガスが輸入できなくなるに決まっていて、そうすればそもそも生産が継続できませんし、仮に生産できても消費地まで持ってくることができません。どのみち日本人の多くを待っているのは餓死の運命です。

    天変地異による供給減や中国・インドの需要増に伴う価格高騰や、その延長線上のいわゆる「買い負け」を懸念する向きもありましょうが、そういう状況においては、結局は政府が逆ザヤをかぶって高い値段で買わざるを得ません。外国に売れば高く売れるというのに、国内向けにわざわざ安く売ってくれなどという話が通じるはずもなく(そんな理屈が通じるなら、農産物価格が低くなった結果として農業からの退出がとまらない、なんてことが起きるわけがありません)、国内農家が作った農産品とて国際価格に収斂していきます。であるならば、政府が逆ザヤをかぶって海外市場で買い付けても同じことなのですから。

    いずれにしても、高い自給率を求める声と、補助金を批判する意見とが同居する姿というのは、かみ合った議論がなされているとは到底いえません。

     ただ補助金云々というのはあくまでも二次的な話。

    1. 日本で農業を続けていくのか?
    2. 続けるのであれば、どの程度まで食料を自給すべきか。
    3. その為の施策は。

     の順で考えなければならない。最初から補助金の是非から論じるのは議論を不毛にする。

    「農業問題のエントリーの反応」(@Munchener Brucke10/23付)

    とのご指摘は、次のwebmasterの意見を共にしていただいたようで、うれしく思うのでした。

    わが国は民主政国家ですから、そうしたコストもきちんと勘案した上でなお高い食料自給率を目指すのが多数派の支持を得る国是だということになれば、webmasterとてそれに従うのはやむを得ないことだと思います。しかし、そうしたコストがきちんと議論されているとは(専門家の間であればともかく、「国民的議論」とやらにおいては)、webmasterにはまったく思えないのです。

    もういい加減「食料自給率」を正しく認識しようよ。(4/4付)

    10/16/2007 (3:36 am)

    銀行間送金の時間制限

    Filed under: economy ::

    なんで銀行は未だにATMなどの手続きまで9-15でそれ以降は翌日とかやってるんですか? まさか人間がチェックしているわけでもあるまいし。なぜ毎日時間外はオフラインにするの?

    人力検索はてな

    銀行間送金はネット決済、すなわちお互いの支払い・受取りを相殺しあって最後の差分だけを清算しているからです。相殺するためには一定期間の支払い・受取りをプールする必要がありますが、つまりは1日分をプールし、その日の決済後は翌日のプールに持ち越しているわけです。現在、このネット決済は16:15に行われています。その前処理の関係上、ATM等においてはもう少し前の時間で翌日扱いである旨が表示されることとなりますが、いずれにしても、毎日一回の決済である以上は、それ以降の振込みは翌日扱いにならざるを得ません。

    毎回振込みの度に決済しようとすれば、ネットではなくグロスで決済をする必要がありますが、そのためには各銀行が多額の現金(実際には日銀当座預金)を支払準備として持っておく必要があり、負担が大きくなりすぎるのです。また、グロス決済であれば決済の回数が増えるため、オペレーショナルリスクも大きなものとなりますから(おそらくは質問者が念頭に置いている即時決済であればなおさら)、ネット決済が銀行の怠惰ゆえと限ったものではなく、ユーザにとってもメリットがあるのが実態なのです。

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